リジェ・オートモーティブ

リジェ・オートモーティブLigier Automotive)は、様々な国際大会に出走するレーシングカーの設計・製造・販売を行なうフランスの会社である。

リジェ・オートモーティブ
業種 レーシングカー
コンストラクター
設立 2012年
創業者 ジャック・ニコレ
本社
主要人物
ニコラ・クレメンソン
親会社 エバースピード
ウェブサイト ligierautomotive.com/en/

前身のオンローク・オートモーティブは2012年ジャック・ニコレによって、彼のレーシングチームであるオーク・レーシングのレースカーの設計・製造・販売部門を独立会社として分社化する形で設立された[1]。オンロークはギ・リジェと合意を結んで、オンローク製の新しい開発車両の車名にリジェ(Ligier)の冠号を付けるようにした。

2018年12月、親会社エバースピードのブランド変更と再編成の一環として、名称をリジェ・オートモーティブに変更されることが発表された[2]

歴史

前身のオンローク・オートモーティブのルーツは、2007年ペスカロロ・スポールが設計したル・マン・プロトタイプペスカロロ・01の製造継続とオーク・レーシングとの共同開発をするという内容で、2009年12月にペスカロロ・スポールの製造部門をオーク・レーシングが引き継ぐ合意をした時点まで遡る。オーク・レーシングは当時「ソルニエ・レーシング」というチーム名であったが、2008年にペスカロロ製レースカーの顧客となり、ル・マン・シリーズに2台のレースカーを参戦させた[3]。ペスカロロ・スポールが管財人による管理下に置かれた時、オーク・レーシングが結局唯一の開発会社となり、そのレースカーは「 オーク・ペスカロロ (OAK-Pescarolo) 」の名で販売活動が行われた。

2012年に、新しく発効されるル・マン・プロトタイプのレギュレーションに合わせる為に、各チームは既存のレースカーを新設計の車に交換するか、レギュレーションに適合させた改良をチームが所有する車に施すか、いずれかの対応を求められることになった。オンロークは、既存のペスカロロのシャーシに新設計の開発を加えた車を作り、新レギュレーションに適合した車を求める他のチームに販売を実施した[1]。オンロークはモーガンと提携を結び、LMP1カーには「 オーク・ペスカロロ 」 の名前を保持しながら、新設計の異なるLMP2カーにモーガンの冠名を付け、「モーガン・LMP2」としてブランド化した[4]

2013年中に、オンロークは、グループCN用のプロトタイプレーシングカーのリジェ・JS 53の進化版の開発と販売を援助する提携をギ・リジェと結び、2014年にリジェ・JS 55の名で知られる運転席がクローズド・タイプの発展型を設計した[5][6]

この提携の合意は、2014年初頭にオンロークが設計して完全に独力で製造した新しいLMP2カーの命名権にも拡大されて適用され、その車両は「リジェ・JS P2」と名付けられた[5]。オンロークとリジェは、2015年ヨーロピアン・ル・マン・シリーズに新設されたLMP3クラス用の新シャシー 「リジェ・JS P3」をJS P2と合わせてサポートしている[7]

2016年10月、オンロークはアメリカのメーカーである、クロフォード・コンポジットのモータースポーツ部門を買収した[8]。これにより、ノースカロライナ州デンバーのクロフォード社が、北米でのリジェ・LMP2、DPi、LMP3、CNの活動の為のオンロークの米国工場として機能する。またクロフォードの既存のF4アメリカ選手権へのF4シャーシの供給も継続した。

2017年、国際自動車連盟(FIA)、フランス西部自動車クラブ(ACO)の新しい規制変更に備えて2016年に考案され、オンローク・オートモーティブは、まったく新しいシャーシをゼロから構築し、リジェ・JS P2の車のメカニズムの改善に重点を置いた、リジェ・JS P217を発表した。また国際モータースポーツ協会(IMSA)のユナイテッド・スポーツカー選手権用に作成されたDPi規定では日産とジョイントし、日産 DPiを製作した。

2018年、初となるフォーミュラカーフォーミュラ・リージョナル・アメリカズ選手権向けに、リジェ・JS F3を発表。また親会社の自動車資産のブランド変更と再編成の一環として、社名をリジェ・オートモーティブに変更。

2019年、2020年から導入される新たなLMP3規則に基づいて開発されたニューモデル、リジェ・JS P320を公開した[9]

2020年にはプジョーと提携し、プジョーが2022年よりFIA 世界耐久選手権(WEC)のLMHクラスに投入するプジョー・9X8の空力開発パートナーを務めている[10]。また2022年にはランボルギーニとの提携を発表し、2024年よりWEC及びウェザーテック・スポーツカー選手権に参戦するLMDhマシンを共同開発している。

製造モデル

脚注

  1. OAK Racing and Onroak Automotive, present the 2012 OAK-Pescarolo LMP2.”. Endurance-Info. 2015年2月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年12月19日閲覧。
  2. Dagys, John. Onroak Rebranded to Ligier Automotive – Sportscar365 (英語). sportscar365.com. 2019年1月2日閲覧。
  3. OAK Racing takes over as Pescarolo Sport constructor”. Endurance-Info (2009年12月9日). 2015年2月17日閲覧。
  4. Morgan Motor Company and OAK Racing join forces in endurance racing.”. Endurance-Info. 2015年2月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年1月16日閲覧。
  5. OnRoak, Ligier Announce Partnership”. Sportscar365 (2013年12月6日). 2015年2月17日閲覧。
  6. New Ligier sportscar hits the track”. Racecar Engineering (2014年3月7日). 2015年2月17日閲覧。
  7. Dagys, John (2015年2月2日). Onroak Announces Ligier JS P3 for LMP3”. Sportscar365. 2015年2月17日閲覧。
  8. Onroak Acquires Crawford’s Motorsports Division”. sportscar 365. 2016年10月28日閲覧。
  9. リジェ、2020年規定に対応した新型プロト『JS P320』発表。ニッサンV8搭載の次世代LMP3”. autosport web. 2019年6月5日閲覧。
  10. WEC:ハイパーカー計画を進めるプジョー、オレカに代わり『リジェ』と提携へ - オートスポーツ・2020年2月18日

外部リンク

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