ローウェル・ジョージ

来歴

カリフォルニア州ハリウッド生まれ。幼いころより音楽に親しみ、初めて憶えた楽器はハーモニカであった。高校時代にはマーチングバンドでフルートを担当するなどした。ギターは11歳ごろに憶え、更にサクソフォーンシタール尺八なども演奏していた。学生時代には後にリトル・フィートのメンバーとなるポール・バレアと共にギターを演奏していた。

1965年にザ・ファクトリーというバンドを結成する[注釈 1]が、シングル1枚を発表しただけで解散した。次にザ・スタンデルズ(The Standells)に2ヶ月ほど加入した後、1968年11月から1969年5月まで、フランク・ザッパが率いるザ・マザーズ・オブ・インヴェンション(以下、マザーズ)でギタリストとして活動した[注釈 2][1]。ジョージはマザーズからの脱退について、1975年のリトル・フィートのライブで「ドラッグについて歌った曲[注釈 3]を書いたため、それを嫌がったザッパにより解雇された」と語っている[2]

マザーズ脱退後、マザーズの同僚だったロイ・エストラーダ(ベース・ギター)らとリトル・フィートを結成して、ボーカルとリード・ギターを担当したほかスライド・ギターも演奏した[注釈 4][3]。バンド外ではヴァン・ダイク・パークスジョン・ケイルハリー・ニルソンミーターズはっぴいえんど矢野顕子などのセッションに参加している。また、音楽プロデューサーとしても活動し、グレイトフル・デッドの1978年のアルバム『シェイクダウン・ストリート』やヴァレリー・カーターなどをプロデュースしている。

1970年代後半頃から薬物中毒などの影響で体調が悪化し、バンド内の主導権をめぐる相違もあって活動も滞りがちになる。1978年に集大成的なライブ盤『ウェイティング・フォー・コロンブス』を発表した後、リトル・フィートを解散してソロ活動に入る。1979年には生涯唯一となったソロ・アルバム『特別料理 イート・イット・ヒア』を発表するが、6月15日から始まった同アルバム・ツアー中、6月29日のヴァージニア州アーリントンでホテル滞在中に倒れ、ドラッグのオーバードーズによる心不全で死去した[4]。34歳没。遺灰はサンフランシスコにて彼の使用していた釣り舟から太平洋に撒かれた。

使用機材

日本のミュージシャンでは鈴木茂桑田佳祐などがジョージの奏法に影響を受けている。

ディスコグラフィ

アルバム

  • 『特別料理 イート・イット・ヒア』 - Thanks, I'll Eat It Here (1979年、Warner Bros.)
  • 『アーリィ・イヤーズ』 - Lightning-Rod Man (1993年、Bizarre/Straight) ※ザ・ファクトリー時代の未発表音源のコンピレーション

シングル

  • "What Do You Want The Girl To Do" / "20 Million Things" (1979年、Warner Bros.)
  • "Cheek To Cheek" / "Honest Man" (1979年、Warner Bros.)

脚注

出典

  1. Ulrich (2018), p. 678.
  2. ザッパのアンチ・ドラッグは有名だが、この曲はトラック・ドライバーの幻影に付いて歌った曲であり、ローウェルの才能を高く評価しつつもマザーズで演られてはシャレにならないと、自らのバンド結成を勧めたとの説もある。 - 出典:レコード・コレクターズ 1995年10月号 P24 雑誌 19637-10
  3. ローウェルが模型飛行機で指を怪我した間、同じバーバンク・スタジオに居たライに「ウィリン」と「フォーティ・フォー・ブルース/ハウ・メニー・モア・イヤーズ 」を弾いてもらった。 - 出典:レコード・コレクターズ 1995年10月号 P29 雑誌 19637-10
  4. Lowe-Carter rock wedding Kurt Loder. Anchorage Daily News - Sep 14, 1979.
  5. Lowell George Interview in Guitar Player – Aug ’76”. 2021年7月19日閲覧。
  6. 出典:リットーミュージック LOST and FOUND vol.1 P23 - 25 ISBN 4-8456-0347-0

注釈

  1. メンバーには、後にリトル・フィートで共演したリッチー・ヘイワード(ドラムス)がいた。
  2. マザーズでの演奏は、未発表音源の編集アルバム『いたち野郎』などに収録された。
  3. リトル・フィートのファースト及びセカンド・アルバム収録の「ウィリン」。
  4. ファースト・アルバムではライ・クーダーが演奏したとも言われる.

参考文献

  • Ulrich, Charles (2018), The Big Note: A Guide To The Recordings Of Frank Zappa, New Star, ISBN 978-1-55420-146-4

外部リンク

This article is issued from Wikipedia. The text is licensed under Creative Commons - Attribution - Sharealike. Additional terms may apply for the media files.