黄蘗色

黄蘗色(きはだいろ、「黄檗色」とも書かれる)は、ミカン科キハダの樹皮(生薬の黄檗)で染めた[1]、ややみの明るい黄色レモン色よりはわずかに緑がかっている。見た目は蛍光色の黄色()とよく似ている。

黄檗色
きはだいろ
 
16進表記 #FCF16E
RGB (252, 241, 110)
CMYK (0, 4, 56, 1)
HSV (55°, 56%, 99%)
マンセル値 -
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きはだ色JIS慣用色名
  マンセル値 9Y 8/8

概要

キハダの内皮の煎汁と灰汁で染める[1]

日本での利用は奈良時代にさかのぼる。奈良薬師寺の魚養経、長屋王が書写した大般若波羅蜜多経など、経典の料紙は黄蘗で染められているのが普通だった。黄蘗には防虫効果があるとされたためである[1]正倉院にも公文書用の黄染紙が保存されている。近代にも商家の大福帳には黄蘗染めが使われる例があった。

黄蘗は同じく黄色の染料である苅安とは違い、布に単独で染められることは珍しく、緑系や赤系の染物の下染めにされることが多かった。

脚注

  1. 長崎盛輝『新版日本の伝統色』青幻舎、2006年6月、182-183頁。

関連項目

参考文献

  • 福田邦夫『すぐわかる 日本の伝統色』東京美術 ISBN 4-8087-0784-5
  • 吉岡幸雄『日本の色辞典』紫紅社 ISBN 4-87940-549-3
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