PSR J0537-6910

PSR J0537-6910は、NGC 2060の中心部に存在する中性子星である。これはNGC 2060に阻まれ直接見ることはできず、1998年X線の測定によって発見された。NGC 2060はPSR J0537-6910を生ずる元となった超新星爆発で誕生したと考えられる[1]

PSR J0537-6910
分類 ミリ秒パルサー[1]
発見
発見年 1998年[1]
発見者 F. E. Marshall et.al.[1]
発見方法 X線測定[1]
位置
元期:J2000.0[2]
赤経 (RA, α)  05h 37m 47.416s[2]
赤緯 (Dec, δ) −69° 10 19.88[2]
物理的性質
自転周期 0.0161秒[1]
他のカタログでの名称
CXOU J053747.3-691020,
PSR J0537-69,
XMMU J053747.4-691020[2].
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周辺は超大質量ブラックホールを除いた、宇宙で最も強い電場がある[3]

PSR J0537-6910は自転周期が1秒以下のミリ秒パルサーである。正確な自転周期はあすかおよびRXTEの測定時期によって異なるが、おおむね0.0161秒である。これは1秒間に約62回転することを示している。この自転周期から、PSR J0537-6910およびNGC 2060は約5000年前に超新星爆発を起こしたと推定されている[1]

PSR J0537-6910のデータ[1]
観測日付 (UT)元期 (MJD)自転周期 (ms)パルス強度 (×10-6J/s/cm2)
あすか1993年6月13日49151.30661816.10932916.4 ± 0.8
あすか1993年8月20日49219.98683016.10963497.1 ± 0.9
あすか1993年9月23日49253.98289116.10978644.1 ± 2.0
RXTE1996年10月12日50368.14890516.11471746.8 ± 1.2
RXTE1996年12月20日50437.55020116.11502766.7 ± 0.7

なお、強い磁場と速い自転速度を持つことから、PSR J0537-6910の周辺には強大な電場が形成されている。その強さは、電流にして1000兆A (1015A) 、電圧にして3京8000兆V (3.8×1016V) に達する[3]。これは電力に換算すれば380穣W (3.8×1031W) にもなる。これは超大質量ブラックホールのような極端な質量を持つ天体を除けば、知られている中で最も強い電場を持つ天体である[3]

出典

  1. Discovery of an Ultra-fast X-ray Pulsar in the Supernova Remnant N157B arXiv
  2. PSR J0537-6910 -- Pulsar SIMBAD
  3. ブライアン・ゲンスラー『とてつもない宇宙 ---宇宙で最も大きい・熱い・重い天体とは何か?』松浦俊輔訳、河出書房新社、2012年ISBN 978-4309252728

関連項目

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