バッド・レリジョン

バッド・レリジョンBad Religion)は、アメリカ合衆国出身のパンク・ロックバンド

バッド・レリジョン
Bad Religion
フランス・クリソン公演(2018年5月)

バンド ロゴ
基本情報
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
カリフォルニア州ロサンゼルス
ジャンル パンク・ロック
ハードコア・パンク
メロディック・ハードコア
オルタナティヴ・ロック
活動期間 1980年 - 現在
レーベル エピタフレコード
アトランティック・レコード
公式サイト badreligion.com (英語)
メンバー グレッグ・グラフィンボーカル
ブレット・ガーヴィッツギター
ブライアン・ベイカー (ギター)
マイク・ディムキック (ギター)
ジェイ・ベントリーベース
ジェイミー・ミラードラムス
旧メンバー グレッグ・ヘトソン (ギター)
ピート・ファインストーン (ドラムス)
ボビー・シェイヤー (ドラムス)
ブルックス・ワッカーマン (ドラムス)
ほか別記参照

メロディック・ハードコアのスタイルを生み出したグループの一つ。同国を代表する現代パンク・ロックの重鎮としても知られる[1]

概要

1988年発表の3rdアルバム『Suffer』において、疾走感や叙情性・哀愁味を帯びたメロディーライン、「oozin' aahs」と呼ばれる重厚なコーラスワークなどバンドとしての特徴を確立し、その後1994年発表の8thアルバム『Stranger Than Fiction』でバンドとして初めて商業的な成功を収め、また本作において日本デビューを果たす。古巣エピタフレコードに復帰して以降もコンスタントに新作を発表し続けており、2013年に発表された16thアルバム『True North』は、Billboard 200のアルバムチャートにおいてバンド史上最高位となる19位を獲得した[2]

結成以来、世界情勢・戦争・貧富差などについて真摯に向き合う姿勢を貫き続けており、歌詞のテーマは宗教的なものから人間の生き方を問う哲学的なものまで概して難解なことで知られる。時には母語話者でさえ辞書を引かないとわからないほどの難解な語彙を多用するため、一部からはレキシコン[辞書]パンクスとも呼ばれている。

ほぼ全ての曲がグレッグ・グラフィン(Vo.)もしくはブレット・ガーヴィッツ(Gt.)によって作られている[3]

メンバー

現ラインナップ

  • グレッグ・グラフィン (Greg Graffin) - ボーカル (1980- )
    1964年11月6日生まれ。事実上のリーダー。コーネル大学で生物学の博士号を取得。UCLAで講師を務める。
  • ブレット・ガーヴィッツ (Brett Gurewitz) - ギター (1980-1983, 1987-1994, 2001- )
    1962年5月12日生まれ。エピタフレコード社長。ミスター・ブレットの愛称で呼ばれる。1994年の『Stranger Than Fiction』リリース後に脱退。脱退中にゴア・ヴァービンスキーらとデアデビルズを結成し、1996年に唯一のシングルCD「Hate You」を発表。2000年、『The New America』収録の「Believe It」に参加。2001年、バンドのエピタフ復帰と共に電撃復帰。
  • ジェイ・ベントリー (Jay Bentley) - ベース (1980-1982, 1986- )
    1964年6月6日生まれ。エピタフレコードの社員業が忙しくなる以前はバンドの傍らバイクのメカニックをしていた。
  • ブライアン・ベイカー (Brian Baker) - ギター (1994- )
    1965年生まれ。元マイナー・スレットのメンバー。当時はベースを担当。
  • マイク・ディムキック (Mike Dimkich) - ギター (2013- )
  • ジェイミー・ミラー (Jamie Miller) - ドラムス (2015- )
    元...And You Will Know Us By The Trail Of Deadのメンバー。

旧メンバー

  • ジェイ・ジスクラウト (Jay Ziskrout) - ドラムス (1980)
  • ピート・ファインストーン (Pete Finestone) - ドラムス (1981-1982, 1984-1991)
    初代ドラマー。ブレット・ガーヴィッツとの不仲、他バンドとの掛け持ちにより1991年に脱退。1999年のライブに飛び入り参加し、1曲だけプレイしたことがある。
  • ポール・デドナ (Paul Dedona) - ベース (1982-1984)
  • デイビー・ゴールドマン (Davy Goldman) - ドラムス (1982-1984)
  • グレッグ・ヘトソン (Greg Hetson) - ギター (1984-2013)
    1961年6月29日生まれ。サークル・ジャークスのギタリストを兼任している。解散状態だったバッド・レリジョンをグラフィンに呼びかけて復活させた。2013年にバンドを脱退。
  • ティム・ガレゴス (Tim Gallegos) - ベース (1984-1986)
  • ジョン・アルバート (John Albert) - ドラムス (1985)
  • ラッキー・レーラー (Lucky Lehrer) - ドラムス (1986)
  • ボビー・シェイヤー (Bobby Schayer) - ドラムス (1991-2001)
    ピート・ファインストーン脱退後、オーディションを経て加入。オーディションを受けに来た時点で全ての楽曲を完璧に演奏できたことが加入の決め手であった。2001年、肩の損傷および腱鞘炎により脱退。バンドは「バッドレリジョンは史上最高のパンクドラマーを失った」とコメントした。その後はニューヨークへ転居。
  • ブルックス・ワッカーマン (Brooks Wackerman) - ドラムス (2001-2015)
    1977年2月15日生まれ。ボビー・シェイヤー脱退後の2001年より スーサイダル・テンデンシーズより移籍加入。2015年末脱退しアヴェンジド・セヴンフォールドに加入。彼の家系はパーカッション一家として有名で、兄は フランク・ザッパアラン・ホールズワースといったヴィルトゥオーゾたちと競演しているドラマーのチャド・ワッカーマン

略歴

1980年ロサンゼルスで同じ高校に通っていたグレッグ・グラフィン(Vo.)、ブレット・ガーヴィッツ(Gt.)、ジェイ・ベントリー(Ba.)、ジェイ・ジスクラウト(Drs.)によって結成。

1981年、デビューEP『Bad Religion』をリリース。自らのレコードを発売するためにブレットが中心となってレーベルエピタフを立ち上げる[4]。ドラマーがピート・ファインストーンに交代。

1982年、1stアルバム『How Could Hell Be Any Worse?』リリース。「We Are Only Gonna Die」[5] が収録され、また「Part III」ではサークル・ジャークスのギタリスト、グレッグ・ヘトソンがゲスト参加している。

1983年、2ndアルバム『Into the Unknown』リリース。ブレットがグラフィンへ誕生日プレゼントとして贈ったシンセサイザーを楽曲へ導入したが殆ど売れず[6]、長らく廃盤となっていたが、デビュー30周年を記念して2010年にリリースされた『30 Years LP Box Set』にて公式にLP盤として再発された。

この後ブレットがドラッグ、アルコール中毒で音楽活動が困難となり、またグラフィンがウィスコンシンへ移り住むため脱退、バンドは解散状態となった。

1984年、ロサンゼルスに戻ってきたグラフィンをヘトソンが誘い、ブレット不在のままバンドの再建を始め、EP『Back to the Known』をリリース。

1987年、ブレットがバンドに復帰。

1988年、3rdアルバム『Suffer』リリース。

1989年、4thアルバム『No Control』リリース。

1990年、5thアルバム『Against the Grain』リリース。

1992年、6thアルバム『Generator』リリース。ドラマーがボビー・シェイヤーに交代。

1993年、代表曲「American Jesus」を収録した7thアルバム『Recipe for Hate』リリース。今作を最後にエピタフを離れ、メジャー・レーベルのアトランティック・レコードへ移籍。

1994年、8thアルバム『Stranger Than Fiction』をリリースした後、エピタフ社長も兼任しているブレットは大きくなっていくレーベルの社長業務に専念することを理由に脱退。他にメンバー間の不仲、ドラッグ中毒にも原因があるとされる。後任にブライアン・ベイカーが加入。

1996年、9thアルバム『The Gray Race』リリース。プロデューサーに元ザ・カーズリック・オケイセックを起用。

1998年、10thアルバム『No Substance』リリース。

2000年、11thアルバム『The New America』リリース。トッド・ラングレンをプロデューサーに起用。

2002年、12thアルバム『The Process of Belief』リリース。今作よりエピタフに復帰すると同時にブレット・ガーヴィッツもバンドに復帰。また肩の腱鞘炎悪化によりボビー・シェイヤーが脱退し、後任にブルックス・ワッカーマンが加入。

2004年、13thアルバム『The Empire Strikes First』リリース。

2006年、ライブDVD『Live at the Palladium』リリース。

2007年、14thアルバム『New Maps of Hell』リリース。

2008年、14thアルバムに未発表曲を含む7曲のアコースティック音源を加えた『New Maps of Hell (Deluxe Edition)』リリース。

2010年、15thアルバム『The Dissent of Man』リリース。

2013年、16thアルバム『True North』リリース。

ディスコグラフィー

スタジオアルバム

タイトル規格品番日本盤ボーナストラック備考
1982年How Could Hell Be Any Worse?(国内盤は存在しない)『80-85』に収録
1983年Into the Unknown(国内盤は存在しない) 本作については該当ページ(英文)を参照のこと
1988年SufferESCA-6153なし
1989年No ControlESCA-6154なし
1990年Against the GrainESCA-6141なし
1992年GeneratorESCA-6111なし
1993年Recipe for HateESCA-6112なし
1994年Stranger Than FictionESCA-6057"News from the Front"
"Markovian Process"
"Leaders and Followers"
"Leaders and Followers"は日本盤のみの収録
1996年The Gray RaceESCA-6385"The Universal Cynic"
"The Dodo"
1998年No SubstanceESCA-6949"Dream of Unity (Re-recording)"
2000年The New AmericaESCA-8152"The Fast Life"
"Queen of the 21st Century"
2002年The Process of BeliefEICP-6"Shattered Faith"スリーブケース仕様(初回盤)
2004年The Empire Strikes FirstEICP-372"The Surface of Me"
2007年New Maps of HellEICP-800"Sorrow (Acoustic Version)"
"God Song (Acoustic Version)"
2010年The Dissent of ManEICP-1415~6(初回盤)
EICP-1417(通常盤)
"Finite"ライブCD付属(初回盤)
2013年True NorthEICP-1569なしステッカー封入(初回盤)
2019年Age of Unreason

ライブ、コンピレーション盤など

タイトル規格品番備考
1991年80-85ESCA-61421stアルバム以前のEPと1stアルバムとの編集盤
1995年Infected Live EPESCA-6305日本企画のライブ・ミニアルバム
All AgesESCA-6405初期エピタフ時代のベストアルバム
日本盤のみボーナストラックとして"American Jesus"を収録
1997年TestedESCA-6658新曲3曲を含むライブアルバム
2002年Punk Rock SongsEICP-96アトランティック時代のベストにライブ音源などを加えたアルバム
デジパック仕様(初回盤)
2004年How Could Hell Be Any Worse?EICP-369『80-85』のリマスター盤
ジャケットに1stアルバムのアートワークを使用
2008年New Maps of Hell (Deluxe Edition)輸入盤のみ14thアルバムに未発表曲を含む7曲のアコースティック音源を加えたデラックス版
ライブ映像やPVなどを収録したDVDが付属。デジパック仕様
2010年30 Years LiveEICP-1416結成30年を記念したライブアルバム
15thアルバムの日本企画初回生産限定盤にボーナスCDとして付属
2013年Christmas SongsEICP-1594クリスマス・ソングのカバーアルバム
ステッカー封入(初回盤)

EP盤

1981年 Bad Religion
1981年 Public Service
1984年 Back to the Known
1996年 Punk Rock Song

脚注

  1. 30年間戦えますか?パンク界の生きる伝説 バッド・レリジョン に学ぶ”. Aol. (2014年9月13日). 2018年8月22日閲覧。
  2. Bad Religion Chart Career High
  3. 但し、ブレットの脱退期間に発表された3枚のアルバム( 9th-11th)に関してはその殆どがグラフィン一人によるものである。また、ブレット再加入後は作詞・作曲クレジットが全曲連名表記となっており、どちらがどの曲を作ったのか公式には明かされていない。
  4. エピタフレコードは、バッド・レリジョンのレコードを発売するためにブレットが中心となって立ち上げたインディ・レーベルである。バッド・レリジョンに影響を受けたペニーワイズオフスプリングNOFXランシドを輩出した大規模なパンク・ロックレーベルであり、ディセンデンツなどの大御所バンドも在籍する。
  5. 度々他のバンドにカバーされている曲である。
  6. のちにグラフィンはこのアルバムの失敗がバッド・レリジョンがパンク・ロックを貫くことを決める要因になった、と語っている。

関連項目

  • MAN WITH A MISSION - 『Recipe for Hate』収録曲「Man With A Mission」をバンド名の由来とする日本のロックバンド。頭が狼というコンセプトも同アルバムのジャケット画に由来している。

外部リンク

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