ミスター・タンブリン・マン (バーズのアルバム)
『ミスター・タンブリン・マン』 (Mr. Tambourine Man) は、アメリカのロックバンド、ザ・バーズによるデビュー・スタジオ・アルバム。
『ミスター・タンブリン・マン』 『Mr. Tambourine Man』 | ||||
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ザ・バーズ の スタジオ・アルバム<meta itemprop='albumReleaseType' content='アルバム' /> | ||||
リリース | ||||
録音 | 1965年1月2日、3月8日〜4月22日 | |||
ジャンル | フォーク・ロック | |||
時間 | ||||
レーベル | コロムビア・レコード | |||
プロデュース | テリー・メルチャー | |||
ザ・バーズ アルバム 年表 | ||||
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『ミスター・タンブリン・マン』収録のシングル | ||||
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概要
1965年6月21日にコロムビア・レコードからリリースされた[1]。本作は、ジム・マッギンの[nb 1]リッケンバッカー12弦ギターによるバーズ特有のサウンドと、バンドの複雑なハーモニーが特徴である[2]。アルバムの素材は、主にボブ・ディランが作曲したフォーク・ソングのカバー・バージョンと、メンバーのジーン・クラークが書いた、または共作したオリジナルで構成されている[3]。ディランが書いた同名のシングルと同時に「ミスター・タンブリン・マン」はバンドを国際的に成功したミュージシャンとして確立し、ビートルズや他の英国の所謂ブリティッシュ・インヴェイジョンと呼ばれるバンドのチャート支配に対する最初の効果的なアメリカの挑戦を代表するものとして批評家から広く認められている[3]。
本作はビルボード・トップLPチャートで6位に達し、英国では7位に達した。どちらのチャートでも、バンドで最も成功したアルバムである[4][5]。シングル「ミスター・タンブリン・マン」は1965年4月にアルバムに先立ってリリースされ、ビルボード・ホット100とUKシングル・チャートで1位になった[5][6]。2枚目のシングル「オール・アイ・リアリー・ウォント・トゥ・ドゥ」もディランのカバーであり、アメリカではそこそこの成功を収めたが、イギリスの方が成功してトップ10入りした[5][6]。
1965年1月20日、バンドはハリウッドのコロムビア・レコーディング・スタジオに入り、当時未発表だったボブ・ディランの曲「ミスター・タンブリン・マン」をデビュー・シングルとして録音した。 レコード・プロデューサーのテリー・メルチャーは、バンドがまだ音楽的に完全に固まっていないと感じていたので、後にレッキング・クルーとして知られるLAのセッション・ミュージシャンのグループを連れてきて、シングルの音楽的な裏付けを提供した[7][8]。その結果、マッギンは「ミスター・タンブリン・マン」とクラークが書いたB面の「アイ・ニュー・アイド・ウォント・ユー」で楽器を演奏した唯一のメンバーだった[8]。このシングルは1965年4月にリリースされ、すぐにヒットし[9]、米国ビルボード・ホット 100チャートと英国シングル・チャートの両方で1位になった[6][5]。さらに、バーズとメルチャーが「ミスター・タンブリン・マン」に与えたエレクトリック・ロック・バンドの扱いは、フォーク・ロックの音楽サブジャンルのテンプレートを効果的に作成した[10][11]。
バンドの演奏能力はデビュー・シングルの録音後に改善されたが、コロムビアとバンドの経営陣の両方が、デビュー・アルバム全体がセッション・ミュージシャンで録音されると想定していた[12]。しかし、バンド・メンバーは、アルバムの楽器の伴奏を自分達で演奏することを許可する様に主張した[12]。アルバムのレコーディング・セッションが始まるまでに、メルチャーは、グループが充分なクオリティーのバッキングを制作できるようにサウンドを磨き上げたことに満足し、バーズはアルバムの残りの部分をスタジオ・ミュージシャンで無く、自分達でレコーディングすることを許可した[13]。しかし、本作については、すべての演奏がスタジオ・ミュージシャンによって行われたという噂が根強く広まっている(これは、「ミスター・タンブリン・マン」のシングルとアルバムとの混同によるものと思われる)[3]。クリス・ヒルマンはインタビューで、セッション・ミュージシャンをフィーチャーした2つのトラック ("Mr. Tambourine Man"と"I Knew I'd Want You") のより洗練されたサウンドと、アルバムの残りの部分のサウンドとのコントラストが非常に顕著であると述べている[14]。録音は1965年4月22日に完了した。
トラックリスト
CDライナー・ノーツおよびSo You Want To Be A Rock 'n' Roll Star: The Byrds Day-By-Day (1965-1973)からの適応[7]。トラック番号は、アルバムのCDおよびデジタル・リリースを示している。
# | タイトル | 作詞・作曲 | 時間 |
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1. | 「ミスター・タンブリン・マン」 | Bob Dylan | |
2. | 「すっきりしたぜ」 | Gene Clark | |
3. | 「スパニッシュ・ハーレム・インシデント」 | Bob Dylan | |
4. | 「もう泣かないで」 | Gene Clark, Jim McGuinn | |
5. | 「もう君はいない」 | Gene Clark | |
6. | 「リムニーのベル」 | Idris Davies, Pete Seeger | |
合計時間: |
# | タイトル | 作詞・作曲 | 時間 |
---|---|---|---|
1. | 「オール・アイ・リアリー・ウォント」 | Bob Dylan | |
2. | 「君はボクのもの」 | Gene Clark | |
3. | 「イッツ・ノー・ユース」 | Gene Clark, Jim McGuinn | |
4. | 「自信をもって」 | Jackie DeShannon | |
5. | 「自由の鐘」 | Bob Dylan | |
6. | 「また会いましょう」 | Ross Parker, Hughie Charles | |
合計時間: |
- Sides one and two were combined as tracks 1–12 on CD reissues.
# | タイトル | 作詞・作曲 | 時間 |
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13. | 「シー・ハズ・ア・ウェイ」 | Gene Clark | |
14. | 「すっきりしたぜ」(オルタネイト・ヴァージョン) | Gene Clark | |
15. | 「イッツ・ノー・ユース」(オルタネイト・ヴァージョン) | Jene Clark, Jim McGuinn | |
16. | 「もう泣かないで」(オルタネイト・ヴァージョン) | Jene Clark, Jim McGuinn | |
17. | 「オール・アイ・リアリー・ウォント」(シングル・ヴァージョン) | Bob Dylan | |
18. | 「君とボク」(インストゥルメンタル) | Gene Clark, Jim McGuinn, David Crosby |
レコーディング・メンバー
- バーズ
- ジム・マッギン - リードギター、ボーカル
- ジーン・クラーク - リズムギター、タンバリン、ボーカル
- デヴィッド・クロスビー - リズムギター、ボーカル
- クリス・ヒルマン - エレクトリックベース
- マイケル・クラーク - ドラムス
- サポート・ミュージシャン
- ジェリー・コール – リズム・ギター(tracks 1, 8)
- ラリー・ネクテル – エレクトリック・ベース(tracks 1, 8)
- レオン・ラッセル – エレクトリック・ピアノ(tracks 1, 8)
- ハル・ブレイン – ドラム(tracks 1, 8)
リリース履歴
日付 | ラベル | フォーマット | 国 | カタログ | ノート |
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1965年6月21日 | コロムビア・レコード | LP | アメリカ | CL 2372 | オリジナル・モノ・リリース。 |
CS 9172 | オリジナル・ステレオ・リリース。 | ||||
1965年8月20日 | CBS | LP | イギリス | BPG 62571 | オリジナル・モノ・リリース。 |
SBPG 62571 | オリジナル・ステレオ・リリース。 | ||||
1970年 | コロムビア・レコード | LP | アメリカ | 465566 1 | |
1974年 | Embassy | LP | イギリス | EMB 31057 | |
1974年 | CBS / Embassy | LP | イギリス | S 31503 | |
1975年 | CBS | LP | イギリス | S 33645 | 2ndアルバムとのダブル・アルバム・ステレオ・リイシュー |
1987年 | コロムビア・レコード | アメリカ | CK9172 | オリジナルCD発売。 | |
1989年 | CBS | CD | ヨーロッパ | 465566 2 | |
1993年 | コロムビア・レコード | CD | イギリス | COL 468015 | |
1996年4月30日 | コロンビア / レガシー | CD | アメリカ | CK 64845 | 部分的にリミックスされたステレオ・アルバムと6つのボーナス・トラック。 |
1996年5月6日 | イギリス | COL 483705 | |||
1999年 | Simply Vinyl | LP | イギリス | SVLP 0032 | 部分的にリミックスされたステレオ・アルバムの再発。 |
2003年 | ソニー | CD | 日本 | MHCP 66 | ボーナス・トラック6曲と部分的にリミックスされたステレオ・アルバムをレプリカLPスリーブに収めた再発盤。 |
2004年 | ソニー / BMG | CD | イギリス | 4837055003 | 6つのボーナス・トラックと部分的にリミックスされたステレオ・アルバムを含むVinyl Classicsのリイシュー。 |
2006年2月7日 | コロンビア / モバイル・フィデリティ・サウンド・ラボ | SACD (ハイブリッド) | アメリカ | UDSACD 2014 | モノ・アルバムとステレオ・ボーナス・トラックの再発売。 |
2006年2月21日 | サンデイズ | LP | アメリカ | LP5197 | オリジナル・モノ・リリースの復刻版。 |
2009年2月10日 | ソニー / コロンビア | CD | アメリカ | 743323 | 『ロデオの恋人』CD2枚が再発売され、6つのボーナス・トラックと部分的にリミックスされたステレオ・アルバムが含まれる。 |
脚注
- Rogan, Johnny (1998). The Byrds: Timeless Flight Revisited (2nd ed.). Rogan House. p. 545. ISBN 0-9529540-1-X
- Unterberger. “Mr. Tambourine Man album review”. AllMusic. Rovi Corp. 2009年9月21日閲覧。
- Unterberger. “The Byrds Biography”. AllMusic. Rovi Corp. 2009年11月2日閲覧。
- Whitburn, Joel (2002). Top Pop Albums 1955-2001. Record Research Inc. p. 121. ISBN 0-89820-147-0
- Brown, Tony (2000). The Complete Book Of The British Charts. London: Omnibus Press. p. 130. ISBN 0-7119-7670-8
- Whitburn, Joel (2008). Top Pop Singles 1955-2006. Record Research Inc. p. 130. ISBN 978-0-89820-172-7
- Hjort, Christopher (2008). So You Want To Be A Rock 'n' Roll Star: The Byrds Day-By-Day (1965-1973). Jawbone Press. pp. 24–31. ISBN 978-1-906002-15-2Hjort, Christopher (2008). So You Want To Be A Rock 'n' Roll Star: The Byrds Day-By-Day (1965-1973). Jawbone Press. pp. 24–31. ISBN 978-1-906002-15-2.
- Einarson, John (2005). Mr. Tambourine Man: The Life and Legacy of the Byrds' Gene Clark. Backbeat Books. pp. 56–57. ISBN 0-87930-793-5
- Maury, Dean (2003). Rock 'n' Roll Gold Rush: A Singles Un-Cyclopedia. Algora Publishing. p. 200. ISBN 0-87586-207-1
- Hoffman, Frank (2004). Encyclopedia of Recorded Sound (2nd ed.). Routledge. p. 148. ISBN 0-415-93835-X
- Unterberger. “Folk Rock: An Overview”. Richieunterberger.com. 2010年3月15日閲覧。
- Roagn, Johnny (1998). The Byrds: Timeless Flight Revisited (2nd ed.). Rogan House. pp. 74–75. ISBN 0-9529540-1-X
- Rogan, Johnny (1998). The Byrds: Timeless Flight Revisited (2nd ed.). Rogan House. p. 618. ISBN 0-9529540-1-X
- “Chris Hillman Interview”. Richie Unterberger's Unknown Legends. Laughing Squid. 2009年9月21日閲覧。
nb
- Roger McGuinn was born James Joseph McGuinn III and initially used the name Jim McGuinn in his professional music career. He changed his first name to Roger in 1967, during his involvement with Subud, an international spiritual movement.
外部リンク
- The-Byrds-Mr-Tambourine-Man - Discogs (発売一覧)