片倉もとこ
人物
奈良県奈良市出身。国際日本文化研究センター名誉教授・元所長、国立民族学博物館名誉教授。学位は、理学博士(東京大学、1974年)。主にイスラーム世界と多文化を研究専攻とした。ただし、著作の多くはエッセイ風の読み物で、学術論文といえるものは意外に少ない。
国際日本文化研究センターの歴代所長は梅原猛、河合隼雄、山折哲雄と生え抜きが続いていたが、所外者で初めて女性の所長である。
ニュースキャスターとして、1980年4月の1か月だけ『NNNきょうの出来事』に出演していた事がある。[2]
夫は湾岸戦争時の駐イラク大使で、のちに大東文化大学国際関係学部教授に就いた片倉邦雄。
邦雄氏の米国駐在時に、同じく同時期に米国駐在であった小和田恆とその家族と交流があり、皇后雅子とも知り合いであった。
「素子」の名は、姓名判断によると、旧姓の「新谷」では問題ないが、「片倉」姓と組み合わせると、死んでしまう不吉な字画であるため、「もとこ」表記としていた。しかし、国立民族学博物館の研究室入り口のネームプレートは、戸籍通りの「素子」表記なので、複雑な気分であったことに、自著『沙漠へ、のびやかに』の中で触れている。
略歴
- 1956年 神奈川県立湘南高等学校卒業
- 1962年 津田塾大学学芸学部英文学科卒業
- 1968年 中央大学大学院文学研究科修士課程修了
- 1974年 東京大学大学院理学系研究科地理学専攻博士課程修了
- 1978年 津田塾大学教授
- 1981年 国立民族学博物館教授
- 1993年 中央大学総合政策学部教授
- 2005年5月 国際日本文化研究センター所長
- 2008年 同退任
- 2013年2月23日 75歳で死去[1]
著書
単著
- 『アラビア・ノート アラブの原像を求めて』(日本放送出版協会〈NHKブックス〉、1979年/ちくま学芸文庫、2002年)
- 『文化人類学 遊牧・農耕・都市』(八千代出版、1979年)
- 『沙漠へ、のびやかに』(筑摩書房、1987年)
- 『イスラムの日常世界』(岩波新書、1991年)
- 『イスラーム教徒の社会と生活』<講座イスラーム世界(1)>(栄光教育文化研究所、1994年)
- 『「移動文化考」 イスラームの世界をたずねて 』(日本経済新聞社、1995年/岩波書店〈同時代ライブラリー〉、1998年)
- 『イスラームの世界観 「移動文化」を考える』 (岩波現代文庫、2008年)
- 『ゆとろぎ イスラームのゆたかな時間』(岩波書店、2008年)
- 『やすむ元気もたない勇気 「ゆとろぎ」の思想に学ぶ知恵』(祥伝社、2009年)
- 『旅だちの記』(中央公論新社、2013年)
共著
- 『いまアジアを考える(3)』(三省堂選書(131)、1986年)
編著
脚注
- 片倉もとこさんが死去 元国際日本文化研究センター所長 日本経済新聞 2013年3月4日
- 1980年4月1日付の朝日新聞夕刊6面に掲載された広告による。片倉の他、小林完吾、久保晴生、馬場恭子の計4名が顔写真入りで紹介された。月曜・火曜の担当であったが、翌5月には小坂美保子に交代しており、降板したとみられる。
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