マヌエル・チャー

マヌエル・チャーManuel Charr1984年10月10日 - )は、ドイツプロボクサー。本名はマムード・オメイラ・チャーMahmoud Omeirat Charr)。レバノン出身。シリア国籍。元WBA世界ヘビー級レギュラー王者。

マヌエル・チャー
基本情報
本名 マムード・オメイラ・チャー
通称 Diamond Boy(ダイヤモンド・ボーイ)
Uncle Sam
階級 ヘビー級
身長 192cm
国籍 シリアの旗 シリア
ドイツの旗 ドイツ
誕生日 (1984-10-10) 1984年10月10日(38歳)
出身地 レバノンベイルート
スタイル オーソドックス
プロボクシング戦績
総試合数 37
勝ち 33
KO勝ち 19
敗け 4

来歴

レバノンシリア人の父親とレバノン人の母親との間に生まれた。父親はレバノンの内戦で亡くなっている。5歳の時に家族でドイツへ移住した。

ムエタイとアマチュア時代

チャーは17歳でムエタイを始め、それと並行してボクシングも始めた。2003年にムエタイのドイツ王者、2005年にタイ式ボクシングの世界王者、キックボクシングのヨーロッパ王者になっている。アマチュアボクシングではドイツの国内地区タイトル獲得の実績を残し、ザウアーランド・イベントのヘッドトレーナーのウィル・ウェグナーの目に留まりザウアーラント・イベントと契約を結びプロボクシングに転向した。

プロボクシング時代

2005年5月14日、プロボクシングデビュー戦を4回判定勝利で飾る。

2012年7月14日のデビッド・ヘイVSデレック・チゾラの試合後の会見に乱入してヘイに対戦を要求した。

2012年9月8日、モスクワWBC世界ヘビー級王者ビタリ・クリチコと対戦するも4回2分9秒TKO負けを喫した[1][2][3]。クリチコはウクライナ議会議員選挙に立候補するためこの試合を最後に引退した[4]

2013年6月19日、マンチェスターマンチェスター・アリーナで一回流れたデビッド・ヘイとの対戦が計画されたが[5]、ヘイが手を怪我した為に延期になり、最終的にヘイが対戦相手をタイソン・フューリーに変更したため対戦は実現しなかった。

2015年9月2日、エッセのショッピングモールのフードコートで友人でラッパーキー・ワンと食事をしている最中に、チャーとインターネット上で言い合いをしていた人物に腹部を4発撃たれ一時重体に陥る重傷を負った[6]

2017年11月25日、オーバーハウゼンケーニッヒ・ピルスナー・アレーナでWBA世界ヘビー級2位のアレクサンダー・ウスティノフとWBA世界ヘビー級レギュラー王座決定戦を行い、12回3-0(115-111、116-111、115-112)の判定勝ちを収め、ドイツ人でマックス・シュメリング以来85年振りとなるヘビー級世界王座獲得に成功した[7][8][9]

2018年9月20日、VADAにより8月31日に実施されたドーピング検査で採取されたチャーの尿サンプルから二種類のアナボリックステロイド(エピトレンボロンとドロスタノロン)の陽性反応が検出されたことが公表された。この為、9月29日にケルンで行われる予定だったフェリス・オケンドとの初防衛戦は中止された[10][11]

2018年11月14日、WBAはチャーに6ヶ月間の資格停止処分を下すも、Bサンプルの検査の際にミスでチャー側の人間を立ち会わせなかった規約違反が起きた為に、WBA世界ヘビー級王座は剥奪しないことを決定した[12]

2019年1月21日、WBAがチャーの資格停止処分を取りやめ、チャーとフェリス・オケンドに60日以内に指名試合で対戦し、その勝者がさらに暫定王者トレバー・ブライアンVSジャレル・ミラーの勝者と対戦するよう指令を出した[13]

2019年2月19日、ミュンヘンで4月6日に開催されることで内定していたフェリス・オケンドとの指名試合が、オケンドが期限までに試合契約書にサインをしなかったため中止になった[14]

その後、暫定王者トレバー・ブライアンとの間で行われるはずだった団体内王座統一戦の交渉がまとまらなかったことで、2020年3月2日にレギュラー王者マヌエル・チャーと暫定王者トレバー・ブライアンとの間で入札が行われ、ブライアンを擁するドン・キング・プロダクションが200万ドルで落札した。チャーを擁するダイヤモンド・プロモーションズとSESスポーツの連合が提示したのは120万ドルだった[15]

2021年1月29日、フロリダ州ハリウッドのセミノール・ハード・ロック・ホテル・カジノで、暫定王者トレバー・ブライアンと団体内王座統一戦を行う予定になっていたが契約問題から中止になり、WBAは、2017年11月25日以来、約3年2カ月間試合をしていなかったチャーをレギュラー王者から休養王者へ降格した[16][17]

2021年5月15日、約3年6カ月ぶりに試合を行い、ケルンのボックス・ジムでクリストファー・ラブジョイと対戦し、2回KO勝ち。

2021年8月10日、チャーが、プロモーターのドン・キング、ドン・キング・プロモーション、自身の共同プロモーターであるエピック・スポーツなどに対して、4,575,000ドルの損害賠償を求めて米国地方裁判所に提訴した[18]

獲得タイトル

  • WBCインターナショナルヘビー級シルバー王座
  • WBCバルチックヘビー級王座
  • WBC地中海ヘビー級王座
  • CISBBヘビー級王座
  • WBAインターナショナルヘビー級王座
  • WBA世界ヘビー級レギュラー王座(防衛0=休養王座に認定)
  • WBA世界ヘビー級休養王座(防衛0=剥奪)

脚注

  1. クリチコTKOで9度目防衛 日刊スポーツ 2012年9月8日
  2. Vitali Klitschko beats Manuel Charr in four rounds BBC 2012年9月8日
  3. Vitali Klitschko beats Manuel Charr in four rounds BBC 2012年9月8日
  4. クリチコ有終防衛!議員選へ 日刊スポーツ 2012年9月10日
  5. David Haye to fight Manuel Charr at Manchester Arena in June BBC 2013年4月28日
  6. Manuel Charr hospitalised after being shot BOXINGNEWS 2015年9月2日
  7. Charr beats Ustinov for WBA heavyweight title Fightnews.com 2017年11月25日
  8. Manuel Charr, new WBA Heavyweight champion WBA公式サイト 2017年11月26日
  9. チャーがWBAヘビー級正規王者、ガンボアが辛勝 Boxing News(ボクシングニュース) 2017年11月26日
  10. Manuel Charr tests positive for two banned substances”. ESPN.com (2018年9月20日). 2018年10月8日閲覧。
  11. WBAヘビー級王者にドーピング疑惑、ベルト剥奪の見込み”. AFPBB News (2018年9月21日). 2018年10月8日閲覧。
  12. WBA Won't Strip Charr; Miller-Dinu Unlikely To Be Title Fight”. Boxing Scene.com (2018年11月14日). 2019年1月6日閲覧。
  13. Manuel Charr ordered to make mandatory defense against Fres Oquendo”. ESPN.com (2019年1月23日). 2019年2月21日閲覧。
  14. Manuel Charr vs. Fres Oquendo canceled with contract unsigned”. ESPN.com (2019年2月19日). 2019年2月21日閲覧。
  15. Manuel Charr vs. Trevor Bryan: Don King Wins Purse Bid BoxingScene.com 2020年3月2日
  16. Charr-Bryan Off, Don King Plans To Still Proceed With Jan. 29 Show In Florida”. Boxing Scene.com (2021年1月27日). 2021年2月9日閲覧。
  17. Bryan-Stiverne Title Status and Weigh-In Report From Hollywood, Florida”. Boxing Scene.com (2021年1月29日). 2021年2月9日閲覧。
  18. Mahmoud Charr Lodges Multi-Million Dollar Lawsuit Against Don King”. Boxing Scene.com (2021年8月10日). 2021年9月12日閲覧。

関連項目

外部リンク

空位
前タイトル保持者
ルスラン・チャガエフ
WBA世界ヘビー級王者

正規:2017年11月25日 - 2021年1月29日
休養:2021年1月29日 - 2022年1月1日(剥奪)

空位
次タイトル獲得者
トレバー・ブライアン
This article is issued from Wikipedia. The text is licensed under Creative Commons - Attribution - Sharealike. Additional terms may apply for the media files.