ヴァルプルギスの後悔

ヴァルプルギスの後悔』(ヴァルプルギスのこうかい)は上遠野浩平による日本のシリーズ小説。同作者による『ブギーポップは笑わない』を始めとした「ブギーポップシリーズ」と、そのサイドストーリー『ビートのディシプリン』シリーズの姉妹作品にあたる。

(ヴァルプルギスの後悔)
ジャンル セカイ系
小説
著者 上遠野浩平
イラスト 緒方剛志
出版社 アスキー・メディアワークス
レーベル 電撃文庫
刊行期間 2007年 - 2011年
巻数 全4巻
テンプレート - ノート
プロジェクト ライトノベル・漫画・アニメ
ポータル 文学・漫画・アニメ

2007年から『電撃hp』及び『電撃文庫MAGAZINE』(両誌ともメディアワークス刊)において連載され、文庫単行本が電撃文庫より発売されている。イラストは前述の2シリーズと同じく緒方剛志が担当。

概要

「ブギーポップシリーズ」においての重要人物の1人、"炎の魔女"と呼ばれ正義の味方を行う霧間凪が主人公を務める物語。

彼女に秘められた宿命と、めぐり合う2人の魔女の戦いを描いている。これにより"世界"は大きく動き始め、彼女周囲の人物のみならず、統和機構の中枢までも巻き込む異変が始まる事となる。

本シリーズは『ビートのディシプリン』と同じく、作者が提示していた「ブギーポップシリーズを終える上で必要な作品」となる。そのため、過去のブギーポップシリーズの登場物が多く見られるほか、作品内の開始時間もビートのデイシプリンの終盤時期と重なっている。また、『ビートのディシプリン』のエピローグからは、直接的に本作とリンクしている。常に作品間がリンクしている上遠野の作品群においても、これまで例を見ない程多くのシリーズとの関係性が明かされており、上遠野サーガにおいても大きいウエイトを示す作品。

直接的にリンクが判明しており、単行本化されているものを列挙する(順不同)。

登場人物

先述した通り、本シリーズにはブギーポップシリーズや『ビートのディシプリン』の人物が多く登場している。それらの人物に関する詳細はブギーポップシリーズの登場人物を参照。

主人公とその関係者

霧間 凪(きりま なぎ)
本シリーズの主人公。魔女ヴァルプルギスの器であることに自覚し始めている中でも、統和機構の合成人間との対決を続けていた。しかし、魔女アルケスティスの攻撃により重傷を負う。それにより、自らの中からヴァルプルギスが解き放たれたことで、自らの運命に決着をつけるために魔女に戦いを挑む。
羽原 健太郎(はばら けんたろう)
凪の助手的存在。今作でも凪を助けるために奔走する。
谷口 正樹(たにぐち まさき)
凪の義弟。ガールフレンドである織機綺の異変に気が付くが…。
織機 綺(おりはた あや)
正樹のガールフレンドともいえる元統和機構の合成人間。何の能力もない普通の人間同様の彼女だが、今作でリキ・ティキ・タビの能力を受け継ぐ。この能力を正樹や凪を守るために使おうとしたが、彼女の自虐的な精神が、かえって状況を悪化させてしまう。
ピート・ビート
ビートのディシプリンの主人公。本作では健太郎とともに行動する。敵を煙に巻くようなトリッキーな戦闘スタイルを確立し、統和機構全体に一目置かれる存在となる。
浅倉 朝子(あさくら あさこ)
ビートのディシプリンのヒロイン。以前までのひ弱な印象とは対照的に、自分の心臓の鼓動をビートとシンクロする能力にさらに磨きをかけ、垂直の壁を駆け上がるなど人間離れした動きを披露する。性格もやや勝気になった。
高代亨/イナズマ
飛鳥井仁らとともに統和機構と対立を続けている男。本作では、アルケスティスと対決し、敗れるが逃がされる。
谷口鏡子(たにぐち きょうこ)
霧間凪の実母で谷口正樹の父親と再婚した義母。旧姓は長谷部→霧間を経て現在のものとなっている。
高校生の娘がいるとは思えない少女としか言えない外見で、静かな雰囲気の大人しい美女。凪が幼い時に霧間誠一と離婚し、後に谷口茂樹と再婚、現在は彼について海外で生活している。凪の前に魔女の器であった存在で、数百年も生きていると思われる描写がある。その器性と血縁関係から、凪の中のヴァルプルギスに対する強力な干渉存在となる。アルケスティスによって凪の中のヴァルプルギスを攻撃するための楔に変えられてしまう。

統和機構/反統和機構組織

ブギーポップシリーズにおいて世界を陰から支配する組織である統和機構であるが、本作では魔女2人にいいように扱われる。それは、反統和機構組織であるダイヤモンズにおいても同様。

オキシジェン
統和機構の中枢。本作では次期中枢候補である末真和子を2人の魔女から守るため行動する。戦闘時は普段の風貌からは想像できない俊敏性のある曲芸のような体術を連続で放つ。中枢となった影響で疲労という概念が存在していない。
末真 和子(すえま かずこ)
凪の友人で統和機構の中枢候補。ヴァルプルギスになすすべなく敗れたカレイドスコープを救うために自らの能力を使用した。その能力は、人知を超えた超存在であるヴァルプルギスにも理解できないものであった(しかし、能力の全容を釘斗博士には見抜かれている)。
カレイドスコープ
オキシジェンの側近。末真和子を守るためにヴァルプルギスと対決するが敗れ重傷を負う。
九連内 朱巳(くれない あけみ)
統和機構幹部。その立場を利用して、霧間凪が統和機構のマークから外れるように内部から手を打っていた。
オキシジェンには中枢候補の1人として注目されていたものの、「意志が強すぎる」として後継者としては選ばれていない。しかし、それはヴァルプルギスにとっては選出に値するものであったため、オキシジェンが統和機構を離脱後(消息不明となったため)「霧間凪を遥かに超える強さを持った器」として見出される。
ラウンダバウト
朱巳に仕える合成人間であり、本作でもその立場は変わらない。
リィ舞阪 / フォルテッシモ
統和機構で最強と言われる存在。本作で魔女の戦いに参加しなかったが、最後にある力を受け継ぐ存在となる。
雨宮世津子 / リセット
統和機構幹部。オキシジェンが破れヴァルプルギスが統和機構支配を宣言した際に、動揺する幹部の中、仕方がないとあっさり受け入れている。
パール
反統和機構組織ダイアモンズの幹部である合成人間。本作では魔女の戦いに翻弄され続けるが、最後にある力を受け継ぐ存在となる。
ジィド
ダイアモンズの傭兵でさまざまな戦闘技術を持つ男。今までのブギーポップシリーズでは「凪の天敵」となる存在と言われていたが、凪の運命、ひいてはこの世界の運命を狂わせるわけにはいかないと判断し、舞台から降りることを宣言し撤退した。

魔女および魔女に対抗する存在

古より存在していた人知を超えた存在。炎の魔女ヴァルプルギスと氷の魔女アルケスティスの二つの存在が常に争いを続けている。炎と氷の能力だけでなく、万物の事象すべてを操り、運命を操作し、地球はおろか太陽系を容易に滅ぼしうる力を有する。対抗できる存在はリキ・ティキ・タビしか存在しない。

アルケスティス
氷の魔女。冥加暦の内に宿りその体を乗っ取っている。ビートのディシプリン中盤において登場し、ヴァルプルギスを封じるためにその行動を起こし始めた。統和機構を生み出し、それら全てに対し暗然たる支配力を持っていた存在。
超存在である彼女にはさほど関心のある事ではないが、意思の方向性としては多くの存在を生かし、その多様性を認めていくというのが、彼女の生命体に対する姿勢となっている。能力は万物の吸い込む究極の"引力"だが、これは副次的に有機物無機物問わずあらゆるエネルギーを"停止"させる事も可能。能力を停止効果以上強めた場合は、既知宇宙において最大のエネルギー天体であるブラックホールが発生する事になり、地表であってもその効果範囲や規模まで自由に操れる。またそれとは別に運命を操る力も有し、遥か未来で発生する事象を現在に「引きずり出す」という運命操作を行う。
谷口鏡子を楔として凪の胸を貫くことで、ヴァルプルギスを滅ぼそうとしたが失敗。この世界に実体化したヴァルプルギスによって逆に自らが氷の楔とされてしまう。後にこの氷の楔は凪とヴァルプルギスとの戦いの決定打となる。
戦闘後現実空間に帰還し、一時的に楔状態から人型へと戻るが、互いを敵として認識する事で存在していたヴァルプルギスが消滅した事で、既に自身も終わっている事を確信しており再び"現象"(この場合は自然天体のブラックホール)へと変貌しかける。その際に訪れたフォルテッシモと最後の対話を行い、その身を時の亞空へと切り離される。
リキ・ティキ・タビ
ビートのディシプリンに登場していた謎の存在。本作で凪の中のヴァルプルギスと対決するが敗れ、その力を織機綺へ受け継がせる。
その正体は二人の魔女のパワーの衝突による対消滅現象が派生したものの現れで、正確には人物名ではなくそれによって生まれている"反撥"の力である。この能力は敵意を持って放たれたありとあらゆる攻撃や干渉を反射するが、唯一この能力を生み出したそのものである魔女の攻撃は防ぐことは出来ない。最初に発生して以降、代々様々な人物に受け継がれていきその力を進化させていき、現在この能力を持つのは"矛盾"の体現を内包し、凪に近しい立場にいる織機綺である。カレイドスコープによれば彼女こそが、リキ・ティキ・タビの完成形となれる可能性を示唆していた。
ヴァルプルギス
炎の魔女。霧間凪の内に眠っていた存在。アルケスティスとは対の存在であり、宿敵。
彼女の人類に対する姿勢はアルケスティスとは逆に、他のあらゆるものを影響下におき、単一化を行うというものである。能力は全てを吹き飛ばす最強の"斥力"であるが、そのエネルギー量はもはや人知を超えた領域で、先述のアルケスティスの持つ引力と同等以上の力となる。アルケイティス同様運命を操る力を有しており、運命操作によって既に生命活動を停止させられた者の蘇生(時間逆行)を実現させた。
実体化した彼女はいきなり統和機構に宣戦布告し、オキシジェンを破り、アルケイティスの攻撃も突破して、アルケイティスを氷の楔にし勝利した。しかし、氷の楔を自らに打ち込みヴァルプルギスと対抗できる力を持った凪と対決。その心の力に動揺した結果、氷の楔を撃ち込まれたことによる力の対消滅を起こされ消滅する。
消滅した魔女たちの力の残滓は、特定の人物に受け継がれている。

本シリーズで初登場したキャラクター

冥加 暦(みょうが こよみ)
アルケスティスの器。本人は数年前に死亡している。
村津 隆(むらつ たかし)
麻薬密売を行っていた少年。冥加暦に恋しており、死んだと思っていた彼女に会うために行動するが、それはアルケイティスが凪およびヴァルプルギスを攻撃するために仕組まれたものであり、そのためだけに彼は喜んで命を落とした。
釘斗博士(くぎとはかせ)
上遠野の作品である『ソウルドロップの幽体研究』を始めとした「ペイパーカットシリーズ」の登場人物。
優秀な頭脳と深い見識、強い探究心とそれらを活かす強靭な胆力と、人を煙に巻くような態度の持ち主。それらの高い能力を活かし、独自の研究と推論によって、世界の裏に潜む統和機構の存在とその意義すら見抜いていた。自身の探究心と野心により、織機綺を利用し統和機構の中枢への食い込みを計る。
ドーバーマン
鉄を操る能力を持ったスーツ姿の合成人間。
トラス・アトラス
トラス・サウス、トラス・ノウス、トラス・ウェスト、トラス・イースト、トラス・フロント、トラス・リアという6人で一つの戦闘チーム。霧間凪の討伐を目的に動き出す。
ワイプ・アウト
戦艦砲にも耐えられる波動エネルギーのシールドを空間に展開する合成人間。
リセットにも匹敵する超破壊性を持った空気弾を放つ合成人間。マキシム・Gと権力抗争を繰り広げている。
フェイ・リスキィ
統和機構の研究者。その優秀さからは結びつかない少女のような外見だが、実際には飲酒可能な年齢である。その天才的な頭脳に肉体の成長を吸い取られたのではと揶揄される。
その余りに卓越した頭脳の為に、“現在”にある全ての研究対象に情熱を持てなかったが、ヴァルプルギスによりその眠れる資質を開花される。結果、自身を研究対象と成果とし、MPLSすら超え身につけた絶大な才能を遺憾なく発揮する事となる。この才能をヴァルプルギスは「奇蹟使い」と呼んだ。
マキシム・G(マキシム・ゴーリキー)
統和機構の中枢に近いスーパービルドの合成人間。別名「ロボット将軍」。
そのいかつい二つ名とは見合わず、外見は天使のような美少年で声はソプラノ。周囲の空気を固めて巨大な空気の巨人を作り敵を迎撃する。その攻撃は大地を裂き、山をも抉る。

用語

魔女
本シリーズの中核にして最大の存在。霧間凪の内に眠っていた炎の魔女ヴァルプルギスと、冥加暦の内に眠っていた氷の魔女アルケスティスの2人を指す。
両者は対の存在であり、未来永劫戦い続ける宿命を持った“敵”である。共に、資質を持った人間の肉体を渡り歩き、長い時代を戦い続けてきており、ヴァルプルギスの例であれば、凪の前には彼女の実母である鏡子を器として宿っていた。魔女にとって容姿はもちろん、性格や精神の素養も器の影響を大きく受ける為、彼女たちは慎重にその器を選ぶ事となる。
なお、「炎」と「氷」の異名は便宜上のもので、実際には“世界”が始まった時から両者は様々な現象や概念に姿を変えて対立してきた。本作の時間において、その現象が表面化・顕在化した"現象"が「魔女」である[1]。魔女は宇宙の理の一部を体現している存在であるため、もし彼女らが消滅した場合はその時点で、宇宙も世界も消滅する事となる。それゆえに一方はもう片方を「打ち負かす」というのは、相手を自分の理の内に取り込み、宇宙も次元も含めた全世界の仕組みを自らの望む姿にシフトさせる事が狙いになる。この永久に続く現象から、人間が一部認識出来る箇所を指し「魔女戦争」とされる。
全てのMPLSの始祖だが、能力の巨大さはそれとは比較と成り得無い絶大なもので、時間軸の遥かな過去から未来永劫、あらゆる平行世界から次元宇宙に至るまで戦い続ける超次元存在。“地球上にいる全ての生物の精神を同時に読める”、“隕石を指で受け止める”、“宇宙を引き裂くパワー”などを持ち、彼女等と対等となれる存在は同じ魔女しかいない。結果、彼女らには互いが戦い続ける"宿命"は存在していても“運命”は存在しえず、彼女たちは運命よりも上位の存在として、戦いの道具として因果と運命を操っている[2]
こうした様々な世界と運命とオーバースケールで眺める魔女の事を指して、「俯瞰認識者」とも呼ぶ。彼女達は、オキシジェンですら一次元化した「糸」でしか視る事の出来なかった運命の形を、“未来と過去”を基礎とした2つの概念によって、多次元的に成る“世界”の全て[3]が視覚で認識できる。更にそれら全てを理解することが可能であるため、人間の概念で言うなら"全知全能"と呼ばれる位置に立つものとされる。
魔女はブギーポップシリーズで登場する「世界の敵」の条件には該当しない。彼女達に立ち向かうのは、常に“人間の敵”と戦ってきた霧間凪であり、この戦いには“世界の敵の敵”の対であるブギーポップは一切干渉する事はなかった。これは霧間凪がヴァルプルギスに指摘したように、「世界の敵」は通常「自らの“世界”1つを作るために、“唯一人”であっても現在の世界を終わらせる存在」だが、「魔女には1人でそれを行う覚悟や精神耐性がないため」である。つまり、互いの敵である魔女を打ち破るためならば副次的に他の世界を消すことさえするのに、「ただの破壊衝動による破滅願望を持っていない」存在なのである[4]
ただし持っている力そのものは、後述する奇蹟使いですらその力はまるで及ぶ相手ではなく、奇蹟使いがもたらす"文明"という可能性も、霧間誠一がその敵になって相対する事を決めた"社会"という概念さえも、幾らでも容易く崩壊させる力を持つ"世界"そのものにしてその上位の存在である。
「二人の魔女」と呼ばれる存在は「戦地調停士シリーズ」(講談社刊)の『紫骸城事件』にも登場しており、そこではオリセ・クォルトとビイアス・リ・カーズと呼ばれていた。
奇蹟使い
MPLSよりも更に異質で強大な能力者を指す。本シリーズに登場した人物でこの力を持つのはフェイ・リスキィのみ。
本シリーズ及びブギーポップシリーズの超未来を舞台とした『冥王と獣のダンス』(電撃文庫)において登場した特殊能力者のことで、そちらの作品では世界に満たされている「こころ」=呪詛を扱う事でMPLSとは比較にならない規模の現象を起こす。『冥王』では隕石を落とす、大地震を起こすなど圧倒的な力を持つ者も存在していた。
歴史上では本来、『冥王』より少し遡った時代である「ナイトウォッチ三部作」で登場したマイロー・スタースクレイパーこそが「人類初の奇蹟使い」であると判明しているが、ヴァルプルギスがフェイに対し未来からその才能のみを引っ張ってきた為に、現在の時間に奇蹟使いが現れている。ただし、未来で平行分岐するどの時間軸から引っ張ってきた能力かは不明である。
MPLSが一世代での突然変異でしかないのに対し、奇蹟使いは"文明"の萌芽となる可能性の力であり、それは世界を覆い尽くすほど巨大なものである。アルケスティスによれば、『冥王』より更に先の未来である『虚無を心に蛇と唱えよ』『機械仕掛けの蛇奇使い』の世界で浸透していた魔導文明の雛型とも取れる能力である様子。

脚注

  1. アルケスティスによると、フォルテッシモの持つ「ザ・スライダー」の能力もこの"現象"の1つである事が明かされている。
  2. 具体的には「サイレンの海」と呼ばれる“領域”において、対象の運命の書き換えなどを行う
  3. ナイトウォッチ三部作』(徳間文庫)において原理が登場している「相克渦動」のことを指す。
  4. 端的に言うと自爆、自傷、自滅行為ができない。

シリーズ

単行本

1ヴァルプルギスの後悔 Fire 1 [Warning Witch]2008年8月ISBN 978-4-04-867171-2
2ヴァルプルギスの後悔 Fire 2 [Spitting Witch]2009年8月ISBN 978-4-04-867938-1
3ヴァルプルギスの後悔 Fire 3 [Dozing Witch]2010年8月ISBN 978-4-04-868767-6
4ヴァルプルギスの後悔 Fire 4 [freezing witch]2011年12月10日ISBN 978-4-04-886187-8
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