鋤鼻器
鋤鼻器(じょびき、英語:vomeronasal organ)とは四肢動物が嗅上皮とは別に持つ嗅覚器官。ヤコブソン器官・ヤコプソン器官 (英語:Jacobson's organ) とも呼ばれる。開口位置は鼻腔内や口蓋などその生物群により異なる。
進化とその機能
嗅覚器官ではあるが、この器官からの信号は、嗅上皮から脳へ向かう嗅神経とは異なる神経経路により脳の副次臭葉に向かう。元々は口腔内の食物の臭いを感じる器官であったといわれている。
両生類
この器官が初めて現れたのは両生類であるとされている。有尾目では外鼻孔から内鼻孔へに続く鼻嚢に走る溝として現れる。これは鋤鼻器の原始的な形を表していると考えられている。無尾目、無足目ではその溝は鼻腔に開口する盲嚢状に変化している。どちらの場合も両生類の内鼻孔は口蓋に開くので口腔内の臭いを感じ取ることが出来る。
参考文献
- 日本獣医解剖学会編集 『獣医組織学 改訂第二版』 学窓社 2003年 ISBN 4873621135
- 獣医学大辞典編集委員会編集 『明解獣医学辞典』 チクサン出版 1991年 ISBN 4885006104
- A.S.ローマー, T.S.パーソンズ 『脊椎動物のからだ その比較解剖学』 法政大学出版局 1983年 ISBN 4588768018
- 疋田努 『爬虫類の進化』 東京大学出版会 2002年 ISBN 4130601792
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