1SWASP J140747.93-394542.6 b
1SWASP J140747.93-394542.6 bとは、地球から見てケンタウルス座の方向に約434光年離れた位置にある恒星 1SWASP J140747.93-394542.6の周りを公転する太陽系外惑星(褐色矮星の可能性もあり[2])である。J1407b、1SWASP J1407 bなどとも呼ばれる(なお、ここでは「J1407b」の呼称を使用する)。
1SWASP J140747.93-394542.6 b 1SWASP J140747.93-394542.6 b | ||
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衛星から見たJ1407bの想像図 | ||
星座 | ケンタウルス座 | |
分類 | 太陽系外惑星(褐色矮星の可能性あり) 木星型惑星 | |
発見 | ||
発見年 | 2012年 | |
発見方法 | トランジット法[1] | |
軌道要素と性質 | ||
軌道長半径 (a) | 3.9±1.7 au[1] | |
離心率 (e) | 0.65 | |
公転周期 (P) | 3725.0±900.0 日[1] | |
1SWASP J140747.93-394542.6の惑星 | ||
衛星の数 | 存在する可能性あり | |
位置 | ||
距離 | 133.0±12.0 pc[1] | |
物理的性質 | ||
質量 | 20.0±6.0 MJ[1] | |
他のカタログでの名称 | ||
J1407b 1SWASP J1407 b ケンタウルス座V1400星b ASAS J140748-3945.7 b GSC 07807-00004 b 2MASS J14074792-3945427 b |
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概要
J1407bは、2012年に発見された太陽系外惑星である[3]。2007年に、トランジット現象について研究したオランダ・アメリカの研究チームが、惑星の輪が原因とされる恒星の減光が発生していることを発見していた。
特性
J1407bは、木星の10倍-40倍の質量を持つとされる。公転周期は約10年である。平均公転軌道半径は3.9auで、ハビタブル・ゾーンからは外れている。木星のような環境にあると考えられていたが、AICSによる研究によると、離心率は0.65で、主星まで2auの距離まで近づくこともあるとされた[4]。軌道は潰れた楕円であると言われている。
巨大な輪
J1407bの輪は、37個にもなり[5]、直径は約1億2000万km(土星の輪の約200倍)。これは太陽と金星の間の距離よりも長い。輪は、惑星の公転とは逆の向きで回転している[6]。
J1407bの輪は分厚く、大量の物質が存在していると考えられている。また、土星の環のように大きな隙間が存在することから、その隙間では火星~地球程度にもなる質量の大型衛星が形成されている可能性がある。今後、J1407bの輪は数百万年でいくつか衛星が形成され、将来的には消えるとみられている。太陽系では、木星・土星が誕生したころ、それらの惑星の周囲には円盤が存在し、その円盤から衛星が形成されたと考えられている。J1407bは、それらの惑星のかつての姿を知る手掛かりになると期待されている。
脚注
- Planet 1SWASP J1407 b、太陽系外惑星エンサイクロペディア
- Eclipsing Ring System J1407、CTIO.2020年5月25日閲覧。
- 土星の200倍、巨大な環を持つ系外惑星、AstroArts.2020年5月25日閲覧。
- 1SWASP J1407b、系外惑星データベース.2020年5月25日閲覧。
- MODELING GIANT EXTRASOLAR RING SYSTEMS IN ECLIPSE AND THE CASE OF J1407B: SCULPTING BY EXOMOONS?、IOPscience.2020年5月25日閲覧。
- 系外惑星を取り巻く、惑星の公転と逆回転する巨大な環、AstroArts.2020年5月25日閲覧。