マイルドヤンキー

マイルドヤンキーとは、従来のヤンキー程の攻撃性違法性はなく、マイルドの名が示す通り本物の不良にもなり切れない層[1]のことで、マーケティングアナリスト原田曜平博報堂 ブランドデザイン 若者研究所)が、2014年1月に定義した概念。 地元指向が強く、内向的、上昇志向が低い、などの特徴が見られるが、これらに対し「地方のリアルにすぎない」とされる意見もある。

特徴

原田説

ショッピングモール

提唱者の原田は2014年5月12日放送のNHK「NHKニュースおはよう日本」にVTR出演した際、マイルドヤンキーに多い傾向として以下を挙げた[2]

原田曜平、「NHKニュースおはよう日本」2014年5月12日出演時フリップボード

マイルドヤンキーが政治的にも保守層でヘイトスピーチの担い手というような言説があるが、原田によるとそういう意味での保守層ではないということである[1]

芝山説

一方、不動産投資家芝山元は2014年3月21日のブログで、原田説のほか当時の風潮・風説を総括して以下のように述べている[3]

  • タトゥーや刺青が体に入っている
  • メッチャ有名な話し=自分の知り合いの3.4人が 認知
  • 口癖「ちばくぞ」
  • 生まれ育った地元指向が非常に強い(パラサイト率も高い)
  • 変化を嫌がる
  • 郊外や地方都市に在住(車社会)
  • 内向的で、上昇指向が低い(非常に保守的)
  • 低学歴で低収入
  • 人生の9割地元
  • 生活スタイル昭和
  • ITへの関心やスキルが低い
  • 遠出を嫌い、生活も遊びも地元で済ませたい
  • 近くにあって、なんでも揃うイオンSCは夢の国
  • 小中学時代からの友人たちと「永遠に続く日常」を夢見る
  • できちゃった結婚比率も高く、子供にキラキラネームをつける傾向
  • 喫煙率や飲酒率が高い
芝山元、「マイルドヤンキー賞賛とその先にあるもの、、、」2014年3月21日

反論

作家の堀田純司は、隠然たる「日本のリアル」を東京の視線が勝手に見失い、勝手に再発見した気になっていると違和感を表明し、「クール・ジャパン」同様の胡散臭さがあると論じている[4]。また、東京・山の手エリートが地方を見下してるだけとの指摘もある[5]

特徴の項にあるような傾向を持つ層の存在を認めつつ、その全てが当てはまる人物は決して多数派ではないこと、そして未来は地方の「マイルドヤンキー」層と都会のエリート層で二極化するという予想には慎重な立場を取った意見などが『普通の未来(さそねっと)』というブログマガジンで紹介されている[6]

脚注

  1. マイルドヤンキーは政治的保守層ではない—『ヤンキー経済』著者・原田 曜平氏に聞く - ニッポンドットコム(2014.07.17)2019年1月11日閲覧
  2. いまや若者の一大勢力? マイルドヤンキーとは”. NHKニュース おはよう日本 (2014年5月12日). 2016年3月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年7月10日閲覧。
  3. 芝山元 (2014年3月21日). マイルドヤンキー賞賛とその先にあるもの、、、”. ハフィントン・ポスト日本版. 2014年6月10日閲覧。
  4. 「マイルドヤンキー」論への違和感 “再発見”する東京の視線と、大きな物語なき後のなにかITmedia 2014年05月23日
  5. マイルドヤンキー論は薄っぺらで山手線内側のエリートが地方を見下してる感タップリ!BLOGOS、韋駄天太助 2014年06月02日
  6. 【馬】マイルドヤンキー論の限界と使い方、提供:株式会社産業創出ネットワーク 2014-03-21 00:00

関連文献

  • 原田曜平『ヤンキー経済 消費社会の主役・新保守層の正体』幻冬舎2014年、ISBN 978-4-3449-8336-6。
  • 『若い家族、都心より地元 「コンシューマーX」の実像』日本経済新聞2014年7月27日

関連項目

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