階段関数

階段関数(かいだんかんすう、: step functionまたは: staircase function)とは、おおまかに言って、グラフ階段状になる実関数のことである。より正確には、区間上の指示関数有限個あって、それらの線型結合で表される関数である。有限個のみの区分を持った、区分的に定数関数である関数とも表現できる。

階段関数

定義

関数 f : R R階段関数であるとは、ある整数 n が存在して、n 個の実数 α1,..., αnn 個の区間 A1,..., An 上の指示関数 χ1,..., χn によって、

と表されることをいう。ここに、集合 A 上の指示関数 χA とは、次で定義されるものであった。

この定義において、区間 Ai たちは、次の2条件を満たすとしてもよい。

  • 互いに素である。すなわち、i j のとき、Ai Aj = である。
  • 和集合が実数全体である。すなわち、A1 An = R である。

例えば、この条件を満たさずに階段関数

が与えられたならば、条件を満たすように

と表現することもできる。

  • 定数関数は自明な階段関数である。階段関数の定義において、n = 1, A1 = R として得られる。
  • ヘヴィサイドの階段関数は、しばしば応用に用いられる重要な階段関数である。n = 3, A1 = (- 0), A2 = [0, 0], A3 = (0, ) として得られる。
  • 矩形関数は、R を5つの区間に分けて得られる階段関数である。

性質

階段関数のとる値は、有限個の可能性しかない。階段関数の定義において、区間 Ai たちを互いに素な R分割にとっておけば、Ai の任意の x に対して f(x) = αi となる。

階段関数

ルベーグ積分は、区間 Ai長さ L (Ai) が全て有限である場合、

で与えられる。

2つの階段関数の和や積もまた階段関数である。この演算により、階段関数全体の集合は R 上の代数を成す。

関連項目

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