島根大学旧奥谷宿舎
概要
旧制松江高等学校の外国人教師向けに築造された。当初、同一企画の1号官舎(独語教師居住用)と2号官舎(英語教師居住用)の2棟が並んで建っていたが、2号官舎は1937年3月28日、火事で全焼した。
大正時代に東京・大阪郊外や軽井沢などで流行した急勾配の三角屋根をもつ木造2階建て建築。2階の張り出し部分を玄関ポーチの柱で支える。外壁は、1階が木製の横板張り、2階がモルタル投げ付け塗り仕上げ。2連及び3連の連続窓を四周に付ける。アールデコ調の彫刻が施された階段手すりや1階北東側部屋内にある天井の漆喰で作られた中心飾りが、今も建造当時の状況を残している。
第二次世界大戦前は、「著作権の父」として有名なウィルヘルム・プラーゲ博士、第二の小泉八雲として慕われ、永井隆らに影響を与えたフリッツ・カルシュ博士、ドイツ東洋文化研究協会会長を務め、勲三等旭日中綬章を受賞したハンス・シュワルベ博士らが暮らしていた。第二次世界大戦後、島根大学に引き継がれてからは、島根県の英語教育に尽力したドイツ系アメリカ人のバーソルド・アロンスタイン博士らが暮らした。
その後、宿泊施設や大学教職員宿舎として利用されていたが、2009年10月に建造当初の状況に修復され、現在は島根大学総合博物館分館として、展示や催しもの、観光施設に活用されている。地元の子供たちの間では、松江の「トトロの家」として親しまれている。
- 開館日・時間 - 原則として毎週土・日曜日、国民の祝日・振替休日 10時 - 17時。
- 休館日 - 原則として祝日・振替休日を除いた月曜日 - 金曜日。年末年始。
沿革
外部リンク
- 島根大学旧奥谷宿舎 - 国指定文化財等データベース(文化庁)
- 島根大学旧奥谷宿舎(総合博物館分館)
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