王紋酒造
王紋酒造株式会社（おうもんしゅぞう）は、新潟県新発田市に本社をおき、日本酒の製造を行う企業である。
 王紋酒造外観 | |
| 種類 | 株式会社 |
|---|---|
| 略称 | 王紋 |
| 本社所在地 |
 日本〒957-0055 新潟県新発田市諏訪町3丁目1番17号 |
| 設立 |
1953年（昭和28年） （創業1790年） |
| 業種 | 醸造業 |
| 法人番号 | 2110001012477 |
| 事業内容 | 日本酒の製造・卸・販売など |
| 代表者 | 代表取締役社長 長谷川一豊 |
| 資本金 | 1000万円 |
| 従業員数 |
26名 （2020年現在） |
| 関係する人物 |
市島秀松（創業者） 宮尾登美子（作家） 遠藤実（作曲家） |
| 外部リンク | 王紋酒造株式会社 公式ウェブページ |
2022年（令和4年）2月2日に社名を代表銘柄と統一するため「市島酒造」から「王紋酒造」に変更した[1]。
主力商品
- 王紋
- 秀松
- 夢 （純米酒）
- かれん （低アルコール酒）
歴史
- 1598年（慶長3年）- 市島酒造の本家にあたる豪農市島家は越後新発田藩主に任ぜられた溝口秀勝と溝口家に随伴して加賀大聖寺から現在の新発田市近辺に移住した。薬種問屋を営む傍ら回船や酒造、金融で富を蓄え、福島潟の干拓による新田開発で北陸でも屈指の大地主となった。現在の新発田市天王にある市島本家の邸宅「市島邸」が新潟県指定文化財として観光客に開放されている。新発田市観光施設「市島邸」1962年3月29日指定
- 1700年代 - 市島酒造初代当主市島秀松（ひでまつ）が市島宗家より分家し、材木、蝋燭などの実業を営む
- 1790年 - （寛政2年）市島秀松が新発田城下諏訪神社前で酒造業を創業した。
- 1952年 - 法人化[1]。
- 1978年 - 蔵人の椎谷和子が女性として初めて1級酒蔵技能士に合格。
- 2018年 - 同年頃より新旧分離が行なわれる。
- 2021年 - 同年7月に本社所在地を新発田市本町1丁目7-5のビルに移転[2]。製造所は従前通り。[3]
- 2022年2月2日[2] - 社名を王紋酒造に変更[1]。
銘柄
- 諏訪盛（すわざかり） 創業時の銘柄は、諏訪神社前で創業したことに因み『諏訪盛（すわざかり）』であった。昭和初期まで使われていた。
- 王紋（おうもん） 昭和初期にドイツ留学から帰った4代目・市島長松（ちょうまつ）の発案により、現在の『王紋』に変更された。長松が欧州の王家やワイン蔵の紋章に感銘を受けたためで、ラベルのデザインも一部商品を除き洋盾型の枠の中に西洋文字風のレタリングで商品名が入る。なお、カップ酒などにはアルファベット表記も入るが、綴りは「AU MONT」とフランス語を思わせるもので、洋風へのこだわりが感じられる。
- 夢（ゆめ） 5代目蔵元 市島眞平（しんぺい）は「夢」と書かれた良寛の書を気に入り、その拓本を自室に飾っていた。昭和50年代に純米酒の製造・販売を始めるにあたり、醸造の世界で夢にむかい日々努力していこうと心に決め、「夢」の字を純米酒の名前にした。ラベルの「夢」の字は、書家 中山竹径（中山与志夫）の直筆である。
余談
「女性蔵人」の誕生と活躍
古くは女人禁制と云われた酒造りにいち早く女性蔵人を採用してきたことから、昭和54年（1979年）には日本初の女性一級酒造技能士が誕生した。[4]
作家宮尾登美子氏が小説「蔵」執筆の際に女性蔵元・女性蔵人の酒蔵として取材している。
作家 宮尾登美子氏（中央）と6代目蔵元 市島圀子（左）
尾瀬あきら作の漫画「夏子の酒」でも〝女性の蔵が作る酒〟として劇中に取り上げられるなど、女性が活躍する酒蔵の先駆けとしても知られており、現在も酒造りの時期には一級酒造技能士の女性達が蔵に入り、酒造りを行っている。
遠藤実氏と市島酒造
「男心 本醸造生貯蔵」300mlのガラス瓶に印刷された「男心」の文字は作曲家 遠藤実氏の直筆。市島酒造蔵元と懇意にしており、ある宴席で蔵元が新しく発売する生貯蔵酒の名前を相談したところ、「男心」と名付けた。酔ったその場の遊びごころから利き手でない左手で筆をとり、書き上げた文字がそのままラベルになっている。
自身の曲最大のヒット作「北国の春」の名を冠した酒を造ることを勧め、にごり酒「北国の春」が発売された。
受賞歴
全国新酒鑑評会
| 2019 | 入賞 |
|---|---|
| 2017 | 入賞 |
| 2015 | 金賞 |
| 2014 | 金賞 |
| 2013 | 入賞 |
| 2012 | 入賞 |
| 2011 | 金賞 |
| 2010 | 金賞 |
| 2009 | 金賞 |
| 2008 | 金賞 |
| 2007 | 金賞 |
| 2006 | 入賞 |
| 2005 | 入賞 |
| 2003 | 金賞 |
関東信越国税局酒類鑑評会
| 2018 | 吟醸酒の部 優秀賞 新潟県総代 |
|---|---|
| 2017 | 吟醸酒の部 優秀賞 |
| 2016 | 吟醸酒の部 優秀賞 |
| 2015 | 純米酒の部 優秀賞 |
| 2014 | 吟醸酒の部 優秀賞 |
| 純米酒の部 優秀賞 | |
| 2013 | 純米酒の部 優秀賞 |
| 2012 | 純米酒の部 優秀賞 |
| 2010 | 吟醸酒の部 優秀賞 |
| 純米酒の部 優秀賞 | |
| 2009 | 燗酒の部 優秀賞 |
| 吟醸酒の部 優秀賞 | |
| 2007 | 優秀賞 |
IWC（インターナショナルワインチャレンジ）SAKE部門
| 2019 | 金メダル 王紋 吟の慶 大吟醸 |
|---|---|
| 2018 | 金メダル 夢 山廃純米 |
| 2015 | 銀メダル 秀松 山吹 |
| 銀メダル
市島 プラチナ スパークリング | |
| 銅メダル
吟の慶 鑑評会大吟醸 (海外バージョン) | |
| 銅メダル 秀松 藍 | |
| 銅メダル 秀松 朱 | |
| 銅メダル
市島 純米大吟醸（海外バージョン） | |
| 推奨銘柄 市島 清酒 (海外バージョン) | |
| 2014 | 銀メダル 吟の慶 大吟醸 |
| 銅メダル 秀松 山吹 | |
| 2013 | 銅メダル 吟醸古酒 王紋年輪 |
| 2012 | 銀メダル 秀松 藍 |
| 銅メダル 秀松 山吹 | |
| 銅メダル 秀松 朱 | |
| 2011 | トロフィー 金メダル 秀松 朱 |
| 銀メダル 秀松 山吹 | |
脚注
- 「王紋酒造」に社名変更 新発田の市島酒造 ブランド力強化図る 新潟日報、2022年2月3日閲覧。
- 登記上は2021年12月16日。
- https://aumont.jp/2917/
- 市島酒造. “市島酒造”. 市島酒造. 2021年1月16日閲覧。
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