NEWS (ソニー)
NEWS(ニューズ[1]、頭字語: Network Engineering WorkStation)とは、1980年代後半から1990年代前半にかけてソニーが開発・発売したUNIXワークステーションシリーズ。
概要
デジタルオーディオで活躍していた土井利忠を中心に社内ベンチャーの形で開発され、1987年に最初のモデルが発売された[1]。
当初のモデルは16-25MHzで動作する68020か68030を2基(1基はCPU、1基はI/Oプロセッサ)を搭載していたが、後にMIPS R3000やR4000にシフトしていった。最初のシリーズは日本で1987年1月に発売されたNWS-800シリーズで、個人のデスクトップで動作するVAXシリーズ(DECの32ビットミニコンピュータ)というコンセプトだった[1][2]。プロトタイプのフロントパネルに「Σ-station」のロゴが入っているが、NEWS自体はΣプロジェクトとは一切無関係である[2]。RISCになってからのモデルに、NWS-3460(CPU:R3000(20MHz)、数値演算コプロセッサ:R3010(20MHz)、主記憶8MB/拡張最大16MB、3.5インチFDD:1.44MB、HDD:415MB)がある[3][4][5]。
680x0モデルとMIPSモデルはほぼ同じケースを使用し、その大きな正面扉の中にはフロッピーディスクドライブ、SCSIテープドライブ、CD-ROMドライブなどを増設できる5.25インチ拡張ベイが格納されていた。両者の外観には若干の違いがあり、680x0モデルでは二つの窓が、MIPSモデルでは一つの大きな窓があった。正面扉内には、リセットボタンと起動パラメータを設定するためのディップスイッチもあった。
背面には三つの拡張スロットがあり、通常、その一つにビデオカードが挿さっていた。その下にSCSI・イーサネット・シリアル(CH0とCH1、CH0は通常、コンソールに使う)・パラレル・キーボードの各コネクタがあった。
オペレーティングシステム (Sony NEWS-OS) は、当初のバージョンはBSDベース、1993年リリースのバージョン6以降はSystem Vベースであった。
脚注
- SONY History 第12章 苦闘する新分野への進出 第2話 社内ベンチャーから生まれた「NEWS」 - ソニー公式Webサイト
- コンピュータ博物館 - 日本のコンピュータ ワークステーション - 【ソニー】 NWS-800シリーズ(プロトタイプ) - 情報処理学会。2018年12月29日閲覧。
- 『コンピュータ・サイエンス誌 bit』共立出版、1990年7月1日、34-35頁。
- 大川洋平, 辰巳治之, 中村正弘, 林解平「形態学研究用の統合化3次元再構築システムの開発」『Medical Imaging Technology』第14巻第2号、日本医用画像工学会、1996年、124頁、doi:10.11409/mit.14.124、ISSN 0288-450X、NAID 10002437675、2023年2月12日閲覧。
- SuperASCII 1991年1月号, p. 1.
参考文献
- 「SuperASCII 1991年1月号」第2巻第1号、株式会社アスキー出版、1991年1月1日。