溶融塩電解
溶融塩電解(ようゆうえんでんかい、molten salt electrolysis)とは、イオン性の固体を高温にして融解させ、これを電気分解する方法である[1]。2010年代頃までは融解塩電解(ゆうかいえんでんかい)と呼ばれることもあった[2]。
アルミニウム
アルミニウムは世界的にホール・エルー法(Hall-Héroult process)により精錬されている[3]。氷晶石とフッ化ナトリウムを電気炉で1,010°Cで融解させ[3]、これに原料のアルミナを溶解し、黒鉛電極で電気分解を行う。分解されたアルミニウム(液体)は陰極に溜まり、酸素は陽極の黒鉛と反応して二酸化炭素となり、さらに反応して一酸化炭素となる。
このため、基本的に陰極は化学的には消耗しないのに対して [4]、陽極は化学的に消耗するため、陰極と比べて頻回の交換が必要である[4]。ただし、陰極も数千日間の長期間の使用に伴って、アルミニウムの流動に伴う磨耗などの物理的な消耗は発生し、いずれ使用不能になる[4]。
ナトリウム
出典
- “融解塩電解”. 学研キッズネット. 2012年4月2日閲覧。
- 高等学校化学で用いる用語に関する提案(1)への反応(日本化学会、2018年1月25日更新版)
- “アルミ・銅事業 やさしい技術”. 神戸製鋼グループ. 2012年4月2日閲覧。
- 土橋倫男, 「アルミニウムの製錬と精製」『軽金属』 軽金属学会, 1994年 44巻 7号 p.406-417, doi:10.2464/jilm.44.406
- “第1節 アルカリ金属とその化合物”. 啓林館. 2012年4月2日閲覧。
- JAKES CLOYD DOWNS (1924-07-15), ELECTROLYTIC PROCESS AND CELL, Patent 1501756 2011年5月28日閲覧。
- 長谷川一希, 「苛性ソーダ,金属ナトリウム製造における電解技術」『化学と教育』 66巻 11号 2018年 p.524-527, doi:10.20665/kakyoshi.66.11_524
外部リンク
- 渡邊亨, 「アルミニウムの製錬と精製」『軽金属』 39巻 5号 1989年 p.403-414, doi:10.2464/jilm.39.403
関連項目
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