吹流し
気象観測機器
気象観測用の吹流しは布などでできた筒状のものを高所からぶら下げ、風向や風速を目視で確認できるようにしたものである。一般的には道路や空港などに設置されているのが見られる。
構造
布などしなやかで風を受けてはためくような素材を用い、それを筒状にして、軽いアルミなどをリング形にして筒の一方に取り付ける。このリングは風の入り口となる。これを支柱の高い位置に掲げる。
こうすることで、リングのある筒の一端は常に風の入り口となり、風が吹くとそこから気流が筒の中に入り込む。気流は開口した筒のもう一端から出ていく。この気流の流れにより、吹き流しは揚力を受けて水平に舞い上がる。
用途
道路や空港にある吹流しは、ある程度離れた場所から、おおまかな風の様子(だいたいの風向と、だいたいの風速)を知るために設置されている。一般に吹流しには紅と白、緑と白、青と白、黄と黒などの目立ちやすい色の組み合わせが用いられる。風が強ければ強いほど吹流しは水平になる。これは、地上から(吹流しを横から)見たときにはなおのこと、上空からでも、その長さの変化から読み取ることができる。しかも、ある程度の大きさがあれば、遠くからでも風の様子を読み取れる。これは、旗がはためくと見え方が大きく変化して見づらいのとは対照的である。
日本の法律の労働安全衛生法関係の高所作業の中には、例えばクレーン(クレーン等安全規則)など、安全のために一定以上の強風で作業を中止するよう指導するものもある。この場合の風速の目安として、安価で遠くからでも見やすい吹流しを用いることがあり、タワークレーンが設置されているような建造物の工事現場などに設置している例も見られる。また、このような風速観測用の吹流しは、高速道路に設置されている吹き流しも同様だが、均質化のため、形状や材質等に基準が設けられている。高速道路の吹き流しは、およそ10m/sで水平になるとされている[2]。
日本の道路標識では警戒標識として「横風注意」の標識に吹流しがデザインされている。
気象観測以外の利用
負圧環境
負圧が必要とされる隔離作業環境(アスベスト等の飛散を防止する必要のある解体工事現場など)では、負圧の確認には微差圧計を用いるが、より簡単なスモークテスターや吹流しが利用されることもある[3]。
文化
出典
- 織 朱實. “日本のお祭りシリーズ(その12)-富士山と鯉のぼり-”. 塩ビと環境のメールマガジン460号. 塩ビ工業・環境協会. 2020年5月25日閲覧。
- Q&A E-NEXCOドライブプラザ
- “吹付けアスベスト粉じん飛散防止処理技術”. 一般社団法人日本建築センター. 2020年5月25日閲覧。
- “仙台七夕飾りをつくろう”. 仙台七夕まつり協賛会. 2020年5月25日閲覧。