ランボルギーニ・アヴェンタドールSVJ

ランボルギーニ・アヴェンタドールSVJLamborghini Aventador SVJ:Super Veloce Jota)は、イタリアの自動車メーカー、ランボルギーニが製造しているスーパーカーである。アヴェンタドールシリーズの高性能モデルとして発表された。

ランボルギーニ・アヴェンタドールSVJ
概要
製造国 イタリアの旗 イタリア
販売期間 2018年-2021年
ボディ
乗車定員 2人
ボディタイプ 2ドアクーペ
2ドアオープン
駆動方式 4WD
パワートレイン
エンジン 6.5L V型12気筒 DOHC 48バルブ
最高出力 566kW(770PS)/8,500rpm
最大トルク 720N·m(73.4kgf·m)/6,750rpm
変速機 ローンチコントロール付き7速セミAT
サスペンション
前後:プッシュロッド式ダブルウィッシュボーン
車両寸法
ホイールベース 2,700mm
全長 4,943mm
全幅 2,098mm
全高 1,136mm
車両重量 1,525kg(乾燥重量)、車検証記載1,820kg
その他
0−100加速 2.8秒
最高速度 350km
系譜
先代 アヴェンタドールS
後継 アヴェンタドール ウルティメ

クーペ900台、ロードスター800台の生産。クーペは全車売約済み。クーペ日本導入分は100台以上。また、クーペ、ロードスター各63台限定の「SVJ63」も発売され、両者共に全車売約済みである。日本にはクーペ仕様が少なくとも2台輸入されている。

発表当初はSVJが「ランボルギーニにとって最後のノンハイブリッドのV12気筒モデルである」という噂が流れた[1]。しかしその後、2019年10月にアヴェンタドールの最終モデル(ランボルギーニ・アヴェンタドール ウルティメ)を開発中であるという情報が報道された[1]

概要

リアビュー。リアウイング中央にALA用の電動フラップが格納される。

2018年のPebble Beach Concours d'Eleganceにて、アヴェンタドールSVの改良モデルとして発表された。SVに加えて「イオタ(Jota)」を表すJが加えられ、アヴェンタドールのハイパフォーマンスモデルであることを示す。

アヴェンタドールの全モデルを通して採用された6.5L「L539」V12エンジンには吸排気システムの改良が加えられ、最高出力770ps/8500rpmおよび最大トルク720N・m/6750rpmまで出力が高められた[2]。軽量化のためカーボン部品を積極的に使用し、また排気系をチタン材とした。その結果、アヴェンタドールSの車両重量1,575 kgに対して1,525kgまで軽量化され、パワーウェイトレシオは1.98kg/hpにまで到達した[2]

空力性能にも改良が加えられ、ウラカン・ペルフォルマンテでも採用された可変空力システム「エアロダイナミカ・ランボルギーニ・アッティーヴァ(ALA)」の改良版「ALA2.0」が搭載され、フロントスポイラー中央に電動フラップ、リアウイングの中央根元にエア吸入口と左右1枚ずつの電動フラップが設置される。加減速などの車両状態に応じてこれらのプラップの開閉度合いを調整することで、ドラッグ低減とダウンフォース向上を両立させる。さらに、コーナーリング中にリアフラップの開閉度合いを左右独立に調整することで、左右のタイヤにかかるダウンフォースとトラクションを可変させ、コーナリング性能を改善させる[3]。ALAはSVJの車両統合制御システム「ランボルギーニ・ディナミカ・ヴェイコロ・アッティーヴァ 2.0(LDVA 2.0)」により制御される。LDVAはパワートレイン、磁性流体サスペンション、4WS、スタビリティーコントロールといった全ての電子制御システムを制御しており、ALAはこれらのシステムと協調して最適な空力特性を得られるように制御される[3]。ALAに加え、フロントスプリッター、新開発の大型リアウイング、大型リアディフューザーなどがSVJに追加されたことで、ダウンフォースがSVから40%向上し、ドラッグ係数は1%低減された[2]。トランスミッションは7速ISR(ドライブ・セレクト・モードによって異なるシフト特性)[4]。オプションでホイールセンターロック式も有り。

2018年6月、SVJのプロトタイプがニュルブルクリンク北コースのタイムアタックを実施した。その結果991型ポルシェ・911GT2 RSが保有していた当時の北コース最速タイムを上回る「6:44.97」記録し、ニュル北コースの市販車最速タイムを更新した。ドライブはランボルギーニのテストドライバーであるマルコ・マペッリが担当し、タイヤはSVJのオプションとして選択可能なピレリ・P Zero トロフェオRを使用した[5]

SVJには通常の仕様の他に63台限定で生産される「SVJ63」が用意される。これはランボルギーニの創立年である1963年を記念したモデルで、限定のホワイトカラーとゼッケンナンバー「63」を模したリバリーが施される。[6]

SVJ ロードスター

SVJのロードスタータイプは2019年のジュネーブモーターショーで発表され、800台限定で生産された。カーボンファイバーの取り外し可能なハードトップを装備する。パワートレインはクーペと同一。

脚注

  1. ランボルギーニ最後のピュアV12...究極のアヴェンタドール、830馬力の「SVR」発表か!?”. Spyder7(スパイダーセブン). 2020年5月20日閲覧。
  2. ランボルギーニ、動力性能を追求した「アヴェンタドールSVJ」を発表 【ニュース】”. webCG. 2020年5月20日閲覧。
  3. ランボルギーニ・アヴェンタドールSVJクーペ(4WD/7AT)【海外試乗記】 究極のアヴェンタドール”. webCG. 2020年5月20日閲覧。
  4. Lamborghini Aventador SVJ”. Lamborghini.com. 2021年5月16日閲覧。
  5. Silvestro, Brian (2018年7月26日). Damn: Lamborghini Aventador SVJ Breaks Nurburgring Record With a 6:44.97 Lap (英語). Road & Track. 2020年5月20日閲覧。
  6. It's Finally Here! Record-Holding 770-HP Lamborghini Aventador SVJ Arrives With SVJ 63 Special (英語). CarBuzz (2018年8月24日). 2020年5月20日閲覧。

外部リンク


ランボルギーニ S.p.A. ロードカータイムライン 1962-
タイプ 1960年代 1970年代 1980年代 1990年代 2000年代 2010年代
456789 0123456789 0123456789 0123456789 0123456789 012345678
MR(含ミッドシップ4駆) V12 ミウラ カウンタック ディアブロ ムルシエラゴ アヴェンタドール アヴェンタドールS
イオタ レヴェントン ヴェネーノ チェンテナリオ
V8/V10 シルエット ジャルパ ガヤルド ウラカン
2+2 ウラッコ
FR GT 350GT
2+2 400GT イスレロ ハラマ
エスパーダ
クロスカントリー4WD
SUV
LM002 ウルス
オーナー
親会社
フェルッチオ・ランボルギーニ ロセッティ、
レイマー
イタリア政府管理下 ミムラン クライスラー メガテック Vパワー アウディ
試作レーシングカー: ランボルギーニ・イオタ(1969)、ランボルギーニ・ハラマRS(1973)、ランボルギーニ・ウラッコ・ラリー(1973)
コンセプトカー: ランボルギーニ・エストーケ(2008)、ランボルギーニ・エゴイスタ(2013)、ランボルギーニ・アステリオン(2014)、ランボルギーニ・テルツォ ミッレニオ(2017)
人物: フェルッチオ・ランボルギーニジャンパオロ・ダラーラマルチェロ・ガンディーニパオロ・スタンツァーニ
公式WEBサイト: Automobili Lamborghini Holding Spa
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