アレッサンドロ・ファルネーゼ枢機卿の肖像

アレッサンドロ・ファルネーゼ枢機卿の肖像』(アレッサンドロ・ファルネーゼすうきけいのしょうぞう、: Ritratto del cardinale Alessandro Farnese: Portrait of Cardinal Alessandro Farnese) は、ラファエロによるアレッサンドロ・ファルネーゼ枢機卿の肖像画であり[1] 、1509-1511年頃に制作された。作品はナポリカポディモンテ美術館に所蔵されている[2]

『アレッサンドロ・ファルネーゼ枢機卿の肖像』
イタリア語: Ritratto del cardinale Alessandro Farnese
英語: Portrait of Cardinal Alessandro Farnese
作者ラファエロ
製作年1509–1511年頃
種類板上に油彩
寸法139 cm × 91 cm (55 in × 36 in)
所蔵カポディモンテ美術館、ナポリ

枢機卿は数々の聖職禄を受け、カトリック教会の副首相、ティヴォリの知事、サン・ピエトロ大聖堂の上級聖職者などになった。1536年にはシチリアモンレアーレ司教になり、後にモンレアーレでイエズス会を設立した[3]。本作で、アレッサンドロ・ファルネーゼ枢機卿は明るい前景のある窓の近くでポーズをとり、その窓は暗いホールに通じている。彼の繊細な右手は手紙を持っている。

ファルネーゼ家には古代ローマ美術の一大コレクションがあったが、枢機卿は絵画には頓着せず、画家の登用や絵画の選定はジュリオ・クローヴィオを初めとする美術顧問に任せていた。このジュリオ・クローヴィオの仲介を通して、ギリシアクレタ島出身でヴェネツィアで絵画を修業していた若い画家エル・グレコは1570年にローマに移住し、ファルネーゼ宮殿で枢機卿に仕えることになった[4][5]。ローマ時代にエル・グレコが描いた『ジュリオ・クローヴィオの肖像』と『ロウソクに火を灯す少年』はファルネーゼ家のコレクションに入り、現在は本作と同様、カポディモンテ美術館に収蔵されている。

脚注

  1. Raphael (1966). Raphael. pp. 113, 362. https://books.google.com/books?id=QVYVAAAAIAAJ&q=Portrait+of+Cardinal+Alessandro+Farnese+Raphael&pg=PA113
  2. http://www.museocapodimonte.beniculturali.it/
  3. https://totallyhistory.com/portrait-of-cardinal-alessandro-farnese/2021年8月30日閲覧
  4. 『もっと知りたいエル・グレコ 生涯と作品』大高保二郎、松原典子著、2012年刊行、12項参照 ISBN 978-4-8087-0956-3 2022年12月29日閲覧
  5. 『もっと知りたいエル・グレコ 生涯と作品』大高保二郎、松原典子著、2012年刊行、16-17項参照 ISBN 978-4-8087-0956-3 2022年12月29日閲覧
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