ヘラクレス・アンド・ラヴ・アフェア

ヘラクレス・アンド・ラヴ・アフェア (Hercules and Love Affair、ハーキュリーズ・アンド・ラヴ・アフェア) は、アメリカ合衆国DJ アンディー・バトラーAndy Butler)による音楽プロジェクト。パフォーマーやミュージシャンで構成された流動的なバンドで、ハウスディスコニューディスコテクノダンス・パンクなどを演奏している。

ヘラクレス・アンド・ラヴ・アフェア
Hercules and Love Affair
Hercules and Love Affair 2012年
基本情報
出身地 アメリカ合衆国
ジャンル ディスコ
ハウス
ニューディスコ
ダンス・パンク
活動期間 2004年 - 現在
レーベル DFAレコーズ
モシモシ・レコーズ
アトランティック・レコード
公式サイト herculesandloveaffair.net
メンバー Andy Butler
Rouge Mary
Gustaph

元々はニューヨークのアンダーグラウンドなゲイ・ハウス・シーンを根城に活動していたが、現在はベルギーヘントを拠点に活動している。アンディ・バトラーがAnohniとコラボしたヒットシングル「Blind」をプロデュースしたことがきっかけでヘラクレス・アンド・ラヴ・アフェアとしての活動を始めた[1][2]

来歴

ライブでのアンディー・バトラー(2014年)

アンディー・バトラー(Andy Butler)ことアンドリュー・バトラー(Andrew Butler)はコロラド州デンバーで生まれ育った。音楽に興味を持った彼はピアノを弾き、13歳からクラシックの曲を作曲し始めた[3]。アンディー・バトラーはYazooというバンドのレコードを購入したことをきっかけにダンスミュージックに傾倒するようになる[4]。15歳で初めてDJセットを披露し、ナイトクラブに通うようになる。アンディーは「ナイトクラブでは、自分を表現したり、家のように厳しく裁かれたりしない自由がたくさんあったんだ。僕はゲイであり、ある種の葛藤を抱えて育ってきたからこそ、僕には語るべき物語があるんだ」と述べている[5]

1990年代後半、バトラーはサラ・ローレンス大学に通うためにニューヨークに移り住んだ。そこでミュージシャンのアノーニ(当時は彼女の生名であるアントニー・ヘガティで活動していた)と親交を深め、2004年にバトラーが書いた「Blind」というタイトルの曲で彼女にヴォーカルを依頼した[6]

2007年、アノーニ(Anohni)がアントニー・アンド・ザ・ジョンソンズマーキュリー賞を受賞した後、バトラーは「Blind」のデモを聞かせ、リリースすることに合意した[7]。 バトラーはHercules and Love Affair名義でリリースすることにしたが、これは彼のグレコローマン神話への関心を反映したもので、HerculesとHylasとの「愛の情事」に言及しているからであった。バトラーは「ヘラクレスはボーイフレンドを探して島に滞在しました。地球上で最も強い男が、最も傷つきやすい時に失くした愛を探しているのです。強い男は強い感情を持つことができます。そして、彼らはその感情を経験し、痛みを経験し、痛みを表現し、ゲイであることができるのです」と述べている[8]2008年DFA Recordsからシングル「Blind」がリリースされ、批評家から絶賛された。音楽メディアピッチフォークメディアは年間ベストトラックに選んだ[9]

ライブでのヘラクレス・アンド・ラヴ・アフェア(2008年)

アンディー・バトラーはヘラクレス・アンド・ラヴ・アフェアを継続的な音楽プロジェクトにすることを決意し、パフォーマーやミュージシャンによる楽曲をリリースすることを表明した[10]2008年3月にデビューアルバム『Hercules and Love Affair』をリリースする。2008年5月17日、ニューヨーク・ブルックリンのスタジオBでのライブを皮切りに、欧米ツアーを行った[11]2010年にはロンドンのLovebox Festivalに出演した際にはヴォーグの取材を受けた[12]。1年間のツアーを経て、バトラーはレコード会社と別れ、故郷のデンバーに戻ってきた。

2011年モシモシ・レコーズから2ndアルバム『Blue Songs』をリリースした。メイン・ボーカルにショーン・ライト(Shaun Wright)とアエレーア・ネグロ(Aerea Negrot)を迎えた。楽曲「Step Up」には、Bloc Partyケリー・オケレケがゲスト・ヴォーカルとして参加している[13]。バンドの成功のストレスとプレッシャーの結果、バトラーはドラッグを多用するようになり、麻薬を断つためにニューヨークからオーストリアウィーンに移住した[14]

2012年8月、ロンドンのサウスバンクセンターで開催されたMeltdown Festival(アノーニがキュレーションを担当)に出演した。「Blind」のパフォーマンスではアノーニがヴォーカルとして参加し、ライブでの初共演となった。

2014年5月、3作目のアルバム『The Feast of the Broken Heart』がモシモシ・レコーズからリリースされた[15]。このアルバムについてバトラーは「意地悪なベースライン、嵐のように荒々しく、血走ったような目をしたサウンド、燃えるように荒々しく、タフでボロボロのオールドスクールハウスのプロダクションで、テクノのようなサウンドが欲しかった」と述べている[16]

2017年2月、The Horrorsのファリス・バドワンをフィーチャーしたシングル「Controller」をリリースした。9月1日アトランティック・レコードから4作目のアルバム『Omnion』をリリースした[17]。タイトル・トラックにはSharon Van Ettenが参加した[18]

メンバー

現メンバー

  • Andy Butler
  • Rouge Mary
  • Gustaph

旧メンバー

  • DJ Whitney Fierce
  • Kim Ann Foxman
  • Mark Pistel
  • Aérea Negrot
  • Shaun Wright
  • Nomi Ruiz
  • Anohni
  • Morgan Wiley
  • Andrew Raposo
  • Jason Disu
  • Carter Yasutake
  • Guy Licata

ディスコグラフィ

アルバム

DJミックス

  • Sidetracked (2009, Renaissance Recordings)
  • DJ-Kicks (2012, !K7 Records)

受賞歴

脚注

  1. Dale Eisinger (2017年2月8日). Hercules and Love Affair - Controller”. Spin. 2017年3月8日閲覧。
  2. Paul Lester (2008年1月8日). New band of the day: No 251: Hercules and Love Affair”. The Guardian. 2015年10月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年1月4日閲覧。
  3. Elizabeth Day (2011年1月30日). Hercules and Love Affair: 'Sometimes we feel like a basket of everybody's fears'”. The Observer. 2014年4月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年1月4日閲覧。
  4. Elizabeth Day (2011年1月30日). Hercules and Love Affair: 'Sometimes we feel like a basket of everybody's fears'”. The Observer. 2014年4月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年1月4日閲覧。
  5. Elizabeth Day (2011年1月30日). Hercules and Love Affair: 'Sometimes we feel like a basket of everybody's fears'”. The Observer. 2014年4月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年1月4日閲覧。
  6. Hua Hsu (2008年6月22日). Party Titans, Updating Disco's Sound”. The New York Times. 2016年1月4日閲覧。
  7. Hua Hsu (2008年6月22日). Party Titans, Updating Disco's Sound”. The New York Times. 2016年1月4日閲覧。
  8. Hua Hsu (2008年6月22日). Party Titans, Updating Disco's Sound”. The New York Times. 2016年1月4日閲覧。
  9. RA Poll: Top 30 tracks of 2008”. Resident Advisor (2008年12月22日). 2016年1月4日閲覧。
  10. Max Willens (2009年6月30日). Hercules and Love Affair's Andy Butler on His Sidetracked Mix and Hercules' New Record”. Village Voice. 2016年1月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年1月4日閲覧。
  11. Hercules & Love Affair @ Studio B, NYC (pics) & Tour Dates”. Brooklyn Vegan (2008年5月9日). 2015年9月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年1月4日閲覧。
  12. A Fashion And Music Lovebox – Exclusives – Vogue TV”. 2010年7月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年7月22日閲覧。
  13. Adam Bychawski (2010年10月12日). Kele Okereke features on new Hercules And Love Affair album”. NME. 2015年4月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年1月4日閲覧。
  14. David Whitehouse (2014年5月24日). Hercules And Love Affair's Andy Butler and John Grant: making music mined in the soul”. The Guardian. 2014年9月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年1月4日閲覧。
  15. Hercules & Love Affair announce new album 'The Feast Of The Broken Heart'”. NME (2014年3月4日). 2015年4月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年1月4日閲覧。
  16. Hercules & Love Affair announce new album 'The Feast Of The Broken Heart'”. NME (2014年3月4日). 2015年4月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年1月4日閲覧。
  17. Myles Tanzer (2017年2月8日). Hercules and Love Affair Announce New Album”. Fader. 2017年3月15日閲覧。
  18. “Hercules and Love Affair - Omniom | Rocktails Musica Online” (スペイン語). Rocktails. (2011年10月1日). http://www.rocktails.tv/musica/herculesloveaffair/omnion 2017年10月4日閲覧。

外部リンク

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