リークテスト

リークテストは、真空装置のリーク(漏れ)を確認するためのテストである。真空で言うリーク(漏れ)とは真空チャンバーの微小な穴、シール不良などによる想定外の外部からの気体の流入を指し、チャンバー壁の放出ガス真空フランジのシール、窓などの透過するガスについてはリークとは区別される。リークテストは微小な穴などの検知を行なうものであるため、圧力容器や溶接の漏れ探しでも同様の方法をとられることが多い。

リークは真空装置の種類によってもその許容値が異なるため、リークテストの方法もその許容値によって異なる。しかし近年ではその取り扱いとリーク検知の簡便さ、感度からヘリウムリーク法が使用されることが多い。

リークテストの種類

方式名被試験物内部被試験物外部検知原理プローブまたは使用流体検知可能範囲(Pa・m3/s)備考
真空放置法真空大気圧圧力上昇-10-6~10-8ビルドアップテストともいう
加圧発泡法加圧大気圧気泡加圧大気(石けん水)10-2~10-3石けん水を塗布する塗布剤商品もあり。
水中発泡法加圧大気圧水槽中に発生する気泡加圧大気10-4~10-5水槽に石けん水を使用すれば感度があがる。
ハロゲンリークディテクタ法加圧大気圧ハロゲンガスの電離ハロゲンガス(フレオンなど)10-5~10-9商品あり。スニファ法による。
ヘリウムリークテスト法真空大気圧又は加圧質量分析によるヘリウム検知ヘリウム10-11~10-13外覆法、吹きつけ法。
真空計法真空大気圧大気とプローブ水槽中に発生する気泡アルコール、ヘリウム、ブタンなど10-1~10-9状況に応じてピラニ真空計、電離真空計。
残留ガス分析法真空大気圧プローブ物質ピーク検出アルコール、ヘリウム、ブタンなど10-10残留ガス分析計使用。
イオンポンプ法真空大気圧イオンポンプの放電電流変化ヘリウム他10-3~10-9スパッタイオンポンプ利用。
ガイスラー管法真空大気圧放電色の変化ヘリウム、アルコール、他10-2積分法で見ることもできる。有機物は青白、空気は赤紫色。
カラーチェック大気圧大気圧赤浸透液、白現像液の拭きつけ-10-5商品あり。孔のつまりに注意。
フロンポンピング法大気圧大気圧フロンFC78、液のFC43、液中での気化と発砲フロン液10-6ポンピングおよび加熱装置要。

ヘリウムリークテスト

ヘリウムリークテストとは対象を真空排気しヘリウムのみを検知する真空装置であるヘリウムリークディテクタを使用したテスト方法である。ヘリウムリークディテクタとはヘリウムのみを検出できる分析管を備えた真空ポンプを含む真空装置である。

過去には真空ポンプを油回転ポンプを補助ポンプとした液体窒素によるコールドトラップを利用したポンプを使用することが多かったが、近年では運用コストがかかることや単体のコストが下がっていることからターボ分子ポンプを使用したヘリウムリークディテクタが主流となっている。

ヘリウムリークテストの種類

  • 真空吹き付け法
  • 外覆法(フード法、エンベロープ法ともいう)
  • スニファ法(吸い込み法)
  • 内部加圧-外部真空法

外部リンク

関連項目

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