輝号計画
概要
バブル崩壊前の日本においては自衛官への志願者が少なく、特に第一線部隊においては若年隊員の高年齢化が懸念されていたことから若年隊員を大量確保することを目的に昭和61年に制定され、平成8~9年まで行われた(施策の大半は住環境・待遇面における民間企業との格差の是正であり、細部は部隊等の実情により差異があった) 。
平成中期に入り入隊者が確保されている現状と、ゆとり世代の入隊に伴う規律の維持が困難になってきた現状等を踏まえ、平成17年度までに住環境における職住分離施策や週休2日制などの一部を除き段階的に廃止・縮小となり、「新たな服務態勢」及び防衛庁の省移行に伴う任務の複雑化などの理由から、一連の計画は平成17年度末をもって終了となっている。
主に実施されていた内容等
生活環境の改善
外出制限等の緩和
- 士長以上の帰隊時限(門限)はその日の課業終了から翌日の課業開始まで
- 1士における特別外出(現・週末等外出)の回数制限を緩和し、かつ中隊等に新たに配属された2士の外出制限を当初の半年から随時1週間程度まで緩和する。
- 営内者における私有車購入及び駐屯地乗り入れ条件の緩和
- 陸曹班における外出許可を班長から小隊長直轄へ(許可印を貰う回数が減る)
勤務・服務
脚注
- かつては大部屋であったためにテレビや冷蔵庫は各営内に1つで共同使用しており、電化製品に関しては基本的に個人での購入と持ち込みは制限されていた。輝号計画に合わせて申請さえ行えば電化製品は持ち込みは自由。但し、営内居住に相応しい物とされており度が過ぎる物は持ち込んでも許可されず撤去するよう指導されていた(特に営内居室を占拠するような大きな家電類や一部専用の工事が必要な家電類、共同使用が可能で部隊により設置されている洗濯機などの家電類を個人使用目的で持ち込む等)。
- シングルベッドも従来の鉄枠組みによるベッドからフランスベッド製に適時交換、寝具類もそれに合わせて毛布・掛け布団・シーツ・枕(カバー含む)にいたるまで全て適時更新となる。
- 主に昭和中期から後期にかけて建設された旧設計の隊舎は一部屋をパーテーションにて4つの区画、平成以降に建設された新設計の隊舎はパーテーションにて一つの部屋を陸曹2つ、陸士3つに分けて個室化させていた。隊舎に余裕が無い部隊で生活隊舎を新設計の隊舎にて確保していた部隊は基本的にパーテーションにて2つに分けて片方の部屋に陸士2人ずつの居室若しくは双方に曹一人部屋とする方式が採られていた。輝号計画廃止後は新設計の部屋では士(若手の士長~2士)はパーテーションを撤去した状態の部屋に4~6人(6人の場合は新型ベッドのシングル2つに新型二段ベッドを2つ)、曹や古株の士長はパーテーション撤去の部屋に2~3名で居住している。
- 支給開始以前と比べると総支給額に大きな変動は無いが、輝号計画や景気向上により増額となった分を3月支給としていた。
- 新隊員に関しては輝号計画導入直後入隊式まで完全な「お客様」扱いした事例もある。
- 従来の営外者の休憩等において限定運用であった「営外陸曹室」を小隊や班ごとに分割し、小隊等控室として整備し営内者を含む構成人員全てに開放し供用可能にした。これにより昼休みや終礼直前における営内者が廊下や当直室を占拠するといった事態を解消。
- 従来入浴時は洗い湯を直接浴槽から取り、かつ立位での入浴となった比較的深い浴槽による芋洗い状態となる浴場から、シャワー付きの洗い場を設けた温泉設備と同設備の浴場。部隊によっては近隣より温泉を引いたり、サウナの設置が行われた例もある。食事に関しても朝食のおかずをバイキングによる比較的自由な選択方式の導入や、規模の大きな駐屯地では夕食時いくつかの選択メニューにて自由な食事が出来るよう配慮を行った例や、糧食班調理場も老朽化した調理施設を随時近代的な調理システム導入による作業の効率活性化への改善などが行われていた。
- 一部においては(比較的大手でない地域の住民などが経営する)コンビニやファーストフード類の委託販売と直営・委託売店の統合が行われた駐屯地もある。
参考文献
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