珪灰石

珪灰石(けいかいせき、wollastonite、ウラストナイト)は、鉱物ケイ酸塩鉱物)の一種。輝石に似た構造の準輝石類。

珪灰石
珪灰石
分類 ケイ酸塩鉱物
化学式 Ca3Si3O9
結晶系 三斜晶系
へき開 一方向に完全
モース硬度 4.5
光沢 絹糸光沢
白色
条痕 白色
比重 2.9
文献 [1]
プロジェクト:鉱物/Portal:地球科学

化学組成はCaSiO3で、Caを置換してFe2+が入ることがある。普通は三斜晶系であるが、単斜晶系パラ珪灰石(parawollastonite)もあり、両者の区別は難しい。

産出地

スカルン帯にもっともふつうに産する鉱物で、アメリカ、カナダ、メキシコ、ノルウェー、フィンランド、イタリアなどが主な産地。日本では、岐阜県春日鉱山が産業用に多量に産出したことで有名[2]

性質・特徴

石灰岩花崗岩などのマグマが貫入してきた際、その接触部付近にできるスカルン鉱物方解石(CaCO3)中のカルシウムとマグマ中のケイ酸が反応してできる。

共生する方解石(石灰岩・結晶質石灰岩)や石英チャート珪岩)と似ているが、硬度で区別できる(方解石は3、石英は7)。

珪灰石グループ

  • バスタム石(bustamite) CaMn2+(Si2O6)
  • 鉄バスタム石(ferrobustamite) Ca(Fe2+,Ca,Mn2+)(Si2O6)
  • ペクトライト(pectolite) NaCa2(HSi3O9)
  • セラン石(sérandite) Na(Mn2+,Ca)2(HSi3O9)
  • 田野畑石(tanohataite) LiMn2(HSi3O9)
  • 珪灰石(wollastonite) CaSiO3

脚注

  1. 国立天文台『理科年表 平成20年』丸善、2007年、645頁。ISBN 978-4-621-07902-7http://www.rikanenpyo.jp/
  2. 近山晶監修 『図解雑学 鉱物・宝石の不思議』ナツメ社、2005年、105頁。

参考文献

関連項目

外部リンク

  • Wollastonite (英語), MinDat.org, 2011年7月19日閲覧 (英語)
  • Wollastonite-1A (英語), WebMineral.com, 2011年7月19日閲覧 (英語)
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