柿沼敏江
経歴
静岡県生まれ。国立音楽大学音楽学部楽理科卒業後、お茶の水女子大学大学院人文科学研究科修士課程修了。お茶の水女子大学大学院在学中に、現代音楽祭「パン・ムジーク・フェスティヴァル」の音楽評論のコンクール「アドホック・クリティック」で、第1位「音楽之友社賞」を受賞。
その後、カリフォルニア大学サンディエゴ校音楽学部博士課程に進学、理論実験(Theoretical Experimental)コースを専攻。1989年、ハリー・パーチの創作楽器に関する研究で博士号(音楽学Ph.D.)を取得。
帰国後は、明治学院大学などで教鞭をとるとともに、『音楽芸術』、『読売新聞』、『フィルハーモニー』、『アサヒ・イヴニング・ニュース』、『グラモフォン・ジャパン』などに執筆。アメリカの雑誌『EAR』や『ハイ・パフォーマンス』などにも寄稿した。多様化する現代の音楽状況について研究を続けている。京都市立芸術大学音楽学部教授をへて、2019年定年となり、名誉教授。
2011年、ミュージック・ペン・クラブ賞をアレックス・ロス著『20世紀を語る音楽』(みすず書房)の翻訳で受賞。2020年11月10日には、第30回吉田秀和賞を『〈無調〉の誕生 ドミナントなき時代の音楽のゆくえ』で受賞した。
著書
- 『アメリカ実験音楽は民族音楽だった 9人の魂の冒険者たち 』フィルムアート社、2005年。
- 『〈無調〉の誕生 ドミナントなき時代の音楽のゆくえ』音楽之友社, 2020.2
主要訳書
- ルー・ハリソン 『ルー・ハリソンのワールド・ミュージック入門』 共訳、ジェスク音楽文化振興会、1993年。
- ジョン・ケージ 『サイレンス』 水声社、1996年。
- エドワード・ストリックランド 『アメリカン・ニュー・ミュージック 実験音楽、ミニマル・ミュージックからジャズ・アヴァンギャルドまで』米田栄共訳、勁草書房、1998年。
- 林完枝, 松畑強 著,スチュアート ホール, ポール ドゥ・ゲイ編集『カルチュラル・アイデンティティの諸問題』宇波彰,佐復秀樹共訳、大村書店、2000年
- 畠中実, 柴俊一編『サウンディング・スペース 9つの音響空間』アルフレッド・バーンバウム共訳. NTT出版, 2003.
- アラン・ローマックス 『アラン・ローマックス選集―アメリカン・ルーツ・ミュージックの探求』 みすず書房、2007年。
- アレックス・ロス著『20世紀を語る音楽』みすず書房、2010年。
- アレックス・ロス『これを聴け』みすず書房, 2015
- ケネス・シルヴァーマン『ジョン・ケージ伝 新たな挑戦の軌跡』論創社, 2015
外部リンク
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