アストンマーティン・ヴァンテージ GT2
アストンマーティン・ヴァンテージ GT2は、アストンマーティン・V8ヴァンテージ シリーズの中で最もパワフルなレーシングカー。ヴァンテージ GT2は、V8エンジンの アストンマーティン・ ヴァンテージ をベースに、アストンマーティン・レーシングが開発、標準のレース用燃料または E85 バイオエタノール、両方で動作するように設計されている。
アストンマーティン・レーシング GTEカー 2013 ルマン24時間レース | |
カテゴリー |
GT2 LM-GTE |
---|---|
コンストラクター | アストンマーティン |
後継 | アストンマーティン・ヴァンテージ GTE (2018) |
主要諸元 | |
シャシー | Bonded aluminium chassis with カーボンファイバー panels |
サスペンション(前) | Double wishbone with adjustable Koni dampers |
サスペンション(後) | Double wishbone with adjustable Koni dampers |
エンジン | アストンマーチン 4,475 cc (4.5 L; 273.1 cu in), all aluminium, 32 valve 90° V8, 自然吸気, 450 bhp (336 kW; 456 PS), 500 N⋅m (369 lb⋅ft), FMR |
トランスミッション | 6速 シーケンシャルマニュアルトランスミッション |
重量 |
FIA 1,150 kg (2,540 lb) ACO 1,175 kg (2,590 lb) |
燃料 |
トタル 98 unleaded トタル Quartz 9000 lubricants |
主要成績 | |
チーム |
アストンマーティン・レーシング ドレイソン・レーシング TF Sport Beechdean AMR |
初戦 | 2008年アメリカン・ルマン・シリーズ,ロングビーチ |
開発
2008年にデビュー。FIAおよびACOのGT2クラスレギュレーションに適合するマシンとして開発された。FIA GT選手権のほか、アメリカン・ル・マン・シリーズ、ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ、およびル・マン24時間レースでカスタマー供給されている。
エンジンは市販モデルの4.3L V8エンジン AJ37をベースに、排気量を4.5Lに拡大した上でドライサンプ化。シリンダーブロック及びクランクシャフトは市販モデルからの流用であるが、シリンダーヘッド、コンロッド、バルブ、カムシャフト、エキゾーストシステム等はレース用のコンポーネントを使用している[1]。
市販モデルでは接着されたアルミニウムシャーシを使用しているが、GT2マシンではカーボンファイバーパネル (ルーフを除く) を使用し、フロントスプリッター、リアディフューザー、リアウィング、フラットフロアといったエアロパーツを備える。
燃料はレースシリーズに応じて、E85エタノールと通常のレース用燃料の双方を使用できるよう設計されている。[2]
アップグレードとGTE バージョン
2012年、前シーズンにLMP1クラスへ投入したAMR-Oneが失敗に終わったアストンマーティン・レーシングは、再びGTカーレースのプログラムに戻った。ヴァンテージGT2の仕様は、更新されたルマンGT2(現在のLM-GTE)レギュレーションとはわずかに異なるため、開発はヴァンテージ GTEとして改めて行われた。
レース戦績
アストンマーティン・ヴァンテージ GT2は、英国の元国務大臣であるポール・ドレイソンと、2004年の英国GTチャンピオンであるジョニーコッカーが2008年ALMS、ロングビーチでレースデビューを果たした。マシンはE85燃料でレースした。 [6]
2008年、ルマン・シリーズで、ジェームズワットオートモーティブは、ヴァンテージGT2を走らせたが[7] 、メカニカルトラブルの為にデビューレースを完走できなかった。
2009年、ドレイソンレーシングは、ルマンシリーズでヴァンテージ GT2を走らせた。
2010年、スーパーGT GT300クラスに、A speedがヴァンテージ GT2で参戦した。マシン名はtripleA ヴァンテージ GT2。
2010年のルマンシリーズに、JMWモータースポーツがヴァンテージ GT2を走らせた。 [8] ヴァンテージGT2は、ルマンシリーズやインターコンチネンタル・ルマンカップなど、多くのシリーズにも参戦した。2011年のルマン24時間レースでは、Jotaレーシング・AMRとガルフAMRミドルイーストの2台のヴァンテージGT2がレースを行った。両方のマシンは最終的にリタイアした。1台はメカニカルトラブルがあり、もう1台はコントロールを失ってサーキットをスピンオフし、ドライバーのマークウェインライトは負傷し、マシンは深刻なダメージを受け続行できなかった。
2012年、アストンマーティン・レーシングは、ワークスチームとして、初開催の世界耐久選手権(WEC)に、アップグレードされたLM-GTEスペックのヴァンテージ GTEで参戦した。アップグレードされたマシンは、1月にテストでデビュー。そのマシンは、以前のアストンマーティン・DBR9やスポーツプロトタイプカーと同じように、ガルフカラーだった。
2014年の世界耐久選手権で、LM-GTEAmクラスで、ドライバー、チームのダブルタイトルを獲得した。
2016年の世界耐久選手権で、LM-GTEProクラスで、ドライバー、チームのダブルタイトルを獲得した。
脚注
- “Aston Martin Racing Vantage GT2 brochure”. Aston Martin Racing (2010年10月7日). 2010年10月7日閲覧。
- “Aston Martin Racing révèle sa Vantage GT2”. Endurance-Info (2008年1月4日). 2008年1月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年1月10日閲覧。
- Chris Pickering, ["Aston Bids for GT Advantage"], Race Tech, April 2012
- ["LM GTE Pro"], Endurance Committee
- ["Licence to Le Mans"], Greenlight TV
- “New car, same goals for Drayson-Barwell”. Motorsport.com (2008年4月14日). 2010年9月30日閲覧。
- “James Watt Automotive engagera une... Aston Martin Vantage GT2 !”. Endurance-Info (2008年2月4日). 2008年2月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年2月4日閲覧。
- “Aston Martin Vantage for JMW Motorsport in LMS”. PlanetLeMans (2009年12月23日). 2010年1月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年12月23日閲覧。