伝奇集

伝奇集』(でんきしゅう、Ficciones)は、ホルヘ・ルイス・ボルヘスの代表的短編集。スペイン語小説集。1944年刊行。元は1941年の『八岐の園』(やまたのその)と1944年の『工匠集』(こうしょうしゅう)の2篇だったものをまとめたもの。『八岐の園』9編と『工匠集』10編を合わせて全19篇の作品からなる[1]

伝奇集
Ficciones 初版
著者ホルヘ・ルイス・ボルヘス
原題Ficciones
アルゼンチン
言語スペイン語
出版日1944年

八岐の園のプロローグには有名な言葉:

数分で語り尽くせる着想を五百ページに渡って展開するのは労のみ多くて功少ない狂気の沙汰である。よりましな方法は、それらの書物がすでに存在すると見せかけて、要約や注釈を差しだすことだ

が語られている。すなわちボルヘスは引用という行為自体が、引用元の内容の有無に関係なくそれ自身である程度の意味を持つという認識に初めて至り、新しい形の創作を生んだのである。これについてウンベルト・エーコは「ボルヘスはハイパーテキストを先取っていた」と述べている[2]

収録作品

日本語訳

  • J. L. ボルヘス 著、鼓直 訳『伝奇集』岩波書店岩波文庫〉、1993年11月。ISBN 9784003279212。

関連出版

脚注

  1. 松岡正剛 (2002年6月5日). 0552夜 『伝奇集』 ホルヘ・ルイス・ボルヘス”. 松岡正剛の千夜千冊. 2022年5月9日閲覧。
  2. 「ウェブの進化」が双方向の年表に”. WIRED (2012年10月3日). 2022年5月9日閲覧。

関連項目

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