日本オープンゴルフ選手権競技

日本オープンゴルフ選手権競技(にほんオープンゴルフせんしゅけんきょうぎ)は、毎年秋季(10月)に開催される日本のプロゴルフメジャー大会の1つ。日本ゴルフ協会(JGA)主催競技でもあり、日本選手権大会に相当する。

日本オープンゴルフ選手権競技
トーナメント情報
創設 1927年
開催地 持ち回り
(2023年:大阪府茨木市)
開催コース 持ち回り
(2023年:茨木カンツリー倶楽部・西コース)
主催 公益財団法人日本ゴルフ協会(JGA)
ツアー 日本ゴルフツアー機構
競技方法 ストロークプレー
賞金総額 2億1000万円(2022年)[1]
開催月 10月
最高記録
最少打数 265 南アフリカ共和国の旗 ショーン・ノリス(2021年)
通算スコア −19 同上[1]
最新優勝者
日本の旗 蟬川泰果(2022年)[2]

大会概要

大会の歴史は1927年(昭和2年)にスタートし、この年はアマチュア選手の赤星六郎が初代優勝者に輝いた[3]。以来日本のトッププロとトップアマチュアが出場し、日本プロゴルフ選手権大会とならぶビッグイベントに成長した。

大会は毎年開催する都道府県を変えて4日間72ホールストロークプレーで開催されるが、天災などの事情で4日間で72ホール消化できなかった時には月曜日が予備日となっている[4]。以下の選手に出場資格が与えられる。出場選手は最大120名となっている。

1996年大会から2005年大会までの賞金総額は1億2,000万円、優勝賞金は2,400万円だったが、2006年大会からは賞金が大幅に増額となり、2021年現在賞金総額2億1000万円、優勝賞金4200万円[1]となっている。ただし2020年は新型コロナ対策の費用がかかったため25%減でおこなった[5]。また、優勝選手にはJGAオープン杯、NHK杯内閣総理大臣杯が授与されるほか、副賞としてJGAオフィシャルスポンサーNECより賞品、さらに5年間の無条件シード権が与えられる。またローアマチュアにはボビー・ジョーンズ杯が贈られる。

大会の模様は共催のNHK1972年から中継放映している(同年の大会はNHK初のゴルフ中継でもあった)[6]。週末の2日間および2007年から予選ラウンドも総合テレビで中継。2011年にデジタル放送に完全統合されてからは、午後序盤をBS1、後半を総合テレビにリレー中継する体裁が取られている。2013年国会中継第185臨時国会参議院代表質問[7])の影響もあり、初日は総合テレビでの生放送ができずBS1で全編を放送。最終日も雨天延期と国会中継(予算委員会集中審議)のため総合テレビでの生放送が不可能となり、BS1での生中継のみとなった。なお日中の中継を補完するために、総合テレビでは当日深夜(実勢日付上は翌日未明)に50分程度にまとめたハイライト放送が行われている。

大会歴代優勝者

(a)はアマチュア

回数開催時期優勝者開催地開催コース
第1回1927年5月28日29日日本の旗 赤星六郎(a)神奈川県程ヶ谷カントリー倶楽部
第2回1928年5月26日27日日本の旗 浅見緑蔵東京都東京ゴルフ倶楽部駒沢コース
第3回1929年6月8日9日日本の旗 宮本留吉大阪府茨木カンツリー倶楽部
第4回1930年10月25日26日大阪府茨木カンツリー倶楽部
第5回1931年10月31日11月1日日本の旗 浅見緑蔵神奈川県程ヶ谷カントリー倶楽部
第6回1932年10月8日9日日本の旗 宮本留吉大阪府茨木カンツリー倶楽部
第7回1933年10月6日〜8日日本の旗 中村兼吉埼玉県霞ヶ関カンツリー倶楽部東コース
1934年室戸台風に伴う関西風水害のため中止[8]
第8回1935年10月30日11月1日日本の旗 宮本留吉埼玉県東京ゴルフ倶楽部朝霞コース
第9回1936年10月28日〜30日兵庫県鳴尾ゴルフ倶楽部猪名川コース
第10回1937年6月3日5日中華民国の旗 陳清水神奈川県相模カンツリー倶楽部
第11回1938年10月11日13日中華民国の旗 林万福神奈川県藤沢ゴルフクラブ
第12回1939年6月7日〜9日日本の旗 戸田藤一郎兵庫県廣野ゴルフ倶楽部
第13回1940年5月28日30日日本の旗 宮本留吉埼玉県東京ゴルフ倶楽部朝霞コース
第14回1941年5月8日10日日本の旗 延原徳春神奈川県程ヶ谷カントリー倶楽部
1942年1949年第二次世界大戦の影響のため中止。
第15回1950年10月2日3日日本の旗 林由郎千葉県我孫子ゴルフ倶楽部
第16回1951年10月3日4日日本の旗 小野光一兵庫県鳴尾ゴルフ倶楽部猪名川コース
第17回1952年10月8日〜10日日本の旗 中村寅吉静岡県川奈ホテルゴルフコース富士コース
第18回1953年10月5日7日日本の旗 小野光一兵庫県宝塚ゴルフ倶楽部
第19回1954年9月27日29日日本の旗 林由郎埼玉県東京ゴルフ倶楽部
第20回1955年9月19日21日日本の旗 小野光一兵庫県廣野ゴルフ倶楽部
第21回1956年9月18日20日日本の旗 中村寅吉埼玉県霞ヶ関カンツリー倶楽部西コース
第22回1957年9月17日〜19日日本の旗 小針春芳愛知県愛知カンツリー倶楽部東山コース
第23回1958年10月28日〜30日日本の旗 中村寅吉千葉県鷹之台カンツリー倶楽部
第24回1959年9月28日30日中華民国の旗 陳清波神奈川県相模原ゴルフクラブ東コース
第25回1960年9月26日〜28日日本の旗 小針春芳兵庫県廣野ゴルフ倶楽部
第26回1961年11月8日10日日本の旗 細石憲二千葉県鷹之台カンツリー倶楽部
第27回1962年9月26日〜28日日本の旗 杉原輝雄千葉県千葉カントリークラブ梅郷コース
第28回1963年9月18日〜20日日本の旗 戸田藤一郎三重県四日市カンツリー倶楽部
第29回1964年10月27日29日日本の旗 杉本英世埼玉県東京ゴルフ倶楽部
第30回1965年10月6日〜8日日本の旗 橘田規愛知県三好カントリー倶楽部
第31回1966年10月4日〜6日日本の旗 佐藤精一千葉県袖ヶ浦カンツリークラブ
第32回1967年10月2日〜4日日本の旗 橘田規兵庫県廣野ゴルフ倶楽部
第33回1968年10月2日〜4日日本の旗 河野高明千葉県総武カントリークラブ 東コース・中コース
第34回1969年9月30日〜10月2日日本の旗 杉本英世兵庫県小野ゴルフ倶楽部
第35回1970年9月30日〜10月2日日本の旗 橘田光弘埼玉県武蔵カントリークラブ笹井コース
第36回1971年9月28日〜10月1日日本の旗 藤井義将愛知県愛知カンツリー倶楽部東山コース
第37回1972年9月28日〜10月1日大韓民国の旗 韓長相茨城県大利根カントリークラブ東コース
第38回1973年9月27日〜30日フィリピンの旗 ベン・アルダ大阪府茨木カンツリー倶楽部西コース
第39回1974年9月26日〜29日日本の旗 尾崎将司茨城県セントラルゴルフクラブ東コース
第40回1975年9月25日〜28日日本の旗 村上隆愛知県春日井カントリークラブ東コース
第41回1976年11月11日15日日本の旗 島田幸作茨城県セントラルゴルフクラブ東コース
第42回1977年11月17日20日スペインの旗 セベ・バレステロス千葉県習志野カントリークラブ
第43回1978年11月2日5日神奈川県横浜カントリークラブ西コース
第44回1979年11月1日4日中華民国の旗 郭吉雄滋賀県日野ゴルフ倶楽部キングコース
第45回1980年10月31日〜11月3日日本の旗 菊地勝司神奈川県相模原ゴルフクラブ東コース
第46回1981年10月29日〜11月1日日本の旗 羽川豊岐阜県日本ラインゴルフ倶楽部東コース
第47回1982年10月28日〜31日日本の旗 矢部昭埼玉県武蔵カントリークラブ豊岡コース
第48回1983年9月29日〜10月2日日本の旗 青木功兵庫県六甲国際ゴルフ倶楽部
中・東コース[注 2]
第49回1984年10月4日〜7日日本の旗 上原宏一埼玉県嵐山カントリークラブ
第50回1985年10月10日〜13日日本の旗 中嶋常幸愛知県東名古屋カントリークラブ西コース
第51回1986年10月9日〜12日神奈川県戸塚カントリー倶楽部西コース
第52回1987年10月8日〜11日日本の旗 青木功兵庫県有馬ロイヤルゴルフクラブ
東・中コース[注 3]
第53回1988年10月6日〜9日日本の旗 尾崎将司埼玉県東京ゴルフ倶楽部
第54回1989年10月5日〜8日愛知県名古屋ゴルフ倶楽部・和合コース
第55回1990年10月4日〜7日日本の旗 中嶋常幸北海道小樽カントリー倶楽部
第56回1991年10月10日〜13日山口県下関ゴルフ倶楽部
第57回1992年10月8日〜12日日本の旗 尾崎将司茨城県龍ヶ崎カントリー倶楽部
第58回1993年10月7日〜10日日本の旗 奥田靖己滋賀県琵琶湖カントリー倶楽部
栗東・三上コース
第59回1994年9月29日〜10月2日日本の旗 尾崎将司三重県四日市カンツリー倶楽部
第60回1995年9月28日〜10月1日日本の旗 伊沢利光埼玉県霞ヶ関カンツリー倶楽部東コース
第61回1996年9月26日〜29日アメリカ合衆国の旗 ピーター・テラベイネン大阪府茨木カンツリー倶楽部西コース
第62回1997年10月2日〜5日オーストラリアの旗 クレイグ・パリー福岡県古賀ゴルフ・クラブ
第63回1998年10月1日〜4日日本の旗 田中秀道茨城県大洗ゴルフ倶楽部
第64回1999年9月30日〜10月3日日本の旗 尾崎直道北海道小樽カントリー倶楽部
第65回2000年10月12日〜15日千葉県鷹之台カンツリー倶楽部
第66回2001年10月11日〜14日日本の旗 手嶋多一埼玉県東京ゴルフ倶楽部
第67回2002年10月17日20日ニュージーランドの旗 デビッド・スメイル山口県下関ゴルフ倶楽部
第68回2003年10月16日19日日本の旗 深堀圭一郎栃木県日光カンツリー倶楽部
第69回2004年10月14日〜17日日本の旗 谷口徹石川県片山津ゴルフ倶楽部白山コース
第70回2005年10月13日〜16日日本の旗 片山晋呉兵庫県廣野ゴルフ倶楽部
第71回2006年10月12日〜15日オーストラリアの旗 ポール・シーハン埼玉県霞ヶ関カンツリー倶楽部西コース
第72回2007年10月11日〜14日日本の旗 谷口徹神奈川県相模原ゴルフクラブ東コース
第73回2008年10月16日〜19日日本の旗 片山晋呉福岡県古賀ゴルフ・クラブ
第74回2009年10月15日〜18日日本の旗 小田龍一埼玉県武蔵カントリークラブ豊岡コース
第75回2010年10月14日〜17日大韓民国の旗 金庚泰愛知県愛知カンツリー倶楽部東山コース
第76回2011年10月13日〜16日大韓民国の旗 裵相文千葉県鷹之台カンツリー倶楽部
第77回2012年10月11日〜14日日本の旗 久保谷健一沖縄県那覇ゴルフ倶楽部
第78回2013年10月17日〜21日日本の旗 小林正則茨城県茨城ゴルフ倶楽部東コース
第79回2014年10月16日〜19日日本の旗 池田勇太千葉県千葉カントリークラブ梅郷コース
第80回2015年10月15日〜18日日本の旗 小平智兵庫県六甲国際ゴルフ倶楽部東コース
第81回2016年10月13日〜16日日本の旗 松山英樹[9]埼玉県狭山ゴルフ・クラブ
第82回2017年10月12日〜15日日本の旗 池田勇太岐阜県岐阜関カントリー倶楽部東コース[10]
第83回2018年10月11日〜14日日本の旗 稲森佑貴[11]神奈川県横浜カントリークラブ
第84回2019年10月17日〜20日アメリカ合衆国の旗 チャン・キム[12]福岡県古賀ゴルフ・クラブ[13]
第85回2020年10月15日〜18日日本の旗 稲森佑貴[14]千葉県紫カントリークラブすみれコース[15][16][注 4]
第86回2021年10月14日〜17日南アフリカ共和国の旗 ショーン・ノリス[17]滋賀県琵琶湖カントリー倶楽部 琵琶湖・三上コース[1][16][18]
第87回2022年10月20日〜23日日本の旗蟬川泰果(a)[2]兵庫県三甲ゴルフ倶楽部ジャパンコース[19][20]
第88回2023年10月12日〜15日大阪府茨木カンツリー倶楽部・西コース[16]
第89回2024年埼玉県東京ゴルフ倶楽部[21]
第90回2025年栃木県日光CC

脚注

注釈

  1. 過去はツアー競技として同日開催していた。
  2. 現在の東コース。
  3. 現在のロイヤルコース。
  4. 新型コロナの影響で一般非公開

出典

  1. “南アのノリスが大会新記録で日本OP初制覇”. Sponichi annex. スポーツニッポン新聞社. (2021年10月17日). https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2021/10/17/kiji/20211017s00043000490000c.html 2021年10月17日閲覧。
  2. "蝉川泰果が95年ぶり日本OPアマチュアV 名前の由来はタイガー・ウッズ". ゴルフダイジェスト・オンライン. 23 October 2022. 2022年10月23日閲覧
  3. アマの赤星六郎が初の日本選手権を獲得『時事通信』昭和2年5月30日(昭和ニュース事典第1巻 昭和元年-昭和3年』本編p165 昭和ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年)
  4. 26日ZOZOチャンピオンシップは無観客…月曜日の予備日も使い72ホール完遂へ”. スポーツ報知(2019年10月26日作成). 2019年10月27日閲覧。
  5. 【2020年度JGA主催ナショナルオープンゴルフ選手権開催についてのお知らせ】(公財)日本ゴルフ協会
  6. 日本放送協会総合放送文化研究所放送史編修室『NHK年鑑'73』日本放送出版協会、1973年、140,206頁。
  7. 参議院代表質問 平成25年10月17日、18日 - 参議院
  8. 『運動年鑑 昭和10年度』(朝日新聞社、1935年)、p.336
  9. 松山英樹が日本オープン優勝 国内メジャー初制覇 - ゴルフダイジェスト・オンライン、2016年10月16日閲覧
  10. 池田勇太が3年ぶり2度目V 金谷は2位 日本OP - 日刊スポーツ、2017年10月15日閲覧
  11. 稲森佑貴、史上8人目の国内メジャーでツアー初V - 日刊スポーツ、2018年10月14日配信、同日閲覧
  12. チャン・キム8打差逆転で今季初優勝、堀川2位タイ - 日刊スポーツ、2019年10月20日配信、同日閲覧
  13. 【2019年度(第84回)日本オープンゴルフ選手権開催コースを古賀ゴルフ・クラブに決定】 - 日本ゴルフ協会 ※2014年12月22日閲覧
  14. 稲森佑貴が2度目の日本オープン制覇 石川遼3位 - ゴルフダイジェスト・オンライン、2020年10月18日配信、同日閲覧
  15. 【20年日本オープンは紫CC=ゴルフ】 - 時事通信 ※2015年6月13日閲覧
  16. "23年の日本オープン 茨木カンツリー倶楽部で開催". ゴルフダイジェスト・オンライン. 19 December 2019. 2020年1月10日閲覧
  17. 南アのショーン・ノリスが大会記録の19アンダーで日本OP制覇 池田勇太が2位 - ALBA 2021年10月17日配信
  18. JGA主催ナショナルオープン選手権開催コース決定のお知らせ - (公財)日本ゴルフ協会 ※2018年12月18日閲覧
  19. 2022年度(第87回)日本オープンゴルフ選手権開催コースが決定 - (公財)日本ゴルフ協会 ※2020年9月24日閲覧
  20. 「2022年度(第87回)日本オープンゴルフ選手権」の当倶楽部での開催が決定致しました。”. 三甲ゴルフ倶楽部 (2020年9月24日). 2020年9月25日閲覧。
  21. 「2024年度(第89回)日本オープンゴルフ選手権 開催コースが決定」、日本ゴルフ協会、2021年9月22日、2021年10月1日閲覧

外部リンク

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