天目山 (浙江省)

天目山(てんもくざん)は、中華人民共和国浙江省杭州市臨安区の北西に位置する山。西天目山(1506メートル)と東天目山(1480メートル)の2つの峰がある[1]。山の名は峰の頂上近くにある2つの池に由来する。山の北西部は天目山国家級自然保護区になっている。天目山はUNESCOによる人間と生物圏の一部である生物圏保存地域である[2]。山は緑が多く、亜熱帯気候に属し、年間の降水量が1767 mm、年平均気温が17.3 ℃に達する。

天目山
標高 1506 m
所在地 中華人民共和国の旗 中華人民共和国浙江省
位置 北緯30度20分0秒 東経119度25分0秒
天目山 (浙江省)の位置(中華人民共和国内)
天目山 (浙江省)
天目山 (浙江省) (中華人民共和国)
プロジェクト 山
天目山 (浙江省)
各種表記
繁体字 天目山
簡体字 天目山
拼音 Tiānmù Shān
発音: ティエンムーシャン
日本語読み: てんもくざん

天目山はスギ属の巨木、瀧、天目茶、雲のめぐる峰々、タケノコ、寺院、尼寺、および奇岩によって知られる[3]。山にはアラカシイジュSchima superba)、イチョウカワイスギCryptomeria fortunei)、ニイタカアカマツチャノキ[2]などの2000種以上の植物が生育し[4]、西天目山は真に野生のイチョウの最後の分布地になっている[5]スギのうちでは乾隆帝によって命名された「大樹王」が卓越している。2009年に計測した結果、高さ26.5メートル、直径2.33メートル、体積42.9立方メートルであった[6]。天目山は数百種類の鳥や動物の住処でもあり、39種類の絶滅危惧種および保護種が含まれる[7]。その中にはウンピョウマエガミホエジカが含まれる[4]

中国語では「天目山」の語で莫干山を含む周囲の山脈をも指すことがある。

天目山の歴史は古く、仏教道教儒教の聖地[8]でもある。東晋升平年間(357年 - 361年)に竺法曠禅師によってこの地に仏教がもたらされた。その後は禅の修行に来る僧侶が増え、の時代には洪言西土が跡を継いだ。至元16年(1279年)に高峰禅師が西天目山の獅子岩と倚松結廬を訪れると、その弟子である断崖了義[9]中峰明本[10]もつづき、獅子正禅寺を建立した。その後は中国のみならず日本、インド朝鮮などから禅の修行に来る人々が増え続けた。康熙4年(1665年)には禅源寺、大振高峰、中峰法席が作られ、最盛期を迎えた。また天目山は韋駄天(仏教を守る護法神)を祀る場所としても有名で、禅源寺では韋駄天の記念日には法事がよく行われている。

関連項目

脚注

  1. Tianmushan National Reserve (Hangzhou)”. luopan.com. 2009年6月10日閲覧。
  2. Tianmushan Biosphere Reserve, China (英語). UNESCO (2019年7月31日). 2023年2月1日閲覧。
  3. Hangzhou”. China Custom Tours. 2009年6月10日閲覧。
  4. Lu, Rong (2007年7月31日). Climbing high to blessed coolness”. China Daily. 2009年6月10日閲覧。
  5. André van Beek, Teris (2000). Ginkgo biloba. Harwood Academic. pp. 548. ISBN 90-5702-488-8 p. 9.
  6. Tianmu Mountain”. 2009年6月10日閲覧。
  7. Tianmushan - The Eyes of Heaven Mountain”. 2009年6月10日閲覧。
  8. 天目山_360百科”. baike.so.com. 2019年6月30日閲覧。
  9. 断崖了義禅師悟道因縁”. mp.weixin.qq.com. 2019年6月30日閲覧。
  10. 中峰明本_360百科”. baike.so.com. 2019年6月30日閲覧。

外部リンク

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