鼓楼
鼓楼(ころう)は、中国、日本など東アジア文化圏において、城郭、都市、宗教施設敷地内などに建てられる、太鼓を設置するための建物。太鼓を鳴らすことによって、時報や、緊急事態発生の伝達などの役割を果たした。太鼓楼(たいころう)などと称する場合もある。類似した機能をもつ建物に鐘楼やミナレット(イスラームのモスクに付属する塔。肉声またはスピーカーで礼拝の時刻を知らせる)がある。
中国
鐘楼も時報のための建物であり、中国の都城では対に造られる例が多く、通常は東に鐘楼、西に鼓楼を置き、早朝に鐘を鳴らし、夕べには鼓を撃って「晨鐘暮鼓」と称した。北京鐘鼓楼(中文、英語)のように北に鐘楼・南に鼓楼を配置したものや、山海関鐘鼓楼のように一体の楼閣である場合もある。
日本
日本では、鼓楼あるいは太鼓楼と称する建物が寺院、神社などの宗教施設内に見られる。社寺により、鼓楼(または鐘楼)のみ、または鼓楼と鐘楼を一対の建物として対称的な位置に建てられる。建物は多くの場合、楼造とし、開口部を大きく取って、太鼓の音がより遠くまで響くようになっていた。
時計が普及していなかった時代には、太鼓や鐘などによって人々に時が告げられてきた。
日光東照宮の陽明門前にある一対の鐘楼・鼓楼は1636年(寛永13年)に建立されたもので、国の重要文化財に指定されている。東照宮の他の社殿と同様、部材には金色、黒色、朱色を基調とした極彩色を施し、彫物などで飾った豪華な造りである。
脚注
- 三浦正幸著『城のつくり方図典』小学館 2005年
関連項目
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