エクアドル・コロンビア地震 (1906年)

エクアドル・コロンビア地震 (: Ecuador–Colombia earthquake) は、1906年1月31日午前10時(現地時間)(日本時間2月1日午前零時)に、エクアドル沖で発生したMw8.8(Ms8.6)の巨大地震。地震は以前はナスカプレートの北東端と考えられていたマルペロプレート北アンデスプレートの境界に沿って発生した。

震源の位置

この地震は北アンデスプレートと南アメリカプレートの下、コイバプレート、マルペロプレート、ナスカプレートの沈み込み帯によって引き起こされた衝上断層の結果と考えられている。エクアドルとコロンビアの沿岸部では、マルペロプレートと北アンデスプレート境界でたびたび巨大地震が発生している。

1900年以降に世界で発生した地震としては、2010年のチリ地震と並んで6番目に大きい地震となっている[1]

地震によって大津波が発生し、エクアドルのリオベルデ川とコロンビアのミカイの間の海岸を襲い、500‐1500人が死亡した。津波の高さはコロンビアのトゥマコで16フィート(5メートル)に達した[2]ほか、震源から遠く離れたハワイヒロで1.8メートルに達し、コスタリカパナマメキシコカリフォルニア日本でも津波が観測され、和歌山県串本で48cmの津波を観測した(津波の高さは全振幅)[3][4]

この地域では1942年(Mw7.8)、1958年(Mw7.7)、1979年(Mw8.2)、2016年(Mw7.8)にも地震が起きているが、いずれの地震でも1906年の地震ほどのエネルギーを放出していないため、近い将来に1906年と同規模の巨大地震が発生する可能性が指摘されている。

トゥマコ地震エクアドル地震はこの地域で発生した。

規模が大きい地震(20世紀以降・世界)
順位名称発生日(UTC規模(Mw
1チリ、バルディビア1960年5月22日9.5
2アラスカ、プリンス・ウィリアム湾1964年3月28日9.2
3スマトラ島・アンダマン諸島2004年12月26日9.1
東北地方太平洋沖地震2011年3月11日
5カムチャツカ半島東方沖1952年11月5日9.0
6チリ、ビオビオ2010年2月27日8.8
エクアドル・コロンビア1906年1月31日
8アリューシャン列島、ラット諸島1965年2月4日8.7
9アリューシャン列島、ユニマク島1946年4月1日8.6
アッサム・チベット1950年8月15日
アリューシャン列島、アンドレアノフ諸島1957年3月9日
スマトラ島北部2005年3月28日
スマトラ島北部西方沖2012年4月11日
規模はアメリカ地質調査所による

脚注

  1. 気象庁|地震について”. www.jma.go.jp. 2021年2月15日閲覧。
  2. 熊本とエクアドルの大地震、関連性は?”. CNN.co.jp. 2021年2月15日閲覧。
  3. 都筑基博, 小山順二, Aditya R. GUSMAN, 蓬田清「1906年Ecuador・Colombia巨大地震の地震および津波規模の再評価」『地震 第2輯』第69巻、日本地震学会、2017年、87-98頁、doi:10.4294/zisin.69.87ISSN 0037-1114NAID 130005662066
  4. 過去の地震活動 平成28年4月 地震・火山月報 (防災編)”. 気象庁. 2021年3月13日閲覧。
This article is issued from Wikipedia. The text is licensed under Creative Commons - Attribution - Sharealike. Additional terms may apply for the media files.