頂上作戦

頂上作戦(ちょうじょうさくせん)とは、警察による大規模な暴力団取り締まり作戦の通称。暴力団組織のトップである首脳級幹部(頂上)を逮捕・拘束することによって、組織の壊滅を図るものである。正式名称ではないが、メディアでも便宜的に用いられ、警察白書でも「いわゆる頂上作戦」として使用されている[1]

一般には全国規模で展開された昭和39年(1964年)からの第一次頂上作戦と昭和45年(1970年)からの第二次頂上作戦を指すことが多いが、平成以降でも福岡県警による工藤会への取り締まり作戦が頂上作戦と呼称されている[2]

  • 第一次頂上作戦 - 暴力団の大規模化を受けて1964年に開始されたもの[1]
  • 第二次頂上作戦 - 第一次によって収監されていたトップが復帰し、組織の復活や再編が図られたことに対して1970年に開始されたもの[1]富士銀行不正融資事件、ヤシカ横領事件など暴力団が企業に介入する犯罪が発生したことを背景に、警視総監が同年12月4日に行われた署長会議にて都内の取締りの徹底を指示。警視庁内に3000人からなるプロジェクトチームを編成されたことで開始された[3]
  • 第三次頂上作戦 - 山口組松田組の対立抗争事件(大阪戦争)を契機に1975年に開始されたもの[1]
  • 頂上作戦 - 暴力団の中でも極めて危険な組織と見なされている工藤會に対し、福岡県警2014年野村悟逮捕を皮切りに行った徹底的な取り締まり作戦の通称[2]。工藤會壊滅作戦とも[4]

フィクション

仁義なき戦いのような実際の頂上作戦に材をとったものもあるが、その響きから、警察による取り締まり作戦ではなく、非合法組織同士によるトップ争いを指している場合もある。

出典

  1. 平成11年 警察白書 第4章「暴力団総合対策の推進」 2019年11月22日閲覧
  2. 「日本一危険」な暴力団・工藤会の動き急 朝日新聞論座 2019年2月22日
  3. 都内暴力団一掃へ 来年3000人を動員 第2次の頂上作戦『朝日新聞』1970年(昭和45年)12月3日夕刊 3版 11面
  4. 暴力団は“必要悪”ではない 福岡県警元刑事が明かす工藤会のリアル 西日本新聞 2020年9月11日
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