EcoRI
EcoRI(えこあーるわん)は、II型の制限酵素の一種で、制限酵素としては最も代表的なものである。
歴史
1972年、カリフォルニア大学のハーバート・ボイヤーの研究室で大腸菌から単離された。大腸菌(Escherichia coli)のRY13株から見つかった1番目の制限酵素ということで、「EcoRI」と命名された[1]。
作用
EcoRIはIIP型に分類される制限酵素であり、DNA中の 5'-GAATTC-3' というパリンドロームになっている6塩基配列を認識し、GとAの間に切れ目を入れ、切り口に付着末端を作り出す。この時、酵素との結合部でDNAを直角に屈曲させることが分かっている。なお、大腸菌自身の遺伝子は、この配列の部分がメチル化されているため、切断される心配はない。
EcoRIの切断パターン
切断前の配列 切断後の配列 5'-GAATTC-3' 5'-G AATTC-3' 3'-CTTAAG-5' 3'-CTTAA G-5'
構造
一次構造
他の多くの制限酵素と同様に活性部位にPD...D/ExKモチーフを持つ[2]。
脚注
- Dubey, R. C. (2014). Advanced Biotechnology. S. Chand Publishing. p. 259. ISBN 9788121942904
- Alfred Pingoud; Geoffrey G. Wilson; Wolfgang Wende (2014). “Type II restriction endonucleases—a historical perspective and more”. Nucleic Acids Research 42 (12): 7489-7527 .
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