エディントンのイプシロン
エディントンのイプシロンは、数学で用いられる記号。交代記号、順列記号、レヴィ=チヴィタ記号(英語: Levi-Civita symbol)、レヴィ=チヴィタの記号、レヴィ=チヴィタの完全反対称テンソルなど様々な呼び名がある。 添字を使わないテンソル表記法においてはホッジ双対の概念に置き換えられる。名前はアーサー・エディントンとトゥーリオ・レヴィ=チヴィタにちなむ。
定義
高階への拡張
エディントンのイプシロンはn次元へ拡張することができる(一般化されたエディントンのイプシロン)[3]:
ただし、i1,i2,…,in が1,2,…,n の偶置換の場合は (even) に、奇置換の場合は (odd) に、それ以外は (otherwise) に対応する。
実際に 4 階に拡張したものは、相対論的にマクスウェル方程式を記述するのに用いられる。
一般化されたエディントンのイプシロンの性質
n 次元とし、すべての添字 i1 ,…, in , j1 ,…, jn は 1, 2,…, n の範囲の値を取るとする。
δj1j2…jm
i1i2…imを階数m の一般化されたクロネッカーのデルタ
とすると、
が成り立つ。
また、以下のn + 1個の公式
は#性質の節で述べた式の一般化である。
テンソル密度
任意の曲線座標系において、多様体の計量テンソルが 定義されていない場合でも上で定義したエディントンのイプシロンはテンソル密度(tensor density)であるとの異なる2つの解釈がある。 weight +1 の反変(contravariant) テンソル密度として 解釈可能であるし、 weight −1の共変(covariant) テンソル密度とも解釈可能である。
4次元では階数4の一般化されたクロネッカーのデルタを使って
と表せる。数値は同じであり、特に符号も等しいことに注意する。
出典
- Labelle, P. (2010). Supersymmetry. Demystified. McGraw-Hill. pp. 57–58. ISBN 978-0-07-163641-4
- Hadrovich, F.. “Twistor Primer”. 2013年9月3日閲覧。
- D.C. Kay (1988). Tensor Calculus. Schaum’s Outlines, McGraw Hill (USA). ISBN 0-07-033484-6