高島トンネル

高島トンネル(たかしまトンネル)は、西日本旅客鉄道(JR西日本)湖西線北小松駅近江高島駅の間にある全長1,498m鉄道トンネルである。湖西線開業の1974年昭和49年)から使用され始めた。

高島トンネル
概要
路線 湖西線
位置 滋賀県高島市
座標 北緯35度16分28.2秒 東経136度0分28.0秒
現況 供用中
運用
建設開始 1970年昭和45年)
開通 1974年(昭和49年)
所有 西日本旅客鉄道(JR西日本)
技術情報
全長 1,498m
軌道数 2(複線
軌間 1,067mm
電化の有無 有 (直流1500V
最小曲線半径 1,400m
第一北小松トンネル - 高島トンネル
凡例
HST
0.000 山科駅
LSTR
湖西線
HST
34.655 北小松駅
tSTRa
tSTR
第一北小松トンネル 86m
tSTRe
tSTRa
tSTR
第二北小松トンネル 381m
tSTRe
tSTRa
tSTR
第一白髭トンネル 44m
tSTRe
tSTRa
tSTR
第二白髭トンネル 101m
tSTRe
tSTRa
38.907
tSTR
高島トンネル 1498m
tSTRe
40.405
HST
41.148 近江高島駅

本項では、周辺に存在する第一北小松トンネル第二北小松トンネル第一白髭トンネル第二白髭トンネルについても記述する。

概要

湖西線北小松駅近江高島駅の間(山科からのキロ程38km907m - 40km405mの区間)にある。複線トンネルで、トンネルの全区間において半径1,400mのカーブになっており、勾配は北側(近江塩津方面)の方へ8の下り勾配となっている。

高島トンネル付近では湖岸に山が迫っており、更に白鬚神社もあり、この裏山を山岳トンネルで通過している。

工事

底設導坑先進上部半断面工法を基本として掘削が行われた。

掘削ルートは、当初湖岸寄りから山寄りまでの計3ルートが検討されていたが、弾性波による調査やボーリングの結果、他ルートに比べ土被りの小さく湧水が少ないと期待される現在のルートに決定した。

事前の地質調査の結果から相当量の湧水が予想されていたため、本トンネルから山側へ15mの位置に並行して水抜き坑を設置し、本坑より先行して地下水処理及び詳細な地質調査が行われることとなった。

水抜き坑の掘削は1970年(昭和45年)6月15日に近江塩津側から開始されたが、水圧が高い区間では水抜き坑では処理しきれなくなったため、湖岸側にも別の水抜き坑を併設して工事を進め、最終的に1,065mの水抜き坑を掘削することとなった。

本坑の掘削は1970年(昭和45年)7月7日に近江塩津側から開始された。本坑の掘削でも相当量の湧水や土砂流出があり、その処理対策に予想以上の日時を要し、湖西線の開業時期に支障をきたすため、工期短縮で1972年(昭和47年)2月に山科側からも掘削が開始された。なお、山科側からの掘削工事は湧水に悩まされることはなく順調に進み、工期内の1973年(昭和48年)7月に完成させることができた。

周辺のトンネル

北小松 - 近江高島間では湖岸に山が迫っている区間があり、計5つのトンネルが存在する。なお、全て複線トンネルとなっており、上部半断面工法を基本として掘削が行われた。

第一北小松トンネル

  • 全長:86m

北小松駅の北側(近江塩津方面)、第二北小松トンネルの南側(山科方面)にあるトンネル。トンネルの全区間において半径1,400mのカーブになっており、勾配は北側(近江塩津方面)の方へ3‰の下り勾配となっている。

第二北小松トンネル

  • 全長:381m

第一北小松トンネルの北側(近江塩津方面)、第一白髭トンネルの南側(山科方面)にあるトンネル。トンネルの全区間において半径1,400mのカーブになっており、勾配は北側(近江塩津方面)の方へ、3‰の下り勾配でトンネルに入り、トンネル内で7‰の上り勾配に変わり、トンネル出口へ至る。

第一白髭トンネル

  • 全長:44m

第二北小松トンネルの北側(近江塩津方面)、第二白髭トンネルの南側(山科方面)にあるトンネル。トンネルの全区間において半径1,400mのカーブになっており、勾配は北側(近江塩津方面)の方へ9‰の上り勾配となっている。

第二白髭トンネル

  • 全長:101m

第一白髭トンネルの北側(近江塩津方面)、高島トンネルの南側(山科方面)にあるトンネル。トンネルの全区間において半径1,400mのカーブになっており、勾配は北側(近江塩津方面)の方へ9‰の上り勾配となっている。

参考文献

  • 日本鉄道建設公団大阪支社『湖西線建設工事誌』1975年、236-241頁。

関連項目


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