三国伝記

三国伝記』(さんごくでんき[1])は、室町時代に成立した説話集。著者・ 撰者は玄棟[2]。12巻。

概要

インド中国日本 (梵・漢・和) の三国にわたる説話集である[3]仏教説話を大半が占める。 8月17日の夜に、京都清水寺に参詣した、天竺の梵語坊、大明の漢守郎、近江の和阿弥の3人が、交代でそれぞれの国について物語をするというもの。 それぞれ梵曰、漢曰、和曰で説話が始まる形式で、各国120話、合計360話を収録している。 『太平記』巻35の「北野通夜物語」に倣った形式とみられる。成立年は定かではないものの、応永14年(1407年)以降であると考えられている[4]。なお、 『三宝感応要略録』『発心集』『古事談』『長谷寺霊験記』『沙石集』『山王霊験記』『太平記』などと同文に近いため、関連性が指摘されている。

出典

  1. 三国伝記平仮名本 - CiNii
  2. 玄棟『三国伝記 巻10』国立国会図書館.インターネット公開(保護期間満了)。doi:10.11501/2552948NDLJP:2552948https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I001390791-002022年12月15日閲覧
  3. 播摩 光寿「『三国伝記』の一試論」『中世文学』第37巻、中世文学会、1992年、58-66頁、doi:10.24604/chusei.37_58
  4. 三国伝記”. WEB版新纂浄土宗大辞典. 2020年11月27日閲覧。
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