景洪市

景洪市(けいこうし)は中華人民共和国雲南省シーサンパンナ・タイ族自治州に位置する県級市、同州首府の所在地である。古より中国タイ族(ルー族)の中心地として栄え、近年東南アジア諸国との国境貿易でも発展している。

中華人民共和国 雲南省 景洪市
マン・ルー大仏寺
マン・ルー大仏寺
マン・ルー大仏寺
雲南省中の景洪市の位置
雲南省中の景洪市の位置
雲南省中の景洪市の位置
中心座標 北緯21度59分00秒 東経100度49分00秒
簡体字 景洪
拼音 Jĭnghóng
カタカナ転写 ジンホン
タイ・ルー語 ᦵᦞᧂᦵᦋᧂᦣᦳᧂᧈ
タイ・ルー語IPA tsêŋhuŋ
国家 中華人民共和国の旗 中華人民共和国
雲南
自治州 西双版納
行政級別 県級市
建置 1950年
建市 1963年
面積
総面積 7,133 km²
人口
総人口(2006) 38 万人
経済
GDP(2004) 38.77 億元
電話番号 0691
郵便番号 666100
ナンバープレート 雲K
行政区画代碼 532801
公式ウェブサイト https://www.jhs.gov.cn/index.dhtml

地理

雲南省最南部に位置し、東は勐臘県江城県、西は勐海県、北は普洱市と接し、南はミャンマーと国境を接する。市面積の95%は山林で、農地面積は5%である。

市内を貫流するメコン川(中国名:瀾滄江)流域の低地部では熱帯性の湿潤な気候で、夏が長く、冬はない。高地では気候が変化する。

気候

隣接するラオスタイミャンマーなどの山岳地帯と似たような気候であり、比較的低温な冬季と高温乾燥な暑季、温暖湿潤な雨季に分かれる。

景洪 (1991–2020, 極值 1971–2000)の気候
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
最高気温記録 °C°F 31.5
(88.7)
34.3
(93.7)
37.5
(99.5)
41.1
(106)
40.1
(104.2)
37.7
(99.9)
35.7
(96.3)
35.8
(96.4)
35.4
(95.7)
34.1
(93.4)
31.8
(89.2)
30.2
(86.4)
41.1
(106)
平均最高気温 °C°F 26.3
(79.3)
29.5
(85.1)
31.9
(89.4)
33.4
(92.1)
33.0
(91.4)
32.2
(90)
31.1
(88)
31.4
(88.5)
31.4
(88.5)
29.7
(85.5)
27.5
(81.5)
25.0
(77)
30.2
(86.36)
日平均気温 °C°F 17.5
(63.5)
19.6
(67.3)
22.1
(71.8)
24.7
(76.5)
26.0
(78.8)
26.6
(79.9)
26.0
(78.8)
25.9
(78.6)
25.3
(77.5)
23.5
(74.3)
20.3
(68.5)
17.5
(63.5)
22.92
(73.25)
平均最低気温 °C°F 12.3
(54.1)
12.7
(54.9)
15.2
(59.4)
18.6
(65.5)
21.4
(70.5)
23.2
(73.8)
23.1
(73.6)
22.9
(73.2)
22.1
(71.8)
20.3
(68.5)
16.6
(61.9)
13.6
(56.5)
18.5
(65.31)
最低気温記録 °C°F 2.7
(36.9)
6.6
(43.9)
6.2
(43.2)
11.9
(53.4)
16.2
(61.2)
18.1
(64.6)
18.9
(66)
19.3
(66.7)
16.2
(61.2)
12.0
(53.6)
7.2
(45)
1.9
(35.4)
1.9
(35.4)
降水量 mm (inch) 20.3
(0.799)
9.5
(0.374)
28.4
(1.118)
56.3
(2.217)
130.6
(5.142)
138.0
(5.433)
232.4
(9.15)
217.4
(8.559)
138.9
(5.469)
104.4
(4.11)
41.1
(1.618)
22.9
(0.902)
1,140.2
(44.891)
平均降水日数 (≥0.1 mm) 2.9 2.6 4.6 9.7 16.2 19.1 22.7 21.4 15.4 11.8 5.5 3.7 135.6
 % 湿度 77 66 65 68 74 79 83 83 83 84 83 82 77.3
平均月間日照時間 212.5 230.5 229.9 228.3 206.0 155.5 125.0 149.7 173.3 166.9 181.5 175.9 2,235
日照率 63 71 62 60 50 39 30 38 47 47 55 53 51.3
出典1:China Meteorological Administration[1][2]
出典2:Weather China[3]
景洪市(1971年 - 2000年)の気候
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
最高気温記録 °C°F 31.5
(88.7)
34.3
(93.7)
37.5
(99.5)
41.1
(106)
40.1
(104.2)
37.7
(99.9)
35.7
(96.3)
35.8
(96.4)
35.4
(95.7)
34.1
(93.4)
31.8
(89.2)
30.2
(86.4)
41.1
(106)
平均最高気温 °C°F 25.5
(77.9)
28.6
(83.5)
31.9
(89.4)
33.4
(92.1)
32.6
(90.7)
31.5
(88.7)
30.5
(86.9)
30.8
(87.4)
30.6
(87.1)
29.1
(84.4)
26.3
(79.3)
23.9
(75)
29.6
(85.3)
日平均気温 °C°F 16.5
(61.7)
18.7
(65.7)
21.7
(71.1)
24.5
(76.1)
25.8
(78.4)
26.1
(79)
25.6
(78.1)
25.4
(77.7)
24.7
(76.5)
22.9
(73.2)
19.7
(67.5)
16.5
(61.7)
22.3
(72.1)
平均最低気温 °C°F 11.6
(52.9)
12.0
(53.6)
14.4
(57.9)
18.0
(64.4)
21.1
(70)
22.7
(72.9)
22.6
(72.7)
22.4
(72.3)
21.6
(70.9)
19.7
(67.5)
16.4
(61.5)
13.0
(55.4)
18.0
(64.4)
最低気温記録 °C°F 2.7
(36.9)
6.6
(43.9)
6.2
(43.2)
11.9
(53.4)
16.2
(61.2)
18.1
(64.6)
18.9
(66)
19.3
(66.7)
16.2
(61.2)
12.0
(53.6)
7.2
(45)
1.9
(35.4)
1.9
(35.4)
雨量 mm (inch) 12.4
(0.488)
14.7
(0.579)
21.8
(0.858)
51.5
(2.028)
126.8
(4.992)
158.5
(6.24)
220.2
(8.669)
197.7
(7.783)
141.1
(5.555)
91.2
(3.591)
59.4
(2.339)
18.3
(0.72)
1,113.6
(43.842)
平均降雨日数 (≥0.1 mm) 6.2 3.6 4.4 10.1 17.4 21.1 22.9 21.3 16.6 12.9 8.9 7.6 153.0
出典:Weather China[4]

歴史

景洪市の椰子並木の道路

前漢の時代には哀牢の地と呼ばれ、後漢の時代には一時永昌郡に属した。代には南詔の銀生節度使が支配する茫乃道に属した。宋代には大理国の支配地となったが、タイ族首長が独立して「勐泐(景隴金殿国、シップソーンパンナー)」を建てた。

このタイ族の王国は元代には徹里軍民総管府、明代に車里宣慰使が設置されて、中央王朝の間接支配を受けた。

1929年に初めて県が設置された。1950年2月に人民解放軍が入城して車里県となったが、1953年シーサンパンナ・タイ族自治州が成立してタイ族の自治が認められた。1958年初めて景洪県と命名され、1993年景洪市が成立。

民族

景洪市は、傣族(雲南省に住むタイ族系ルー族)を主体とする多民族区域で、2002年の総人口37万人のうち少数民族人口が 249,721 人で総人口の 67.27%を占める。そのうちタイ族が全市人口の35%を占める最大民族である。漢族は 121,511 人で、総人口の32.73%となる。

行政区画

区分名称
街道5允景洪街道、灑街道、江北街道、棟街道、曼弄楓街道
4竜鎮、罕鎮、養鎮、普文鎮
3景訥郷、大渡崗郷、旺郷
民族郷2景哈ハニ族郷、基諾山ジーヌオ族郷
農場5景洪農場、東風農場、養農場、橄欖壩農場、大渡崗農場

国営農場ではゴムプーアル茶コーヒーなどの経済作物を栽培している。

交通

1954年に初めて省都・昆明とを結ぶ国道が開通し、1965年にはメコン川大橋が開通した。

1990年にはシーサンパンナ・ガサ空港が開港、昆明とは45分で連絡され、1995年には外国航空会社による国際線も就航している。

航空

  • シーサンパンナ・ガサ空港

道路

鉄道

水運

観光

タイ族園にあるマン・チュンマン寺

タイ族王侯の花園であったマンティン公園や少数民族の歌舞などが披露される民族風情園、野生の保護区である野象谷、パンナ猿山、熱帯植物園など観光施設も整備されている。タイのソンクラーンと同時期に旧正月があり、水掛け祭り(撥水節)も1980年以来、観光資源として活用されている[6]

友好都市

脚注

  1. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 title は必須です。{{{title}}} (中国語). National Meteorological Center of CMA. 2022年11月29日閲覧。
  2. 中国气象数据网 (中国語). China Meteorological Administration. 2023年4月10日閲覧。
  3. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 title は必須です。{{{title}}} (中国語). Weather China. 2022年11月9日閲覧。
  4. zh:景洪城市介绍以及其后背景分析——中国天气网 最好最全面天气预报信息资讯平台 (中国語). Weather China. 2020年4月24日閲覧。
  5. 瀾滄江によりヴィエンチャン等に通じる。
  6. 横山孝雄『少数民族の旅へ』新潮社、1984年、135p頁。

外部リンク

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