安綱
概要
安綱は伯州刀工の始祖といわれる。山城国の三条宗近などとともに、在銘現存作のある刀工としては最初期の人物の一人である。伯耆国の刀工である大原真守(さねもり)は安綱の子とされている。同じ一門には安家も居り、現存する唯一の太刀一振(国宝)が京都国立博物館に所蔵されている。
作風
腰反りが高く優美であるが、古備前物に比して先に行っての伏ごころがさほど目立たないところに姿の特色がある。鍛えは板目が肌立って地景・地斑を交え、地沸が強くつき、刃文は小乱れを主調に小互の目・小のたれなどが目立って交じり、厚く沸づき、刃中砂流し・金筋などを織りなして働きが豊富。安綱には数代あるものと思われ、代が下がるほどに豪壮な作風となっているとされる。
作品
- 太刀 銘 安綱(伯耆安綱):保科家伝来、静嘉堂文庫美術館蔵
- 太刀 銘 安綱(名物 鬼切):新田義貞佩刀、最上家伝来、北野天満宮蔵。銘は、もと「安綱」と切られていたが、後世「国綱」に追刻されたとされる[1]
- 太刀 銘 安綱 附 糸巻太刀拵:徳川家康佩刀、紀州徳川家重宝 紀州東照宮蔵
- 太刀 銘 安綱:1954年重文指定 島津家旧蔵、文化庁保管
- その他
- 安綱作とされるもの
- 安綱作の可能性が指摘されているもの
脚注・出典
- 文部省編著『日本国宝全集第29輯』日本国宝全集刊行会、1927年
- “春日大社で見つかった日本刀、最古級と判明 平安後期に伯耆国の刀工が製作か”. 産経新聞. (2018年1月22日) 2019年11月14日閲覧。
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