鳥谷部俊一
鳥谷部 俊一(とりやべ しゅんいち)は、日本の医師。専門は内科。1996年に褥創(床ずれ)に対する「開放性湿潤療法」を考案し普及に努める。当初は「ラップ療法」と呼ばれ安価なサランラップを用いたが、2005年には水切り袋とオムツを併用したものへと改良し、その後、医療用品としても完成した。
とりやべ しゅんいち 鳥谷部 俊一 | |
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出身校 | 東北大学 |
職業 | 医師 |
著名な実績 | 湿潤療法の普及 |
公式サイト | WrapTherapy/Pressure Ulcer |
人物
褥瘡治療に「食品用ラップ」を用いた治療を創始した[2]。開放性ウェットドレッシング療法、Open Wet-dressing Therapy(OWT)として、自著『褥創治療の常識非常識』で提唱した。
1996年に、創傷被覆材の研究会に参加した看護師がサンプルをもらってきて、試したいというので許可すると、床ずれが治ってくるのが分かったが、1日5000円もするため継続できず、替わりに食用品ラップを使ったらうまくいった[3]。本人のサイトによると、最初の症例は「いろいろ考えた末(中略)思い切って」ラップを使用してみたとのことである。交換の際再び傷口を作ってしまうガーゼを使用せず、消毒もしないことがポイントとなる[3]。それまではいずれ床ずれが悪化し死亡退院することが多かったが、3か月程度で治るようになったという[3]。
2001年にはホームページを立ち上げて情報を直接発信し、10年あまりで全国に普及した[3]。2005年には、水切り袋とオムツを組み合わせて、かぶれることが減るなど改良され、その後、メーカーとで試作しモイスキンパッドが誕生した[3]。
略歴
著書
- 『褥創治療の常識非常識―ラップ療法から開放ウエットドレッシングまで』三輪書店、2005年。ISBN 978-4895902342。
- 『これでわかった!褥瘡のラップ療法』三輪書店、2007年。ISBN 978-4895902632。
- 共著『知っていると楽になる高齢者の介護30』、NHK出版、2010年。ISBN 978-4140112946。
DVD
- 『実践!Dr.鳥谷部のHow to ラップ療法』ケアネット2004年。
- 『褥瘡治療最前線!Dr.鳥谷部の超ラップ療法』ケアネット、2007年。
出典
- 夏井睦、堀口三恵子「巻頭インタビュー 簡単!痛くない!早くキレイに治る! 患者と一緒に進化させた「湿潤治療」」『医道の日本』第68巻第10号、2009年10月、11-21頁、NAID 40016845143。
- 鳥谷部俊一、末丸修三「食品包装用フィルムを用いるIII~IV度褥瘡の治療の試み」『日本医師会雑誌』第123巻第10号、2000年5月15日、1605-1611頁、NAID 40002820353。
- “顧問 鳥谷部俊一先生「床ずれの「ラップ療法」は高齢者医療の救世主!」”. CareNet (2010-0921). 2018年6月10日閲覧。
- モイスキンパッド 白十字
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