ラリー・ヤング (ミュージシャン)
ラリー・ヤング(Larry Young)もしくはハリド・ヤシン(Khalid Yasin、1940年10月7日 ニューアーク - 1978年3月30日 ニューヨーク)は、アメリカ合衆国のジャズ・キーボード奏者(オルガニストならびにピアニスト)。ソウル・ジャズ寄りのジミー・スミスとは対照的に、モーダル・ジャズの先駆者として知られるが、その実ソウル・ジャズも手懸けた。ジミ・ヘンドリックスとのジャム・セッションによってレコードを残したことから、ジャズ愛好家だけでなく、ロック愛好家にも名前が知られている。イスラム教に改宗してハリド・ヤシン・アブドゥル・アジズ(Khalid Yasin Abdul Aziz)に改名した。
ラリー・ヤング Larry Young | |
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別名 | Khalid Yasin |
生誕 | 1940年10月7日 |
出身地 | アメリカ合衆国 ニュージャージー州ニューアーク |
死没 | 1978年3月30日(37歳没) |
ジャンル | ジャズ、ソウル・ジャズ、ジャズ・ファンク、モーダル・ジャズ、フュージョン |
職業 | ミュージシャン、ソングライター |
担当楽器 | オルガン、ピアノ |
レーベル | ブルーノート |
略歴
1950年代にさまざまなリズム・アンド・ブルースのバンドと共演した後、ジミー・フォレストやルー・ドナルドソン、ケニー・ドーハム、ハンク・モブレイ、トミー・タレンタインとの共演でジャズの経験を積んだ。
1960年よりプレスティッジ・レーベルでリーダー・アルバムの録音を開始し、『テスティファイイング』や『ヤング・ブルース』、『グルーヴィー・ストリート』など多数のアルバムを作った。1964年にブルーノートに移籍した頃には、ジョン・コルトレーンの顕著な影響が見えるようになった。ヤングの最良の作品が作り出されたのもこの頃である。ギタリストのグラント・グリーンやドラマーのエルヴィン・ジョーンズとしばしばトリオを組んでおり、時にはその編成に多少の増員を行なった。このような手順を踏んだアルバムは、ほとんどがグリーンの名義で発表されたが、(サクソフォーンにサム・リヴァースを迎えた)アルバム『イントゥ・サムシン』は、ヤングのブルーノートにおけるデビュー盤となった。1965年に録音されたアルバム『ユニティ』は、ヤングの代表作であり、ジョー・ヘンダーソンや若き日のウディ・ショウを最前線に押し出している。
その後のブルーノートにおけるアルバム(『ラブ・アンド・ピース』『コントラスツ』『ヘヴン・オン・アース』『マザー・シップ』)は、1960年代のアヴァンギャルド・ジャズの要素を取り入れたり、ヤングの地元ニューアーク出身のミュージシャンを起用したりするなどしている。
その後、トニー・ウィリアムズのグループ、ライフタイムの『エマージェンシー!』に参加したり、ジョン・マクラフリンと共にマイルス・デイヴィスの『ビッチェズ・ブリュー』にも参加した。ジミ・ヘンドリックスと共演した音源は、ヘンドリックスの死後(1980年)にアルバム『ナイン・トゥ・ジ・ユニヴァース』中に「Young / Hendrix」として含まれている。
ラリー・ヤングに特徴的な響きは、ハモンドオルガンのストップに起因し、霊妙で幽玄な効果を生み出している。つまりこの音色こそ、主役にして背景なのである。
ディスコグラフィ
リーダー・アルバム
- 『テスティファイイング』 - Testifying (1960年、New Jazz)
- 『ヤング・ブルース』 - Young Blues (1960年、New Jazz)
- 『グルーヴィー・ストリート』 - Groove Street (1962年、Prestige)
- 『イントゥ・サムシン』 - Into Somethin' (1964年、Blue Note)
- 『ユニティ』 - Unity (1965年、Blue Note)
- 『ラブ・アンド・ピース』 - Of Love and Peace (1966年、Blue Note)
- 『コントラスツ』 - Contrasts (1967年、Blue Note)
- 『ヘヴン・オン・アース』 - Heaven on Earth (1968年、Blue Note)
- 『マザー・シップ』 - Mother Ship (1969年、Blue Note)
- 『ローレンス・オブ・ニューアーク』 - Lawrence of Newark (1973年、Perception)
- 『フューエル』 - Fuel (1975年、Arista)
- 『スペースボール』 - Spaceball (1976年、Arista)
- The Magician (1977年、Acanta/Bellaphon)
- 『イン・パリ:ORTFレコーディングス』 - Larry Young in Paris: The ORTF Sessions (2016年、Resonance) ※フランスのラジオのために1964年&1965年録音
参加アルバム
- Double Exposure (1978年、Muse)
- 『ビッチェズ・ブリュー』 - Bitches Brew (1969年、Columbia)
- 『ビッグ・ファン』 - Big Fun (1969年、Columbia) ※セッションのみ
ジミー・フォレスト
- Forrest Fire (1960年、New Jazz)
- 『トーキン・アバウト』 - Talkin' About! (1963年、Blue Note)
- 『ヒズ・マジェスティ、キング・ファンク』 - His Majesty King Funk (1965年、Verve)
- 『抱きしめたい』 - I Want to Hold Your Hand (1966年、Blue Note)
- 『ストリート・オブ・ドリームス』 - Street of Dreams (1967年、Blue Note) ※1964年録音
エタ・ジョーンズ
- Love Shout (1963年、Prestige)
- 『アイム・シューティング・ハイ』 - I'm Shooting High (1963年、Prestige)
- The Great Gildo (1964年、Prestige)
- 『ディボーション』 - Devotion (1970年、Douglas)
- 『魂の兄弟たち』 - Love Devotion Surrender (1972年、Columbia) ※with カルロス・サンタナ
- 『ガンボ!』 - Gumbo! (1963年、Prestige) ※1999年再発CD盤ボーナストラックのみ
- 『イン・ザ・ビギニング』 - In the Beginning (1965年、Muse)
ソーネル・シュワルツ & ビル・レスリー
- Soul Cookin' (1962年、Argo) ※「Lawrence Olds」名でクレジット
- Natural Soul (1968年、Prestige)
- 『エマージェンシー!』 - Emergency! (1969年、Polydor)
- 『ターン・イット・オーバー』 - Turn It Over (1970年、Polydor)
- 『エゴ』 - Ego (1971年、Polydor)
Love Cry Want (Nicholas/Gallivan/Young)
- Love Cry Want (1997年、Newjazz.com) ※1972年6月録音