大馬神社
大馬神社(おおまじんじゃ)は三重県熊野市井戸町に鎮座する神社。熊野市を流れる井戸川[注 1]上流に位置し、麓には里宮が鎮座する[1]。狛犬がなく熊野灘に面する七里御浜にある獅子岩が狛犬とされる[2]。
大馬神社 | |
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大馬神社 里宮社殿 | |
所在地 | 三重県熊野市井戸町4333 |
位置 | 北緯33度53分42.5秒 東経136度5分10秒 |
主祭神 | 天照大御神 |
社格等 | 村社 |
創建 | 皇紀1469年(西暦809年) |
本殿の様式 | 本宮:神明造 |
例祭 | 1月6日 |
主な神事 | 01月06日:本宮:例大祭 |
概要
由緒
桓武天皇(737-806)の頃、坂上田村麻呂がこの地方を荒らす賊を討ち、賊の頭(かしら)の首を地中に埋め、その上に社殿を作ったのが始まりといわれる。その後、智興和尚がこの話を伝え聞いて参詣しようとしたところ、田村麻呂の霊が現れ、和尚の案内をした。霊は大きな馬に乗っていた事から大馬神社と呼ばれるようになったと伝わる[注 2]。
坂上田村麻呂が討った賊は、紀伊国室郡[注 3]に現れた南蛮の夷賊ともいわれるが[4]、三重県熊野市にある鬼ヶ城に残る伝承に出てくる海賊・多娥丸(たがまる)ともいわれる。また、大馬神社の名の由来についても、田村麻呂が大きな馬に乗っていたから、あるいは、田村麻呂の愛馬が一緒に埋められたから、あるいは、「大魔を封じた社」が転じて「大馬」となったからなど諸説ある[5]。由緒の詳細については諸説あり、大馬神社公式ホームページ由緒、現地由緒板、現地案内板の説明でも由緒が微妙に違っているが、おおよその由緒は上記の通りである。
狛犬
三重県熊野市井戸町の熊野灘に面する七里御浜の岬の先端に位置する獅子の頭部に似た形状をした「獅子岩」が狛犬とされる[2]。「獅子岩」は、口を開いている様に見える事から、阿(あ)の岩(雄岩)とされ、獅子岩の南側に位置する神仙洞の岩が吽(うん)の岩(雌岩)とされる[注 4]。これら「阿吽」の岩が、古来より当社の狛犬と称され敬愛されており、そのため大馬神社には今も狛犬が置かれていない[6][4]。
「獅子岩」は、2004年7月に、熊野参詣道「伊勢路」にある「熊野の鬼ヶ城附獅子巖」として[7]、ユネスコの世界遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』の構成資産の一部に登録されている。
交通
JR東海紀勢本線 熊野市駅から車で20分。国道42号線、獅子岩前の交差点を右折、井戸川に沿った県道七色線を北上すると、十分ほどで大馬集落へ向かう道路と分岐している三叉路に出る。右折し、道なりに進み、途中左に向かう、車が一台が通れる山道を登り詰めた場所にある[1]。
脚注
出典
- “アクセス”. 大馬神社. 2019年12月26日閲覧。
- “獅子岩”. 大馬神社. 2019年12月26日閲覧。
- “御祭神”. 大馬神社. 2019年12月26日閲覧。
- “由緒”. 大馬神社. 2019年12月26日閲覧。
- “大馬神社”. 三重県神社庁 教化委員会. 2019年12月26日閲覧。
- “獅子岩《世界遺産》”. 熊野市観光公社. 2019年12月26日閲覧。
- “登録資産目録”. 和歌山県世界遺産センター. 2020年1月1日閲覧。
- “例大祭・弓引き神事”. 毎日新聞 (2017年1月7日). 2019年12月26日閲覧。
- “熊野・大馬神社で例祭”. 伊勢新聞 (2018年1月7日). 2019年12月26日閲覧。
- “文化財”. 熊野市. 2019年12月26日閲覧。
- “大馬神社本宮 例大祭”. 大馬神社. 2019年12月26日閲覧。
- “節分祭”. 大馬神社. 2019年12月26日閲覧。
- “夏越の大祓”. 大馬神社. 2019年12月26日閲覧。