リバティアイランド
リバティアイランド(欧字名:Liberty Island、2020年2月2日 - )は、日本の競走馬[1]。主な勝ち鞍は2022年の阪神ジュベナイルフィリーズ、2023年の桜花賞、優駿牝馬。
リバティアイランド | ||||||||||||
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2023年優駿牝馬(オークス) | ||||||||||||
欧字表記 | Liberty Island[1] | |||||||||||
品種 | サラブレッド[1] | |||||||||||
性別 | 牝[1] | |||||||||||
毛色 | 鹿毛[1] | |||||||||||
生誕 | 2020年2月2日(3歳)[1] | |||||||||||
父 | ドゥラメンテ[1] | |||||||||||
母 | ヤンキーローズ[1] | |||||||||||
母の父 | All American[1] | |||||||||||
生国 | 日本(北海道安平町)[1] | |||||||||||
生産者 | ノーザンファーム[1] | |||||||||||
馬主 | (有)サンデーレーシング[1] | |||||||||||
調教師 | 中内田充正(栗東)[1] | |||||||||||
競走成績 | ||||||||||||
タイトル | JRA賞最優秀2歳牝馬(2022年)[1] | |||||||||||
生涯成績 | 5戦4勝[1] | |||||||||||
獲得賞金 |
4億2947万2000円[1] (2023年5月21日現在) | |||||||||||
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馬名の意味は、アメリカ合衆国・アッパー・ニューヨーク湾の自由の女神像が建っている島(母・ヤンキーローズから連想)[2]。2022年のJRA賞最優秀2歳牝馬である。
戦績
2歳(2022年)
2022年7月30日新潟5レース(芝外1,600m)の新馬戦でデビュー。川田将雅を鞍上に据え、単勝2.1倍の1番人気に推される[3]。レースでは4角7番手から末脚を発揮、2着クルゼイロドスルに0.5秒、3馬身の着差をつけ勝利[4]。上がり3F (ゴールまでの600m) を31.4秒 (=68.8 km/h) というスピードで駆け抜けた。これはJRAで計測が始まって以降、同年5月の韋駄天ステークスでルッジェーロが記録したものと同じで、史上最速タイ記録である。レース後川田は「調教通りの内容でした。これからの成長が楽しみな1頭です」と期待をこめたコメントを残した[5]。
次戦は8月28日、新潟2歳ステークスとの報道もあったが[6]、10月29日アルテミスステークス (GIII)へ向かうこととなった[7]。 3枠3番に入り、単勝1.4倍の1番人気に支持された[8]。レースでは、中団で運び4コーナーで外に進路を取ろうとしたところで進路にフタをされ、上手く抜け出せず最後は外から勝ったラヴェルを猛追するものの2着に終わる[9][10]。
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2022 阪神ジュベナイルフィリーズ レース映像 jraofficial(JRA公式YouTubeチャンネル)による動画 |
3戦目に12月11日の阪神ジュベナイルフィリーズ (GI)をチョイス、アルテミスSを制したラヴェルのほかコスモス賞(OP)の勝ち馬モリアーナや札幌2歳ステークスの勝ち馬ドゥーラ、同2着馬ドゥアイズなどのライバルと一堂に会した中で、単勝2.6倍、3戦連続の1番人気に推される[11]。レースは前半半マイル (800m) 45.2秒の流れを9番手で進めると、最後の直線では大外を強襲[12]、上がり35.5秒で先行馬を交わし、4コーナーまでほぼ同じ位置にいた2着馬シンリョクカ(12番人気)に2馬身半 (0.4秒)の着差をつけてGI初制覇を果たした[13]。鞍上の川田は当レース初制覇で、朝日杯FS、ホープフルSと合わせ、史上3人目のJRA2歳G1完全制覇を達成[14]。レース後川田は「負けることはないなと思いました」「パドックからゲート裏まで集中力が増して、とてもいい雰囲気になったなと思っていました。何も言うことがないぐらい、いい走りでした」とコメントした。
- 2022年阪神JF
3歳(2023年)
1月10日、JRA賞が発表された。リバティアイランドは、最優秀2歳牝馬の選出にて288票を獲得。満票での選出となった[15]。1月20日、馬主のサンデーレーシングがホームページで、2023年初戦として牝馬クラシック1冠目で4月9日に行われる桜花賞へ直行することを発表した[16]。
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2023 桜花賞 レース映像 jraofficial(JRA公式YouTubeチャンネル)による動画 |
予定通り桜花賞へ出走。トライアルのチューリップ賞、フィリーズレビューをそれぞれ勝ったモズメイメイ、シングザットソングやチューリップ賞2着のコナコースト、同3着ペリファーニア、クイーンカップを勝ったハーパーなどが揃った中で、4ヶ月休養明けにも関わらず、単勝1.6倍と4戦連続の1番人気に推された[17]。レースではゲートでやや後手を踏んだため中団後方からの競馬となり、4コーナーではまだ16番手付近に位置していたが、直線では大外から上がり3F32.9秒の末脚を繰り出し2着コナコースト、3着ペリファーニアらを差し切り勝利した。鞍上の川田は前年にもスターズオンアースで桜花賞を制しており、史上6人目となる連覇。管理する中内田充正はクラシック競走初制覇となった[18]。
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2023 桜花賞 ジョッキーカメラ レース映像 jraofficial(JRA公式YouTubeチャンネル)による動画 |
同年春からJRAは、ジョッキーカメラを導入。桜花賞では、断然人気となったリバティアイランドに騎乗する川田のヘルメットに小型カメラが装着され、レース後、Youtubeにて収録された映像を公開した。ゴール後には「勝ったよ、ありがとう」や「お嬢さん、終わりです」などの声が収録されており、公開後3時間で再生数が20万回を突破、Twitterのトレンドに入るなど大きな反響を呼んだ[19]。
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2023 優駿牝馬 レース映像 jraofficial(JRA公式YouTubeチャンネル)による動画 |
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2023 優駿牝馬 ジョッキーカメラ レース映像 jraofficial(JRA公式YouTubeチャンネル)による動画 |
レース後放牧。その後4月29日に帰厩し、次走の優駿牝馬に向けて調整に入った。そして5月21日、予定通り出走。1.4倍という圧倒的な1番人気となった[20]。ゲート入りを落ち着いて進め、好スタート。後方に控える形となっていたこれまでのレースとは違い、前目からレースを運ぶ。1000m1分ちょうどのペースの中を6番手付近で追走。直線に向き、半ばで追い始めるとみるみる加速。先に抜け出したラヴェルを残り200mの標識を過ぎてからあっさり交わし去り、突き放して追い込むハーパー・ドゥーラの2着争いを尻目にゴール板を通過。後続には6馬身、1.0秒差がついていた。この着差は2012年、ジェンティルドンナが2着馬につけた5馬身差を超え、グレード制導入以降における当レース史上最大の着差[21]となった。
GI3勝目は、2022年スターズオンアースに続き2年連続史上17頭目の牝馬クラシック2冠達成。最優秀2歳牝馬の優駿牝馬制覇は史上13頭目。騎乗した川田はジェンティルドンナ以来10年ぶり当レース2勝目。管理する中内田は2000m以上のGI初制覇となった。レース後川田は、「リズム良く走ることができました」「2冠馬までなってくれたことをホっとしているし、強い姿をお見せできて誇らしげに思った」と語った。 [22][23][24][25][26]。
5月25日、JRAが優駿牝馬のレーティングを発表。120ポンドという数値を獲得し、2012年ジェンティルドンナ、2017年ソウルスターリング、2018年アーモンドアイ、2022年スターズオンアースの115ポンドを抜いてレース史上トップとなった。26日にノーザンファームしがらきへ放牧に出された。秋は秋華賞に向かい、そこで2020年デアリングタクト以来の牝馬三冠を目指すことも明言された[27]。
- 2023年桜花賞
- 2023年オークス口取り式
競走成績
以下の内容は、JBISサーチ[28]およびnetkeiba.com[29]の情報に基づく。
競走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離(馬場) | 頭 数 | 枠 番 | 馬 番 | オッズ (人気) | 着順 | タイム (上り3F) | 着差 | 騎手 | 斤量 [kg] | 1着馬(2着馬) | 馬体重 [kg] |
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2022. 7.30 | 新潟 | 2歳新馬 | 芝1600m(良) | 12 | 2 | 2 | 2.1 (1人) | 1着 | 1:35.8(31.4) | -0.5 | 川田将雅 | 54 | (クルゼイロドスル) | 464 | |
10.29 | 東京 | アルテミスS | GIII | 芝1600m(良) | 10 | 3 | 3 | 1.4 (1人) | 2着 | 1:33.9(33.3) | 0.1 | 川田将雅 | 54 | ラヴェル | 468 |
12.11 | 阪神 | 阪神JF | GI | 芝1600m(良) | 18 | 5 | 9 | 2.6 (1人) | 1着 | 1:33.1(35.5) | -0.4 | 川田将雅 | 54 | (シンリョクカ) | 462 |
2023. 4. 9 | 阪神 | 桜花賞 | GI | 芝1600m(良) | 18 | 2 | 3 | 1.6 (1人) | 1着 | 1:32.1(32.9) | -0.2 | 川田将雅 | 55 | (コナコースト) | 466 |
5.21 | 東京 | 優駿牝馬 | GI | 芝2400m(良) | 18 | 3 | 5 | 1.4 (1人) | 1着 | 2:23.1(34.0) | -1.0 | 川田将雅 | 55 | (ハーパー) | 466 |
- 競走成績は2023年5月21日現在
血統表
リバティアイランドの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | キングマンボ系 |
[§ 2] | ||
父 ドゥラメンテ 2012 鹿毛 |
父の父 キングカメハメハ2001 鹿毛 |
Kingmambo | Mr. Prospector | |
Miesque | ||||
*マンファス | *ラストタイクーン | |||
Pilot Bird | ||||
父の母 アドマイヤグルーヴ2000 鹿毛 |
*サンデーサイレンス | Halo | ||
Wishing Well | ||||
エアグルーヴ | *トニービン | |||
ダイナカール | ||||
母 *ヤンキーローズ Yankee Rose 2013 青鹿毛 |
All American 2005 黒鹿毛 |
Red Ransom | Roberto | |
*アラビアII | ||||
Milva | Strawberry Road | |||
Tersa | ||||
母の母 Condesaar2004 黒鹿毛 |
*ザール | Zafonic | ||
Monroe | ||||
Condescendance | El Gran Senor | |||
Condessa | ||||
母系(F-No.) | (FN:5-h) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Mr. Prospector 4×5 = 9.38%、Hail to Reason = 6.25% | [§ 4] | ||
出典 |
- 母ヤンキーローズは豪州産の競走馬で、豪G1のスプリングチャンピオンステークスとサイアーズプロデュースステークスを勝利している[32]。
- 3代母Condescendanceの半兄にビコーペガサス(京成杯、セントウルステークス)、半姉Valiraの孫にシンボリグラン(CBC賞)がいる。
- 父方の5代前トライマイベストと、母方の4代前El Gran Senorは全兄弟(父Northern Dancer×母Sex Appeal)。全兄弟を近親交配とするなら5×4となる。
脚注
注釈
出典
- "リバティアイランド". JBISサーチ. 日本軽種馬協会. 2023年5月21日閲覧。
- "競走馬情報 - リバティアイランド". 日本中央競馬会. 日本中央競馬会. 2023年5月22日閲覧。
- “2歳新馬|2022年7月30日 | 競馬データベース - netkeiba.com”. db.netkeiba.com. 2023年5月27日閲覧。
- "2歳新馬|2022年7月30日". netkeiba.com. ネットドリーマーズ. 30 July 2022. 2022年12月11日閲覧。
- “リバティアイランドJRA史上最速タイ上がり31秒4で快勝 川田騎手「成長が楽しみ」/新馬戦 - 2歳馬特集 | 競馬 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2023年5月27日閲覧。
- “【次走】リバティアイランドは新潟2歳Sへ 上がり3F31.4秒、JRA史上最速タイの鬼脚で新馬勝ち | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2023年5月27日閲覧。
- INC, SANKEI DIGITAL (2022年9月10日). “【2歳次走報】初戦圧勝のリバティアイランドはアルテミスSへ”. サンスポZBAT!. 2023年5月27日閲覧。
- “アルテミスステークス|2022年10月29日 | 競馬データベース - netkeiba.com”. db.netkeiba.com. 2023年5月27日閲覧。
- "第11回アルテミスステークス(G3)|2022年10月29日". netkeiba.com. ネットドリーマーズ. 29 October 2022. 2022年12月11日閲覧。
- “【アルテミスS】断然の1番人気リバティアイランドは猛追及ばず2着も 川田「能力の高さを確認できる内容でした」”. 東スポ競馬 (2022年10月29日). 2023年5月27日閲覧。
- “阪神ジュベナイルF|2022年12月11日 | 競馬データベース - netkeiba.com”. db.netkeiba.com. 2023年5月27日閲覧。
- “【阪神JF】1番人気リバティアイランドがG1初制覇/デイリースポーツ online”. デイリースポーツ online (2023年5月27日). 2023年5月27日閲覧。
- "阪神ジュベナイルF(G1) 結果・払戻 | 2022年12月11日 阪神11R レース情報". netkeiba.com. ネットドリーマーズ. 11 December 2022. 2022年12月11日閲覧。
- “【阪神JF】デビュー戦の衝撃再び リバティアイランド 剛脚2歳女王 - スポニチ Sponichi Annex ギャンブル”. スポニチ Sponichi Annex. 2023年5月27日閲覧。
- “【JRA賞】最優秀2歳牝馬は満票でリバティアイランドが選出 阪神JFを2馬身半差でV”. スポーツ報知 (2023年1月10日). 2023年5月27日閲覧。
- “【注目馬動向】昨年の最優秀2歳牝馬 リバティアイランドは引き続き、川田将雅騎手と桜花賞へ直行”. スポーツ報知 (2023年1月20日). 2023年5月27日閲覧。
- “桜花賞|2023年4月9日 | 競馬データベース - netkeiba.com”. db.netkeiba.com. 2023年5月27日閲覧。
- “【桜花賞】リバティアイランドに伝説の予感・・・豪脚一閃、異次元の末脚でまず「1冠」|極ウマ・プレミアム”. p.nikkansports.com. 2023年5月27日閲覧。
- “JRAが川田将雅騎手のジョッキーカメラ映像公開 リバティとの「会話」に3時間で再生回数20万超えの大反響”. スポーツ報知 (2023年4月9日). 2023年5月27日閲覧。
- “優駿牝馬|2023年5月21日 | 競馬データベース - netkeiba.com”. db.netkeiba.com. 2023年5月27日閲覧。
- グレード制導入以前では、1947年のトキツカゼが大差での勝利を記録している。
- "【オークス】リバティアイランド無敵2冠!! 6馬身差大楽勝に府中熱狂 G1は3連勝". スポーツニッポン. 21 May 2023. 2023年5月21日閲覧。
- "【オークス結果】リバティアイランドが6馬身差で圧勝2冠達成!". netkeiba.com. 21 May 2023. 2023年5月21日閲覧。
- "【オークス】リバティアイランドが堂々の牝馬2冠達成 桜花賞&オークス制覇は史上17頭目". スポーツ報知. 21 May 2023. 2023年5月21日閲覧。
- "【オークス】リバティアイランド17頭目の桜&樫2冠! 2着以下を寄せつけず6馬身差圧勝". 日刊スポーツ. 21 May 2023. 2023年5月21日閲覧。
- INC, SANKEI DIGITAL (2023年5月22日). “【オークス】リバティアイランド6馬身差衝撃V 秋は史上7頭目の3冠へ”. サンスポZBAT!. 2023年5月27日閲覧。
- “衝撃の6馬身差! リバティアイランド 樫レーティング歴代トップ - スポニチ Sponichi Annex ギャンブル”. スポニチ Sponichi Annex. 2023年5月27日閲覧。
- "リバティアイランド 競走成績". JBISサーチ. 日本軽種馬協会. 2023年5月21日閲覧。
- "リバティアイランドの競走成績". netkeiba.com. ネットドリーマーズ. 2023年5月21日閲覧。
- "血統情報:5代血統表|リバティアイランド". JBISサーチ. 日本軽種馬協会. 2022年12月11日閲覧。
- “リバティアイランドの血統表|競走馬データ”. netkeiba.com. ネットドリーマーズ. 2022年12月11日閲覧。
- "ヤンキーローズ(AUS)". JBISサーチ. 2022年12月11日閲覧。