アレハンドロ・アメナーバル

アレハンドロ・アメナーバルスペイン語: Alejandro Amenábar, 1972年3月31日 - )は、チリサンティアゴ出身、スペイン国籍の映画監督脚本家作曲家

アレハンドロ・アメナーバル
Alejandro Amenábar
Alejandro Amenábar
本名 Alejandro Fernando Amenábar Cantos[1]
生年月日 (1972-03-31) 1972年3月31日(50歳)
出生地  チリサンティアゴ[1]
国籍 スペインの旗 スペイン
職業 映画監督脚本家作曲家
配偶者 ダビド・ブランコ(2015年 - 、男性)[1]
主な作品
オープン・ユア・アイズ
アザーズ
海を飛ぶ夢
 
受賞
アカデミー賞
外国語映画賞
2004年海を飛ぶ夢
ヴェネツィア国際映画祭
審査員大賞
2004年『海を飛ぶ夢』
青年映画賞
2004年『海を飛ぶ夢』
ベルリン国際映画祭
国際アートシアター連盟賞
1998年オープン・ユア・アイズ
東京国際映画祭
東京グランプリ
1998年『オープン・ユア・アイズ』
ヨーロッパ映画賞
監督賞
2004年『海を飛ぶ夢』
放送映画批評家協会賞
外国語映画賞
2004年『海を飛ぶ夢』
ゴールデングローブ賞
外国語映画賞
2004年『海を飛ぶ夢』
ゴヤ賞
監督賞
2002年 『アザーズ』
2005年『海を飛ぶ夢』
脚本賞
1997年『テシス 次に私が殺される』
2002年『アザーズ』
2005年『海を飛ぶ夢』
2010年『アレクサンドリア
新人監督賞
1997年『テシス 次に私が殺される』
オリジナル作曲賞
2005年『海を飛ぶ夢』
その他の賞
ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞
外国語映画賞
2004年『海を飛ぶ夢』

経歴

幼少期・青年期

父親のウーゴ・リカルド・アメナーバルはチリ人、母親のホセフィーナ・カントスはスペイン人である。ホセフィーナの姉はスペインからチリに渡っており、後にホセフィーナをチリに招いた。ホセフィーナはそこでウーゴと出会い、1972年3月31日にアレハンドロ・アメナーバルが生まれた。アメナーバルにはリカルドという1969年生の兄がいる。アメナーバル自身はチリとスペインの二重国籍である。父親はゼネラル・エレクトリックのエンジニアである。アレハンドロが1歳だった1973年8月、アメナーバル家はスペインに移住した。当初はキャンピングカーに寝泊まりしていたが、やがてマドリードに落ち着いた。アレハンドロが6歳の時、郊外にあるマドリード州パラクエーリョス・デ・ハラマの団地に引っ越した。

15歳の頃から足しげく映画館に通い、その他には執筆や読書にも情熱を注いだ。アメナーバルの母親によると、アメナーバルは読んだ文章のすべてを吸収する能力を持っていた。さらには、物語を書いた時には文章に合わせてキーボードやギターで作曲を行った。アメナーバルはヘタフェの学校に在学していたが、高校2年時にはマドリードの北東部にあるアラメダ・デ・オスナ学校に転校した。この学校はアメナーバルの家からは遠かったが、マドリード有数の学校として知られていた。マドリード・コンプルテンセ大学の情報科学部に入学、コンプルテンセ大学ではマテオ・ヒルなどと出会い、ヒルとはプロジェクトの相互支援を行っている。アメナーバルは最終的にコンプルテンセ大学の学位は取得していない[1]

映画監督

1991年から1994年の間に、アメナーバルは『La Cabeza』、『Himenóptero』、『Luna』という3本の短編映画を監督した。ホセ・ルイス・クエルダが『Himenóptero』の脚本を担当し、若いアメナーバルに助言を与えた。23歳だった1996年には初長編作品『テシス 次に私が殺される』を監督。この作品はゴヤ賞で新人監督賞と脚本賞を受賞し、ベルリン国際映画祭でも審査員の注目を集めた。1997年のSFアクション映画『オープン・ユア・アイズ』は、ベルリン国際映画祭東京国際映画祭で高評価を得た。この作品はアルフレッド・ヒッチコック監督の1958年作『めまい』をアメナーバルなりにアレンジしたものであると語っている[1]トム・クルーズがハリウッドリメイク権を購入、クルーズ自身が主役を演じて『バニラ・スカイ』としてリメイクされた。2001年の3作目『アザーズ』ではハリウッドに進出。ニコール・キッドマンが主演するスリラー映画である。スペインでは同年の最多観客数を記録し、アメリカ合衆国では数週間にわたって興行成績第1位となった。この作品はヴェネツィア国際映画祭でプレミア上映され、ゴヤ賞では作品賞・監督賞を含む8部門で受賞し、ヨーロッパ映画賞では作品賞にノミネートされた。

2004年には尊厳死活動家のラモン・サンペドロの手記『地獄からの手紙』を元に、ハビエル・バルデムをサンペドロ役に据えた『海を飛ぶ夢』を製作。この作品はアカデミー外国語映画賞を受賞し、ヴェネツィア国際映画祭では審査員特別賞を受賞した。ゴヤ賞では14部門で受賞した。この作品の発表後には尊敬するスティーヴン・スピルバーグから賛辞の手紙を受けとったという[1]。2005年には映画芸術科学アカデミーのメンバーとなった[1]。2008年にはレイチェル・ワイズマックス・ミンゲラを主演に据えて『アレクサンドリア』を監督。当初は『Mists of Time』という題名の予定だったが、結局は『Agora』と改題されている。2009年5月17日のカンヌ国際映画祭でプレミア上映され、10月9日にスペインで一般劇場公開された[2]。2011年にはマドリード・ウォーク・オブ・フェイムに選ばれた[3]

2015年には約7年ぶりの長編映画として、エマ・ワトソンイーサン・ホークを主演に据えて『リグレッション』を監督した[4]。この作品は2015年9月のサン・セバスティアン国際映画祭でプレミア上映された[4]

アメナーバルは自作の音楽のほかに、ホセ・ルイス・クエルダ監督の『蝶の舌』や、マテオ・ヒル監督の『パズル』のサウンドトラックも手掛けている。熱心なサウンドトラックの収集家である[1]スティーヴン・スピルバーグジェームズ・キャメロンスタンリー・キューブリックなどを好きな監督に挙げている[1]

人物

2004年、スペインの雑誌にてゲイであることを公表[5][6]。スペインでは2005年に同性婚が合法化されている(スペインの同性婚)。2015年7月18日、ダビド・ブランコ(男性)と結婚した[7]

フィルモグラフィー

監督した長編映画
原題日本語題担当備考
1996Tesisテシス 次に私が殺される監督・脚本・音楽
1997Abre los ojosオープン・ユア・アイズ監督・脚本・音楽カメオ出演
2001Los otrosアザーズ監督・脚本・音楽
2004Mar adentro海を飛ぶ夢監督・脚本・製作・音楽
2009Ágoraアレクサンドリア監督・脚本
2015Regresiónリグレッション監督・脚本
その他の作品
原題日本語題担当備考
1991La cabeza監督・脚本・音楽・出演短編映画
1992La extraña obsesión del Doctor Morbius監督・脚本・音楽・出演短編映画
1992Himenóptero監督・脚本・出演短編映画
1994Luna監督・脚本・音楽・出演短編映画
1999La lengua de las mariposas蝶の舌音楽
1999Nadie conoce a nadieパズル音楽
2009Spanish Movie最終爆笑計画カメオ出演
2010El mal ajeno命の相続人製作
2013Me encanta監督・脚本ミュージックビデオ
2015Vale監督・脚本テレビコマーシャル[8]

受賞とノミネート

映画賞

アメリカ合衆国の旗 アカデミー賞
部門作品結果
2005外国語映画賞海を飛ぶ夢受賞
アメリカ合衆国の旗 ゴールデングローブ賞
部門作品結果
2005外国語映画賞海を飛ぶ夢受賞
BAFTA賞
部門作品結果
2001脚本賞アザーズノミネート
欧州連合の旗 ヨーロッパ映画賞
部門作品結果
2001作品賞アザーズノミネート
2004作品賞海を飛ぶ夢受賞
監督賞受賞
スペインの旗 ゴヤ賞
部門作品結果
1996新人監督賞テシス 次に私が殺される受賞
脚本賞受賞
1998監督賞オープン・ユア・アイズノミネート
脚本賞ノミネート
1999作曲賞La lengua de las mariposasノミネート
2001監督賞アザーズ受賞
脚本賞受賞
作曲賞ノミネート
2004作品賞海を飛ぶ夢受賞
監督賞受賞
脚本賞受賞
音楽賞受賞
2009監督賞アレクサンドリアノミネート
脚本賞受賞
イタリアの旗 ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞
部門作品結果
2005ヨーロッパ作品賞海を飛ぶ夢受賞
フランスの旗 セザール賞
部門作品結果
2002インディペンデント・スピリット賞アザーズノミネート
インディペンデント・スピリット賞
部門作品結果
2004外国語映画賞海を飛ぶ夢受賞
アマチュア映画人独立協会賞
部門作品結果
1991短編賞La cabeza受賞
1994脚本賞Luna受賞
音楽賞受賞
メキシコの旗 アリエル賞
部門作品結果
2006ラテンアメリカ作品賞海を飛ぶ夢ノミネート
アルゼンチンの旗 アルゼンチン映画批評家協会賞
部門作品結果
2006スペイン語作品賞海を飛ぶ夢受賞
スペインの旗 サン・ジョルディ賞
部門作品結果
1999作品賞テシス 次に私が殺される受賞
2002スペイン作品賞アザーズ受賞
2005作品賞海を飛ぶ夢受賞
スペイン作品賞受賞
スペインの旗 ブタカ賞
部門作品結果
1998アートハウス作品賞オープン・ユア・アイズノミネート
スペインの旗 スペイン音楽賞
部門作品結果
2005作曲賞海を飛ぶ夢受賞
スペインの旗 トゥリア賞
部門作品結果
2005観客賞海を飛ぶ夢受賞
スペインの旗 フォトグラマス・デ・プラータ
部門作品結果
2005作品賞海を飛ぶ夢受賞
世界サウンドトラック賞
部門作品結果
2005年間最優秀サウンドトラック海を飛ぶ夢ノミネート
オーストラリアの旗 オーストラリア映画批評家協会賞
部門作品結果
2005外国語映画賞海を飛ぶ夢受賞

映画祭

イタリアの旗 ヴェネツィア国際映画祭
部門作品結果
2001作品賞アザーズノミネート
2004審査員特別賞海を飛ぶ夢受賞
若手作品賞受賞
作品賞ノミネート
日本の旗 東京国際映画祭
部門作品結果
1998作品賞オープン・ユア・アイズ受賞
ブルガリアの旗 ソフィア国際映画祭
部門作品結果
2005観客賞海を飛ぶ夢受賞
銀のカモメ受賞
ベルギーの旗 ヘント国際映画祭
部門作品結果
2001国際映画批評家連盟賞アザーズ受賞
作品賞ノミネート
チリの旗 バルディビア国際映画祭
部門作品結果
1998観客賞オープン・ユア・アイズ受賞
フランスの旗 トゥールーズ・スペイン映画祭
部門作品結果
1998学生審査員賞オープン・ユア・アイズ受賞
ポルトガルの旗 ファンタスポルト
部門作品結果
1997作品賞テシス 次に私が殺されるノミネート
ベルギーの旗 ブリュッセル国際ファンタジー映画祭
部門作品結果
1997作品賞テシス 次に私が殺される受賞
スペインの旗 シッチェス映画祭
部門結果
2006タイムマシン賞受賞
スペインの旗 エルチェ映画祭
部門作品結果
1992短編賞Himenóptero受賞
カラバンチェル映画祭
部門作品結果
1992短編賞Himenóptero受賞

脚注

  1. Alejandro Amenábar インターネット・ムービー・データベース(IMDb)
  2. Agora (2009): Release Info インターネット・ムービー・データベース(IMDb)
  3. Madrid gets its own Walk of Fame BBC News, 2011年6月28日
  4. ‘Regression’: San Sebastian Review ハリウッド・リポーター, 2015年9月18日
  5. Alejandro Amenábar: "No me importa reconocer que soy gay" (スペイン語). Radio Coopertiva (2004年8月31日). 2007年2月13日閲覧。
  6. “Amenábar habla de su homosexualidad” (Spanish). Espectáculos. (2004年8月31日). http://www.esmas.com/espectaculos/cine/388558.html 2014年7月9日閲覧。
  7. “Alejandro Amenábar se casa este sábado: todas las fotos de su romance” (Spanish). Vanitatis. (2015年7月18日). http://www.vanitatis.elconfidencial.com/multimedia/album/noticias/2015-07-17/alejandro-amenabar-se-casa-este-sabado-todas-las-fotos-de-su-romance_930679/#0 2015年7月18日閲覧。
  8. 'Vale', el cortometraje de Estrella Damm dirigido por Alejandro Amenábar”. エル・ペリオディコ・デ・カタルーニャ (2015年6月15日). 2016年4月8日閲覧。

外部リンク

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