アメリカン航空1291便事故
アメリカン航空1291便事故は、2000年11月21日にマイアミで発生した航空事故である。
緊急脱出後の事故機 | |
事故の概要 | |
---|---|
日付 | 2000年11月21日 |
概要 | 客室ドアの破損 |
現場 | アメリカ合衆国・フロリダ州マイアミ国際空港 |
乗客数 | 121[1][2] |
乗員数 | 12[1] |
負傷者数 | 23[1] |
死者数 | 1[1] |
生存者数 | 132[1] |
機種 | エアバス A300B4-605R |
運用者 | アメリカン航空 |
機体記号 | N14056[3] |
出発地 | マイアミ国際空港 |
目的地 | ポルトープランス国際空港 |
マイアミ国際空港からポルトープランス国際空港へ向かっていたアメリカン航空1291便(エアバス A300B4-605R)が与圧トラブル、及び火災警報の誤作動によりマイアミ国際空港へ緊急着陸した。緊急着陸後、客室ドアを開いた際にドアが突如開き、客室乗務員1人が死亡し、乗員乗客23人が負傷した[4]。
飛行の詳細
事故機
事故機のエアバス A300B4-605R(N14056)は1988年にシリアルナンバー463として製造された。2基のゼネラル・エレクトリック社製CF6-80C2A5ジェットエンジンを搭載しており、総飛行時間は34,346時間だった[1]。
事故の経緯
事故調査
航空専門家のジョン・ナンスは、機械的故障が原因の可能性はあるが、エアバス機の客室ドアが運航中に破損したという事例は聞いたことが無いと述べた。エアバスA300のドアは直接外側に開くが、客室が与圧された状態ではドアは開かないように設計されていた[4][7]。
国家運輸安全委員会(NTSB)が調査を行った。事故の翌日、フライトデータレコーダー(DFDR)とコックピットボイスレコーダー(CVR)がワシントンに送られた。調査から、与圧に問題があると知ったパイロットは、与圧制御を自動から手動に切り替えた。その後チェックリストを開始したが、全ての内容を実行してはいなかった。これは、火災警報への対処を優先したためだと結論付けられた[6]。
また、機体後部にある与圧用のバルブを断熱材のブランケットが塞いでいたことが判明した。加えて、火災警報は機内の圧力が変化したため作動したと結論付けられた[1]。
通常、機内は着陸後に与圧された状態から自動的に減圧されるが、1291便では与圧制御が手動に切り替わっていたため、減圧がされなかった。この事はマニュアルには記載されておらず、事故機のパイロットは知らなかった[6]。ボーイングなどの機材には、非常ドアを開ける際に機内の圧力を自動的に下げるベントが装備されていたが、A300には装備されていなかった[8]。
NTSBは報告書で事故原因はパイロットエラーであると述べた。パイロットが手動で減圧を行わなかったため、機内の圧力が高まり、ドアが突然開いたと結論付けた[2][9]。
脚注
- “NTSB Identification: MIA01FA029”. 2020年4月28日閲覧。
- “NTSB Rules Pilot Error Led To Flight Attendant's Death”. 2020年4月28日閲覧。
- "FAA Registry (N14056)". Federal Aviation Administration.
- “Flight Attendant Killed in Evacuation”. 2020年4月28日閲覧。
- “FLIGHT ATTENDANT KILLED IN MIAMI”. 2020年4月28日閲覧。
- “NTSB wants change in Airbus manual”. 2020年4月28日閲覧。
- “PRESSURE MAY HAVE BLASTED FLIGHT ATTENDANT TO GROUND”. 2020年4月28日閲覧。
- “Safety Board Calls For Emergency Exit Door Redesign”. Air Safety Week (2002年8月19日). 2013年7月22日閲覧。
- “American Airlines Flight Attendant's Death Result of 'Pilot Error'”. 2020年4月28日閲覧。