八丁湖
概要
吉見町は、水田の灌漑用の人工湖沼の多いところで、八丁湖もそのひとつ。徳川時代に造成され[2][3]、明治初期には「八段沼」[4]、戦前までは、「八丁八反の沼」と呼ばれていたが、実際に「八丁八反」の面積を有していたのではなく、「八」が末広がりで、かつ「八」を重ねると語呂がよいことに起因する。また、地元では大溜井とも呼ばれている[2][1]。「八丁湖」と呼ばれるようになったのは戦後に観光地化[1]したことによる。
湖は県立比企丘陵自然公園内に位置している比企地区最大の湖で。周囲約2 kmで[5]、満水面積は52,000平方メートルである。築堤の堤高は5 m、堤頂長は200 mであった[1]。湖水は灌漑用水として使われていて灌漑面積は50 haである[1]。老朽化のため2005年度(平成17年度)から2008年度(平成20年度)にかけて、県のため池等整備事業による築堤や取水施設の改修が行なわれ、堤高は6 m、堤頂長は154 m、貯水量は10万6000立方メートルに改められた[3]。
湖の周囲は「八丁湖公園」として遊歩道が整備されており、周辺の安楽寺(吉見観音)と共に比企丘陵のハイキングコースになっている[1]。4月は湖岸沿いに桜が咲き、6月は千株もの紫陽花が咲く。秋季は「八丁湖ヒーリングナイト」と称した紅葉のライトアップが行なわれる[5] 。また、湖の奥には黒岩横穴墓群があり、鬱蒼とした緑に覆われている。2009年度(平成21年度)から2011年度(平成23年度)にかけて、県の水辺再生100プラン事業の下、土砂の浚渫や遊歩道を整備し、景観に配慮しつつ親しみやすい水辺へ向けた整備が行なわれた[3]。 湖最奥部にある湿地帯の原野は松山城から続いており、古戦場だったところである。
脚注
- 「角川日本地名大辞典」編纂委員会『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』角川書店、1980年7月8日、689頁。ISBN 4040011104。
- 梶 祐二『埼玉大百科 第4巻』埼玉新聞社、1975年3月10日、205頁。
- “特色のあるため池の紹介”. 農林水産省. 2017年11月9日閲覧。
- 柏木貨一郎『黒岩村穴居記』早稲田大学図書館(早稲田大学古典籍総合データベース)、1878年、7頁 。
- 第5回八丁湖ヒーリングナイト開催します - 埼玉県吉見町商工会. 2017年11月9日閲覧。
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