ユーゴ型潜水艇
ユーゴ型潜水艇:SSM YUGO CLASS(ユーゴがたせんすいてい)は、北朝鮮で開発・生産された工作員潜搬入用潜水艇である。「ユーゴ」というNATOコードネームは、ユーゴスラビアで設計された説があるためである[3]。
ユーゴ型潜水艇 | |
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基本情報 | |
運用者 | 朝鮮人民軍偵察局? |
建造費 | 不明 |
建造期間 | 1960年代初期? - 1990年代半ば? |
就役期間 | 1960年代 – 現在? |
建造数 | 25隻程度 (うち鹵獲1隻) |
次級 | サンオ型潜水艦 |
要目 | |
排水量 |
水上: 90 t 水中: 110 t |
長さ | 20 m |
幅 | 3.1 m |
吃水 | 4.6 m |
推進器 |
電動機(出力2000 kW) 2基 ディーゼルエンジン(出力320 hp) 2基 |
速力 | 水上12ノット、水中8ノット |
乗員 | 4人 (さらに水中工作員6 - 7人)[1] |
兵装 | 406mm発射管 × 2門(予備魚雷は無)[2] |
レーダー | 捜索レーダー |
ソナー | パッシブソナー |
装備
魚雷発射管を装備しているが、予備魚雷のスペースが無いことなどからも魚雷攻撃は副次的なもので、司令塔に水密ハッチで閉じられる部屋があることから、専ら工作員の放出・回収が主任務だと考えられる。航法装置として搭載されたGPSをはじめ、艦内の機器の大半が日本製だったといわれている。
推進は大小の5翼スキュード/通常プロペラによる1軸推進である。
ユーゴ型潜水艇浸透事件
1998年6月22日、1隻のユーゴ型が大韓民国の東海岸に侵入を試みたところ、サンマ漁の網にかかり航行不能となっているのを漁師に目撃された。通報から約50分後、韓国海軍が駆けつけユーゴ型を包囲した。翌6月23日に韓国海軍警備艇が曳航して連行しようとしたところ、途中で沈没した。間もなく海中から引き揚げられて港に曳航され、韓国軍兵士がハッチをこじ開けて内部に突入したところ、乗員5名の射殺体と自決した4名の工作員、潜水服1着とAKM・RPG-7、そして金日成・主体思想を賛美する内容の書籍および遺書が発見された。捜査の結果、韓国国内の地下組織との埋没連絡を行うために工作員を韓国に送り込もうとして、失敗したものとみられている。工作員及び乗員は、漁師に目撃された直後に集団自決したとみられている。ユーゴ型に関する情報は、このとき捕獲されて、現在展示されている1隻からしか引き出すことができない。
保有国
- 朝鮮民主主義人民共和国 - 約20~25隻前後[4]
- ベトナム社会主義共和国 - 2隻
脚注
- 諸説あり、1998年に捕獲された時は乗組員5名と偵察局員4名の遺体を収容。
- 1998年に捕獲された時は発射口を溶接して使用不可能であった。
- 「世界の軍艦2010-2011」
- 『世界の艦船』第663集記載の「東シナ海をめぐるシーパワー 日中台韓朝5カ国の主要艦艇比較」では23隻。「世界の海軍2007-2008」では23隻。
参考文献
- 『世界の艦船』2006年9月号 第663集 海人社
- 「世界の海軍2007-2008」『世界の艦船』2007年4月号増刊 第673集 海人社
- 「世界の海軍2010-2011」『世界の艦船』2010年4月号増刊 第723集 海人社
外部リンク
- 朝鮮人民海軍-潜水艦/潜水艇(下)Yugo級潜水艇 - ウェイバックマシン(2004年2月25日アーカイブ分)
- 日本周辺国の軍事兵器-ユーゴ型潜水艇
- GlobalSecurity
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