死神の精度
『死神の精度』(しにがみのせいど、Accuracy of Death[1])は、伊坂幸太郎による日本の小説、またそれを原作とした作品群。
死神の精度 | ||
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著者 | 伊坂幸太郎 | |
発行日 | 2005年6月30日 | |
発行元 | 文藝春秋 | |
国 | 日本 | |
言語 | 日本語 | |
形態 | 四六判並製カバー装 | |
ページ数 | 280 | |
公式サイト | 特設ページ | |
コード | ISBN 4-16-323980-4 | |
ウィキポータル 文学 | ||
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概要
7日間の調査の後に対象者の死を見定める、クールで少しずれている死神を取り巻く6つの人生の物語。
以下の6編から成る短編集である。
- 死神の精度(『オール讀物』2003年12月号)
- 死神と藤田(『オール讀物』2004年4月号)
- 吹雪に死神(『オール讀物』2004年8月号)
- 恋愛で死神(『オール讀物』2004年11月号)
- 旅路を死神(『別冊文藝春秋』第255号・2005年1月)
- 死神対老女(『オール讀物』2005年4月号)
2013年7月、続編となる『死神の浮力』を発表[4]。
登場人物
- 千葉
- 本作の主人公である死神。
- 死神の「調査部」の一員として人間の世界に派遣され、調査対象である人間を一週間にわたり観察し、死を見定める。対象者を「可」(映画では「実行」)とした場合は八日目に死亡し、「見送り」とした場合は死なずに天寿を全うする事となる。「可」にするか「見送り」にするかどうかについて明確な基準はなく、裁定は死神の裁量に全て任される。殆どの調査対象は「可」となり、「見送り」になる事は極めて稀である。また、調査期間の間に対象が死亡する事はない。
- 自らが行っている死の身定めを仕事と割り切っており、人間の死にも全く興味がなく、「人の死に意味はなく価値もない」と考えている。
- 彼が仕事のために人間界へ赴くと必ず雨が降っており、青空を見た事がない。死神が素手で人間に触れると、人間は気絶し寿命も一年間縮まってしまう。
- 死神が人間の世界に派遣される際、外見や年齢は「情報部」が事前に導き出した、もっとも仕事をしやすいものになる。容姿が仕事のたびに変わるのに対して名前は毎回変化せず、死神個々の名前は必ず、「千葉」や「秋田」など市町村と同じ名前になっている。
- ジャンルを問わずミュージックをこよなく愛しており、仕事の合間に時間が出来ればCDショップに行き、CDを貪り聴く。その偏愛ぶりは「人間の死に興味はないが、人間が死に絶えミュージックが無くなることは辛い」と言わせるほどである。これは死神に共通して言える事で、CDショップや音楽が流れる喫茶店に行けば必ずといっていいほど他の死神と出会う事が出来る。音楽を偏狂なまでに愛しているのに対し、渋滞は人間が作ったものの中で一番醜いものだと考えている。
- 人間の世界の価値観や言葉などをあまりよく理解しておらず、「雪男」と「雨男」を同じようなものだと思ったり、人間とは違う発言をしたりするため、人間と会話する際に微妙に会話がかみ合わないことが多々ある。
- 同著者の作品『魔王』にも登場している。
死神の精度
死神と藤田
吹雪に死神
恋愛で死神
旅路を死神
死神対老女
死神の浮力
- 山野辺 遼 (やまのべ りょう)
- 小説家。かつては執筆の傍らテレビ出演もこなした人気作家だったが、3年前から新作を執筆していない。去年の夏、一人娘である菜摘を殺人事件で失った。その加害者である崇に復讐を企てる。
- 山野辺 美樹 (やまのべ みき)
- 遼の妻。夫の崇に対する復讐に協力する。
- 山野辺 菜摘 (やまのべ なつみ)
- 遼の一人娘。学校の帰り道で行方不明になり、翌日町外れの川で変死体となって発見される。
- 本城 崇 (ほんじょう たかし)
- 近所に住んでいる無職の青年。菜摘の殺害容疑で逮捕されたが、証拠不十分で無罪となり釈放された。
ラジオドラマ
NHK-FMの『青春アドベンチャー』にてラジオドラマ化。初回放送は2006年10月30日 - 11月3日。全5回。「死神の精度」「死神と藤田」「吹雪に死神」「恋愛で死神」「死神対老女」をドラマ化。
キャスト
映画
Sweet Rain 死神の精度 | |
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Accuracy of Death | |
監督 | 筧昌也 |
脚本 |
筧昌也 小林弘利 |
原作 | 伊坂幸太郎 |
製作 |
堀部徹 神蔵克 倉田貴也 |
出演者 |
金城武 小西真奈美 富司純子 |
音楽 | ゲイリー芦屋 |
主題歌 |
藤木一恵(小西真奈美) 「Sunny Day」 |
撮影 | 柴主高秀 |
編集 | 伊藤伸行 |
制作会社 | ROBOT |
製作会社 |
日本テレビ放送網 ROBOT ワーナー・ブラザース映画 バップ 読売テレビ 三井物産 ソニー・ミュージックエンタテインメント |
配給 | ワーナー・ブラザース映画 |
公開 | 2008年3月22日 |
上映時間 | 113分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 5億300万円[5] |
『Sweet Rain 死神の精度』(スウィート・レイン しにがみのせいど)のタイトルで[6]、2008年3月22日に丸の内ピカデリー3他にて公開された[7]。
「死神の精度」「死神と藤田」「死神対老女」の3編を取り上げ映画用に構成した内容となっている[8]。金城武は『リターナー』以来6年ぶりの日本映画出演となる[9][10]。本作の映画化は映画化を断り続けてきた伊坂が、スタッフ側から金城が主演である条件を呈示された事で了承し実現した。
キャスト
スタッフ
ソフト化
2008年8月27日発売。発売・販売元はバップ。
- Sweet Rain 死神の精度 スタンダード・エディション(DVD1枚組)
- 映像特典
- 劇場予告編
- 音声特典
- オーディオコメンタリー(監督:筧昌也)
- 映像特典
- Sweet Rain 死神の精度 コレクターズ・エディション(DVD2枚組)
- ディスク1:本編DVD
- 映像・音声特典(スタンダード・エディションと同様)
- 筧昌也監督によるこだわりチャプター機能を搭載
- ディスク2:特典DVD
- メイキング“Hard Rain”
- キャストインタビュー
- 未公開シーン集
- 初日舞台挨拶
- TVスポット集
- 封入特典
- 筧昌也監督による絵コンテ台本
- カードセット(5枚組)
- 劇中登場アイテムレプリカ
- 死神カード
- 不審者注意!貼紙
- ロボット竹子の取扱説明書
- 特製アウターケース&デジパック仕様
- ディスク1:本編DVD
舞台
7Days Judgement -死神の精度-(セブンデイズジャッジメント しにがみのせいど)
スタッフ(2009年)
- 脚本・演出:和田憲明
- 美術:長田佳代子
- 照明:佐藤公穂
- 音響:遠藤宏志
- 衣裳:牧野純子
- 演出助手:田中麻衣子
- 舞台監督:安田武司
- 制作:馬場順子
- 制作助手:大迫久美子
- 宣伝美術:タカハシデザイン室
- 宣伝写真:二石友希
- 宣伝衣裳:牧野純子
- 宣伝ヘアメイク:荻野明美
- プロデューサー:石井久美子
- 企画製作:石井光三オフィス
スタッフ(2018年)
- 脚本・演出:和田憲明
Live,Love,Drive 死神の精度(リヴ・ラヴ・ドライブ しにがみのせいど)
2009年11月18日-11月29日に紀伊国屋サザンシアターにて上演された。脚本は竹重洋平、演出は松村武。
俳優・作家のマネージメントや演劇制作を行う「ミーアンドハーコーポレーション」と演劇集団キャラメルボックスを運営する「ネビュラプロジェクト」が共同製作をする「MINERVA」(ミネルバ)の第一弾として制作された。
本作は『死神対老女』(Live)、『恋愛で死神』(Love)、『旅路を死神』(Drive)の三編を中心に構成されている[16]。
脚注
- 死神の精度(伊坂幸太郎 著)別タイトル:Accuracy of Death - 国立国会図書館
- 2004年 第57回 日本推理作家協会賞:短編部門 - 日本推理作家協会
- 2006年本屋大賞結果発表&発表会レポート - 本屋大賞
- “死神の浮力 伊坂幸太郎著 物語を覆う哀しみとユーモア”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社). (2013年8月19日) 2021年12月4日閲覧。
- 「2008年 日本映画・外国映画 業界総決算 経営/製作/配給/興行のすべて」『キネマ旬報』2009年(平成21年)2月下旬号、キネマ旬報社、2009年、172頁。
- “金城武が恋する死神を演じた「Sweet Rain 死神の精度」完成”. 映画.com (株式会社エイガ・ドット・コム). (2008年1月28日) 2021年12月4日閲覧。
- “死神・金城のヘッドホンで流れていたのはユーミン? 『死神の精度』ついに完成!”. cinemacafe.net (イード). (2008年1月29日) 2021年12月4日閲覧。
- “金城武が音楽を愛するチャーミングな死神に『Sweet Rain 死神の精度』”. cinemacafe.net (イード). (2008年3月21日) 2021年12月4日閲覧。
- “金城武、小西真奈美に「かみ合わない」と言われてもジェントルマン!”. シネマトゥデイ (株式会社シネマトゥデイ). (2008年1月28日) 2021年12月4日閲覧。
- “続編も決定? 金城武6年ぶりの邦画主演作『死神の精度』大ヒットスタート!”. cinemacafe.net (イード). (2008年3月24日) 2021年12月4日閲覧。
- “『Sweet Rain 死神の精度』小西真奈美 単独インタビュー”. シネマトゥデイ (株式会社シネマトゥデイ). (2008年3月24日) 2021年12月4日閲覧。
- “本格派女優・小西真奈美 話題作『死神の精度』主題歌で歌手デビュー!”. cinemacafe.net (イード). (2008年1月17日) 2021年12月4日閲覧。
- “小西真奈美が“藤木一恵”としてスペイン坂に登場”. BARKS (ジャパンミュージックネットワーク). (2008年3月13日) 2021年12月4日閲覧。
- 石井光三オフィスプロデュース 『7 Days Judgement―死神の精度』 - 世田谷パブリックシアター/シアタートラム
- “和田憲明演出「死神の精度」が9年ぶり上演、出演に萩原聖人ら”. ステージナタリー (ナターシャ). (2018年3月16日) 2021年12月4日閲覧。
- “原作から3編を抽出。羽場裕一が見せる伊坂幸太郎の“死神の世界””. チケットぴあ. (2019年11月19日) 2021年12月4日閲覧。
外部リンク
- NHKオーディオドラマ〜NHK-FMのラジオドラマ
- 舞台『7Days Judgement -死神の精度-』公式サイト
- 舞台『Live, Love, Drive. 死神の精度』公式サイト
- Sweet Rain 死神の精度 - ワーナー ブラザース ジャパン
- Sweet Rain 死神の精度 - allcinema
- Sweet Rain 死神の精度 - KINENOTE
- Accuracy of Death - オールムービー(英語)
- Accuracy of Death - IMDb(英語)
Sweet Rain 死神の精度に関するカテゴリ:
- 2008年の映画
- 日本のスリラー映画
- 日本テレビ製作の映画
- ワーナーブラザースジャパンの映画
- 伊坂幸太郎原作の映画作品
- 死神を題材とした作品
- 読売テレビ製作の映画
- ROBOTの映画作品
- 神戸市で製作された映画作品
7Days Judgement -死神の精度-に関するカテゴリ:
- 日本の舞台作品
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- 2018年の舞台作品
- 小説を原作とする舞台作品
- 死神を題材とした作品
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