杉森神社のオハツキイチョウ
杉森神社のオハツキイチョウ(すぎもりじんじゃのオハツキイチョウ)は、福井県大飯郡高浜町六路谷(ろくろだに)にある国の天然記念物に指定されたオハツキイチョウである[1]。
国の天然記念物のオハツキイチョウの指定件数は日本全国に7件あるが、そのうちの1件であり、杉森神社境内に生育する雌株のオハツキイチョウ2株が、1935年(昭和10年)8月27日に国の天然記念物に指定された[1][2][3]。
解説
オハツキ
イチョウ
杉森神社のオハツキイチョウのある福井県大飯郡高浜町は、若狭湾に面した日本海沿いの福井県の西端に位置する町で、福井県のみならず北陸地方最西端の自治体でもある。国の天然記念物に指定されたオハツキイチョウの生育する杉森神社[4]は、すぐ西に隣接する京都府舞鶴市との境界にある青葉トンネルから、東へ数百メートルしか離れていない国道27号線沿いに鎮座しており[5]、福井県西端の自治体である高浜町の中でも最西端付近に位置している[6]。
オハツキイチョウは杉森神社の境内に2株あり、いずれも雌株で国の天然記念物に指定されている[2][5]。1株は社殿後方東側の山腹斜面にあり、樹高約32メートル、根元の周囲約3.5メートル、目通り幹囲約2.9メートル。もう1株は社殿前方のすぐ西側にあり、樹高約32メートル、根元の周囲約3.4メートル、目通り幹囲約2.7メートルである[3][7]。
いずれも樹齢は不明であるが、高浜町教育委員会が設置した現地解説板によると、2つの株はそれぞれが樹高約36メートルと約39メートル[8]とあり、数値は資料によりにバラつきがある。
オハツキイチョウは葉の縁や葉上などにギンナンが結実(お葉付き)するイチョウの変種であるが、杉森神社のオハツキイチョウの2株の場合、オハツキになるのはいずれも全体の約3割ほど[5]であり、残りの約7割りは正常なギンナンを付ける。ただし葉の上に結実する割合は一定しておらず、その年によって増減するという[8]。また、オハツキになる葉の大きさは、他所のオハツキイチョウの葉と比較すると狭小である[2][6]。
- 天然記念物指定石碑。
- 西側の株は社殿に隣接して生育している。
- 西側の株。
出典
- 杉森神社のオハツキイチョウ(国指定文化財等データベース) 文化庁ウェブサイト、2019年10月8日閲覧。
- 本田(1957)、p.42。
- 福井県教育庁生涯学習・文化財課。
- 杉森神社 福井県神社庁 2019年10月8日閲覧。
- 里見(1995)、p.477、p.479。
- 文化庁文化財保護部監修(1971)、p.89。
- 福井県歴史散歩編集委員会編(2015)、p.286。
- 高浜町教育委員会。現地解説板。
- 杉森神社のお葉付きイチョウ 公益社団法人全国観光振興協会 全国観るなび2019年10月8日閲覧。
参考文献・資料
関連項目
- 国の天然記念物に指定された他のオハツキイチョウは植物天然記念物一覧#裸子植物節のオハツキイチョウを参照。
外部リンク
- 杉森神社のオハツキイチョウ - 国指定文化財等データベース(文化庁)
- 杉森神社 一般社団法人若狭高浜観光協会ホームページ