ブラッド・ソード

ブラッド・ソード』(Blood Sword)は、デイブ・モリスオリバー・ジョンソンによるゲームブック作品である。パラグラフの選択でストーリーが進むというゲームブックの体裁を取っているが、それぞれ違う役割を持った複数のキャラクターが登場し、多人数でパーティーを組んでプレイできるところなどテーブルトークRPG (TRPG) の色合いが濃い。

1980年代後半に、Knight Books より全5巻が出版された。日本では大出健の翻訳が富士見書房より発行されたが(刊行レーベルは富士見ドラゴンブック)、最終巻のみ訳されていない。

その後、2010年代に、Fabled Lands Publishingよりペーパーバック版が表紙を新装される形で再発行されている。英語の小説(未訳)も存在しており、根強い人気があるゲームブック作品である。

イラストはラス・ニコルソン(全巻)、日本語翻訳のカバーイラストは小林治(1~4巻)が描いている。

英語版記事も参照(en: Blood Sword (gamebook series))

システム

ブラッド・ソードには他のゲームブックにはあまり見られないシステムがいくつか採用されている。これらのシステムは、TRPGではよくみられるものである。

使用するダイスは6面ダイスのみであるが、多数のダイスを振ることもある。

キャラクターの能力値と成長

キャラクターは四つの能力値であらわされる。

戦闘力
キャラクターの戦闘技術をあらわす。主に敵への物理的な攻撃の成功率に影響する。
精神力
主にキャラクターの敵からの精神魔法や精神攻撃への抵抗力。魔術師の場合は、魔法をかける能力をあらわす。
機敏度
主に動作の機敏さ、器用さ、機転をきかす能力をあらわす。
生命力
キャラクターの生命力を示す。傷を受けることで、生命力が減っていき、ゼロになると、そのキャラクターは死んだことになる。回復魔法や薬によって、生命力を増やすことができるが、初期の数値より上になることはない。

また、これ以外にもキャラクターの技術と力量を表す「経験点」と、キャラクターの成長度合いを示す「ランク」が存在する。経験点を250点得るとキャラクターのランクが一つ上昇し、それにともない戦闘力・精神力・機敏度が時々、上昇する。生命力は、戦士と盗賊はランクに6をかけた数値、僧侶と魔術師はランクに5をかけた数値となる。

クラス

多くのゲームブックは1人で行動をするが、ブラッド・ソードでは4人までのパーティを組んで行動できる。

戦士(ウォリアー)
古代セレンチーヌの貴族に繋がる家柄の戦士。腕力と勇気、気高い目的があれば、いかなる目標も達成することができると信じる勇者であり、戦闘の専門家である。特殊な能力は持っていないが、他のキャラクタークラスより、戦闘力と打撃力が高く、鎧強度が高いチェーンメイルを着ることができ、最も戦闘能力に秀でている。軍隊を動かす戦闘指揮能力にも優れている。腕力を生かして扉を蹴破る、咄嗟に剣を投擲して敵を倒す、命を捨てる覚悟を見せ相手をひるませる等の行動に出る事もある。
しかし、騎士道精神を受け継ぐべく運命づけられているため、不利な状況でも名誉ある行動を優先せざるをえないことがあり、救うべき人間を見捨てる、暴徒に降伏する等の不名誉な行動を取ると、その巻のラストで得られる経験値が減点されてしまう。
4巻クリア後は、両手に剣を持つ事で2度攻撃可能な二刀流の技能や、武器を持たなくても戦闘力を低下させずに戦える素手戦闘の技能を身につけ、鎧強度がさらに高いプレートメイルを装備することになる。
盗賊(トリックスター)
機会を生かしたずる賢い機転や策略で生き抜くタイプのキャラクター。ペテンや背後からの攻撃を使っての勝利を選ぶ、ずるさを最大の武器にしている。開錠、演技、話術、手品、いかさま、腹話術等、状況に応じて多彩な特技を使い分け、様々な状況を切り抜ける。盗賊独自の選択肢では、TRPGの巧みなロールプレイのような機転やずる賢さを発揮する場面が数多く見られ、『ブラッド・ソード』という作品の特徴にもなっている。
戦士に次ぐ戦闘力を持ち、弓矢による攻撃が可能で、さらに他のクラスよりも敵の攻撃から身をかわす技術に優れている。4巻クリア後は、身をかわす技術がさらに強化される。
さらに、英語旧版・日本語翻訳版では、一戦闘に一度だけ二回行動できる「ダブル・アクション[1]」を使えるため、戦士よりも戦闘時に有利な部分も存在する。しかし、英語新装版では「ダブル・アクション」は、なくなっている。
僧侶(セージ)
不毛の島・カクソスにある厳格な啓蒙主義の修道院で肉体と精神の修行を積み、超能力を習得した僧。古代の伝承や、様々な言語、数々の文献、多様な分野に関する知識に詳しく、その知識によって、冒険の成功に大きく寄与する。禁欲的な修行者であり、常に精神を磨くことを求めている。生命力回復術、空中浮遊、悪霊払い、透視術、読心力という超能力を使いこなす。
生命力回復術は自分の体力を掛金にした確率的には有利なギャンブルであり、超自然の力によって、自分を含めたパーティーの仲間の生命力を回復させることができる。ただし、すでに生命力がゼロ以下になり、死んだキャラクターは生き返らせることはできない。英語旧版・日本語翻訳版では、戦闘時以外は何度でも行うことができたが、英語新装版では戦闘のないパラグラフにつき、一度しか行えず、再度、実行するためには違うパラグラフに移動する必要がある[2]
「読心術」は、考えを知る能力。「透視術」は、石や金属は通すことはできないが、カーテンや霧・水のような柔らかい物質を通して見る能力。「空中浮遊」は、体にかかる重力を無効にし、真っすぐ空中に上昇させることができる能力。「悪霊払い」は、超常的なエネルギーで現世にとどまる幽霊や他の悪霊を払う能力であり、基本的に2つの選択肢からどちらかを選ぶ事や、ダイスを振った結果で、成否を判定するが、例外的に自動的に成功することもある。
戦闘では弓術や当たりにくいが打撃力をあげ、敵のバランスを崩させる六尺棒術を使用可能。4巻クリア後は、生命力回復術の成功率が上がり、超能力も選択肢無しに成功するようになり、特に「空中浮遊」がかなり有用となる。
魔術師(エンチャーンター)
戦闘能力は劣るが、様々な魔法を使用する事ができる。魔法の呪文に誇りと信頼を持っており、真の力は神秘的な魔術の力を巧みに使うことにあることと考えている。主に戦闘用の魔法を使用するが、非戦闘魔法も少しだけ使用可能。
魔法は事前に使うためにいくつも準備できるが、一つ準備するたびに、精神力の数値が一つ減るため、冒険中に精神力判定を要する攻撃を受けやすくなるうえに、魔法の成功率が下がるというデメリットが存在する。魔法をかけることに継続して挑戦すれば成功率があがるが、違う魔法をかけることにした場合や、途中で中断した場合、再度、挑戦しても成功率が低い状態からのやり直しになる。ほとんどの敵の魔術師も同様の方法で魔法をかける。
4巻クリア後は、魔法の成功率が大幅に上がる。
非戦闘魔法は三つ使え、「ファルタインの召喚」は、要求をかなえるために、必要な時に、ずる賢い妖精であるファルタイン(後述)を呼び出す魔法であるが、要求の代償を要求されるため、駆け引きを必要とする場合や、かえって良くない結果になることもある。「予言」は、ありえる未来を少しだけ見ることができる。「魔法探知」は、魔法が付近で使われている時に知らせてくれる魔法である。非戦闘の魔法は、何回でも使うために試みても、問題でないため、ダイスロールをする必要はない。日本語翻訳版では、この三つの魔法はレベル1とされるが、英語旧版・英語新装版では特にレベルは設定されていない[3]
扱いが難しいキャラクターであるが、2レベルの「緊急救出」がかなり有用であり、5レベルの魔法である「ネメシスの電光」と「盲目的服従」が成功した場合、非常に強力なため、(英語新装版の新魔法「塩の柱」の存在も含めて)裏技的な手段や巧みな戦術を使った場合、大幅にパーティーの勝利に貢献できるキャラクターである。

必ず4人のキャラクターを全員使わなくてはならないわけでなく、ゲームに投入するキャラクターの人数を少なくすれば、一人一人のキャラクターの能力が高くなるというルールがある。

場面によっては、特定のキャラクターがいないと選択することが出来ない行動があることもある。

また、バトルオーダーとして、パーティーの隊列の順番を決める必要がある。推奨されているバトルオーダーは、「1・戦士」、「2・僧侶」、「3・魔術師」、「4・盗賊」である。

参加人数

ゲームブックは1人で遊ぶものが多いが、ブラッドソードは複数人が同時に遊ぶことができる。複数人で遊ぶ場合は、パーティーを組んでいるキャラクターたちを、参加者たちがそれぞれ一人ずつ担当することになる。二人以上が同じクラスのキャラクターを選ぶことはできず、各キャラクターのクラスは別々となる。

複数人で遊ぶ場合は、一冊のゲームブックを全員で読むことになる。このとき、参加者のうちの1人がプレイに参加せず本の読み手となり、戦闘時のモンスターの操作などを受け持つという遊び方もある。そのような役割を与えられた参加者は、ゲームマスターと呼ばれることになる。(そのため、ゲームに参加できる最大人数は、プレイヤー4人+ゲームマスター1人で5人である。)

複数人で遊ぶ場合、特定のキャラクターだけが単独行動するような場面となった時は、そのキャラクターを担当している参加者のみが本を読む。文章の中には、全員に公開する情報とキャラクターのみが知りうる情報(キャラクターを担当している参加者の判断で、ほかの参加者に公開するか秘密にするか決める)が記述されている。

プレイヤーが担当するキャラクターが死んだ場合、敵として、戦略を練って、行動を決め、ダイスを振ることが推奨されている[4]

戦闘

ブラッド・ソードで戦闘が発生した場合、敵の能力値の他に、戦闘マップと敵と味方の立ち位置が示される。

地図は将棋盤のようにマス目で区切られており、この地図を元にウォー・シミュレーションゲームのように戦闘を行う。

戦闘はラウンド制で行われる。行動は戦闘を行うものそれぞれの機敏度の数値の順番で行う。最も高い機敏度を持つ戦闘を行うものが最初に行動し、それから次に高い機敏度を持つ戦闘を行うものが行動して同じように続ける。同じ数値の機敏度を持つ戦闘を行うものは同時に行動する。なお、日本語翻訳版では、同じ数値の機敏度を持つ場合はダイスを振って順番を決めることになっている。

各ラウンド、全てのキャラクターは攻撃、魔法をかける、など一つの行動を行う機会を得られ、好きな行動を行うことができる。生命力がゼロにまで減らされて死んだ場合、そのラウンドが終了していなくても、行動することはできない。

(魔法や射撃などは除いて)直角に隣接したマス目にいる敵のみ、攻撃することができる。別のキャラクターがいるマス目や、マス目がないところ、黒く塗られたマス目は柱や大きな像のような障害物があり、動くことができない。灰色のマス目は、敵だけが動ける熱い石炭の床などであり、敵は通り抜けて動くことができるが、プレイヤーたちにはできない。

別に定められていなければ、敵は常に最も近い、通り過ぎる必要があるマス目の数が最も少ないプレイヤーを攻撃しようと動く。同数である場合や複数の敵と隣接している場合、誰を攻撃するか、ダイスで決めることになる[5]

戦闘行動

戦闘
直角に隣接したマス目にいるどの敵にも攻撃できる。
移動
直角の移動のみに限定され、対角線の移動や、すでに占有されたマス目の上を通り抜けることや止まることはできないが、戦闘マップのどのマス目にも移動できる。日本語翻訳版では1ラウンドにつき、マス目一つ分しか移動できず、これが英語旧版・新装版との最も大きな違いとなっている[6]
また、ラウンドの始めに敵と隣接していた時、敵より高い機敏度を有している時は移動できるが、機敏度が相手より同数か低い時、直前のラウンドで防御を選択していた場合のみ移動することができる。なお、日本語翻訳版のルールでは、防御を選択しなくても、移動自体は自由に行うことが可能である。
防御
次のラウンドの順番までの1ラウンド持続する。敵は、防御中の相手に攻撃を当てるために攻撃判定のダイスを通常より1個多く振る。
射撃
直接隣接したマス目を除いた戦闘マップのどこにいる敵に対しても、矢を射ることができる。キャラクターでは、これを選択できるのは僧侶と盗賊だけである。
逃走
逃走するためには、パーティー全員が脱出口のマス目か、脱出口のマス目にいる他のプレイヤーにいる隣接しているか、脱出口のマス目に隣接しているか、いずれかの状態で、そのラウンドを開始せねばならない。パーティーは、全てのプレイヤーが逃走に同意した場合のみ逃走することができる。パーティ全員が逃走するのは、機敏度が最も低いプレイヤーの順番の時になる。日本語翻訳版のルールでは、例外的に脱出口のマス目には複数のキャラクターが入ることができ、逃走の時には、脱出口のマス目に全てのキャラクターが入った次のラウンドで逃走できるとしている。なお、この時には敵からの攻撃は受けることはない。

武器と鎧と持ち物

特にキャラクターによって使える武器については限定はされていない。武器を失った場合、戦闘力と打撃力を、新しい武器を手に入れるまで、それぞれ2減らす。ただし、4巻クリア後の戦士には適用されない。ただし、(特に明言はされていないが)僧侶は六尺棒を使わない場合、六尺棒術は使えないものと考えられる。

鎧については、戦闘中の物理攻撃や攻撃魔法、落下などの衝撃の負傷を鎧強度の数値分、軽減させる効果を持つ。なお、キャラクターによって使える鎧の限定は明言されていないが、魔術師は銀の鎧以外の金属製の鎧を身につけると、魔術は使えないものと考えられる。また、プレートメイルは戦士しか身につけられないと考えられるが、チェーンメイルは盗賊や僧侶が身につけられるかはそれほど明確ではない。

持ち物は、一人のプレイヤーにつき、10個のアイテムまでしか運べない。金貨袋は、どれだけの金貨が入っているかに関わらず、一つのアイテムと数える。僧侶と盗賊が使うことができる矢筒は、入っている矢の数に関わらず、あわせて一つのアイテムとして数える。

選択制ルール

英語新装版では、選択制ルールとして、三つのルールが提案されている。プレイヤーは好きなようにこのルールを使うことを選択して、遊ぶことができる[7]

  • 好きなだけ戦闘マップを移動できるのではなく、1ラウンドにつき、機敏度の半数だけマス目の数だけ移動することができる。
  • 戦闘中に殺害されても、パーティの残った仲間が戦闘に勝てば、そのキャラクターは、ダイスを一個振った数値である1-6の生命力を持って生き返ることができる。
  • パーティーが全滅しても、そのセクションの脱出の選択が存在した場合、それを選択したことにして、パーティー全員が、ダイスを一個振った数値である1-6の生命力を持って生き返ることができる。

魔法

『ブラッド・ソード』では様々な魔法が登場するが、戦闘中に使える魔法は攻撃魔法と精神魔法に分かれる。戦闘魔法は単純にダメージを負わせて、生命力の数値から減らすものであるが、鎧強度は魔法のダメージにも有効である。また、精神魔法は、精神力の判定に成功すれば抵抗することができ、(わずかな例外を除いて)失敗に終わる。このダメージは、鎧強度は有効ではない。魔法をかけるのは(「死の接触」を除いて)戦闘マップにいる敵全員に対して有効である。

この作品において、戦闘に登場する魔法は以下の通りである。なお、5巻に登場するザラ・ザ・マンティスが使う「死の雷(原文:Incantation of Fulminant Death)」など、数値化されていない様々な強力な魔法がこの作品には多数登場する。

炎のスプレー レベル1
全ての敵に対する攻撃魔法。
ナイトハウル レベル1
単体の敵に対する精神魔法。5ラウンド継続する。
白い炎 レベル1
単体の敵に対する攻撃魔法。
クリソトーチ レベル1
鎧強度が増す魔法。戦闘中有効。重ねがけはできない。4巻に登場するトビアス・ド・ヴァントリーが使う。
ハラゲイ(コンセントレーション)(原文:Haragei(Inner Force)) レベル1
打撃力が増す魔法。4ラウンド継続する。4巻で対決するイコン(エイケン)が使う。原文と日本語翻訳では意味が異なる。
ソードスラスト レベル2
単体の敵に対する攻撃魔法。
虎の目 レベル2
味方に対する強化魔法。戦闘力と打撃力を上げる。5ラウンド継続する。
緊急脱出 レベル2
他のプレイヤーの意思に関わらず、魔術師の判断でパーティー全員をテレポーテーションさせて、逃亡する魔法。
幻の蛇 レベル2
単体の敵に対する精神魔法。2巻に登場するオーガスタスが使う。
幻惑 レベル2
単体の敵に対する精神魔法。4ラウンド継続する。2巻に登場するオーガスタスが使う。
ユークティア レベル2
単体の生命力を回復する魔法。4巻に登場するトビアス・ド・ヴァントリーが使う。
ヒカリ(光)(原文:Hikari (Fire)) レベル2
全ての敵に対する攻撃魔法。4巻で対決するイコン(エイケン)が使う。光の魔法なのか、炎の魔法なのか、不明。
死の霧 レベル3
全ての敵に対する精神魔法。
ヴァンパイア レベル3
単体の敵に対する精神魔法。奪った生命力の半分は、自分の生命力の回復にあてることができる。
塩の柱(原文:Paller of Solt) レベル3
マップ上の一つのマス目に、味方も敵も、入ることも通り抜けることもできない障壁を作る。5ラウンド継続する。英語旧版、日本語翻訳版では存在せず、英語新装版で追加された魔法である。
粉砕 レベル3
単体の敵に対する攻撃魔法。2巻に登場するオーガスタスが使う。
カタクロニズム(時間錯乱) レベル3
全ての敵に対する精神魔法。6ラウンド継続する。4巻に登場するトビアス・ド・ヴァントリーが使う。
ニンドウ(不可視)(原文:Nindo (Invisibility)) レベル3
姿を消す魔法。4巻で対決するイコン(エイケン)が使う。原文を見ると、忍術のイメージが強い魔法である。
雷撃 レベル4
全ての敵に対する攻撃魔法。
セローニゼーション(雷撃) レベル4
単体の敵に対する攻撃魔法。4巻に登場するトビアス・ド・ヴァントリーが使う。
死の接触 レベル4
単体の敵に対する精神魔法。隣接したマス目にいる敵にしか効果がない。抵抗に成功しても、軽減はされるが、ダメージを与えられる。
シャケン(投げ菱)(原文:Sha-ken (Throwing stars)) レベル4
単体の敵に対する攻撃魔法。投げ菱(原文:sha-ken)を投げる魔法。4巻で対決するイコン(エイケン)が使う。原文を見ると、忍術のイメージがかなり強い魔法であり、投げ菱ではなく、手裏剣を投げる魔法かもしれない。
ネメシスの電光 レベル5
単体の敵に対する攻撃魔法。絶大な威力を誇り、魔術師がランク2の時点でも使えるため、一発逆転や大物食いを可能とする魔法である。
盲目的服従 レベル5
単体の敵に対する精神魔法。抵抗に失敗した場合、敵をあなたの支配下に置く。敵は、完全に動くことをやめ、非戦闘中の状況ではあなたの質問に答えようとする。戦闘中に、服従させた敵に、以前の仲間を攻撃するように命令した場合でも、6分の1の確率でしか破れない。服従は、戦闘が終わり、その敵を殺害するまでに充分な時間続く[8][9]。かけることに成功すれば非常に強力な魔法であり、到底、勝ち得ない強敵であったとしても、その敵の精神力が11以下である場合、盲目的服従が有効な敵である場合、勝利に導くことも不可能ではない[10]
死の凝視 レベル5
単体の敵に対する精神魔法。相手を即死させる。4巻に登場するキルケーが使う。なお、キルケーは、名称は不明であるが、同じレベル5の精神魔法である相手をウジ虫に変える魔法も使う。
スローマーダーの呪文 レベル不明
全ての敵に対する精神魔法。1巻に登場するスミ―ボーグが使う。魔法の準備が不要な上に、自動的に成功する。抵抗に失敗する度、1ラウンドに受けるダメージが累積する。
衝撃波 レベル不明
全ての敵に対する攻撃魔法。夢の世界のクモの巣を通して放たれる。魔法の準備が不要な上に、自動的に成功する。鎧強度は通用しない。2巻に登場するワーロック王が使う。
プシュケの魔法(名称不明) レベル不明
全ての敵に対する精神魔法。3巻に登場するプシュケが使う。相手を猿に変える。かけられたキャラクターが元にもどる記述がないため、プシュケが死んでも、解除はされないようである。使用回数になんらかの制限がある可能性がある。また、プシュケは、別の魔法で戦うために真紅に輝く剣をつくりあげることもできる。
千年の眠り(原文:Thousand – Year Sleep spell) レベル不明
単体の敵に対する精神魔法。5巻に登場するニンフが使う。魔法の準備が不要な上に、各ラウンドに自動的にかけることができる。相手を千年の間、眠らせることができる。隣接した人物が起こすことを試みることもできるが、1ラウンドを使い、6分の4の確率でしか起きない[11]
パワーボルト(原文:majical Pawer Bolts) レベル不明
単体の敵に対する攻撃魔法。5巻に登場する五人の真のマグスが使う。魔法の準備が不要な上に、各ラウンドに自動的にかけることができる。戦士は受けたダメージを半分にすることができる。ブルー・ムーンが放つものは、「ミラージュ・ボルト(原文:cysnic Mirage Bolt)」と呼ばれる[12]

世界観

本作は、デイブ・モーリスとオリバー・ジョンソンによって創作された架空世界「レジェンド」を舞台としている。この「レジェンド」は、イギリス製テーブルトークRPGである『ドラゴン・ウォーリアーズ』(en:Dragon Warriors)のために設定された「レジェンド」という世界と同一である[13]

レジェンドの特徴は中世ヨーロッパによく似ていることである。単にうわべの雰囲気をまねただけではなく、たとえばキリスト教のような宗教(トルー・フェイス)とイスラム教のような宗教(タシーム)が広まっており、異教徒であるターシムの教徒に押さえられた聖地を奪回するために十字軍を派遣されていたりする。宗教面においても、トルー・フェイスとターシムの信じる神が実は同一であり、ターシムの預言者であるアカバーが、トルー・フェイスの救世主であるガタネーズを自身の先駆者とみなしているところもかなり現実の世界と近似している。

旧セレンチーヌ帝国のように、現実のローマ帝国をモデルにしていると思われる国家も存在する。ただし、現実の日本に似た「ヤマト」とは積極的な交流が行われているなど、異なる点も同時に多くある。

また、本作は千年紀をテーマにしており、10世紀から13世紀ぐらいまでのヨーロッパや中東に似た世界を舞台にして、主人公たちが各地で活躍し、トルー・フェイスを信仰するコラード人ばかりでなく、ターシムを信仰するターシム人たちも、共通の敵である古代の神にあたる「真のマグス」に対抗するため、積極的に主人公たちに協力する。

エルフについて

ファンタジー小説やゲームブックにおいて、エルフは、人間とは距離をとってはいても、主人公たちには比較的友好的な存在や協力的な存在であることが多い。

しかし、本作においては、第1巻や第4巻のナイトエルフは、「砦のダンジョン」や「黄泉の国」の突破を図っているだけで特に彼らに対して敵対していない主人公たちに対し、一方的に襲撃や報復をしかけてくる。

また、第2巻のワイアード王国にいるソーンズの森にいるエルフたちは、圧制を行うワーロック王を打倒しようとする主人たちにも拒絶的な態度で応じてきて、主人公たちの通行をはばんでくる。本作では、エルフたちは、主人公たちにも「いつもこういったいいかたをする」とされる「魂がなく」、「死人のように冷たい手をする」存在である。また、多くのフェアリーのように「ゲームや謎かけに目がない」とされるものの、(敗れた時は、助言をしてきたり、無礼な発言に詫びをして贈り物をする時もあるが)チェスの勝負にも幻覚の魔法を使ってまで勝とうとしてくるなど、エルフがかなり主人公たちや人間に対して、敵対的で印象が良くない姿勢をとってくる。

なお、『ブラッド・ソード』と同じ「レジェンド」の世界を舞台とする[13]『ドラゴン・ウォーリアーズ』のルールブックでは、エルフは、人間によく似た優雅な生き物で森に住んでおり、人間よりやせていて、背が高く、青白く繊細に見えるが、超感覚を備え、猛烈な戦士であり、魔術士に向いているとされる。彼らは練達の射手で、緑色の服を着ており、三百年ほどの寿命を持つが魂を持たず、そのため、生き返ることができないものとされる。だが、エルフは、多くのRPGと同様、プレイヤーキャラクターに選ぶことができ、特に人間に非友好的な存在とはされていない[14]

あらすじ

シナリオ#1 勝利の紋章を奪え! The Battlepits of Krarth

あらすじ
「きみ」達はクラースの地の地下迷宮で行われる、13か月に一度の命を賭けた競技「砦のダンジョン」に参加する。マグス(領主)達のうちの誰かに雇われた戦士達が、凍った大地に存在する血に飢えた怪物たちや死の罠に満ちた地下迷宮に挑み、迷宮のどこかにある「勝利の紋章」を手にした者が勝者となるのだ。優勝した雇い主は他のマグス達から寒々とした広大なクラースにある領地を獲得する事が出来るため、勝者には雇い主から莫大な報酬が与えられる。「砦のダンジョン」の競技は明日に迫り、雇い主となるマグスのペナントは、もう3本しか残っていない。勝利できるのはただ一チームのみ。残りは死ぬしかない。「きみ」のパーティは勝ち残る事ができるか? 
概要
第1巻。540項目。この時点ではストーリーの鍵となるブラッド・ソードと、シリーズのラスボスとなる「5人の真のマグス」は一切登場しない。ただし、後の宿敵となるイコンと5人には含まれないが「真のマグス」であったマグス・ジンが登場する。
冒険の舞台(AS 993年[15]
「砦のダンジョン」が開催されるクラースのマグス・カルーゲンの砦と、その地下にあるダンジョンに入り、さらに地上にもどって丘の上にある「勝利の紋章」を手に入れるまでが舞台となる。ダンジョンは大規模なもので、あちこちにテレポートが設置され、地下水の川や、溶岩、神殿、大規模な断層なども存在し、地上部分もかなり広大なものである。

シナリオ#2 魔術王をたおせ! The Kingdom of Wyrd

あらすじ
「おそろしく大切なものを探し求める旅にでる。避けがたい運命だよ」という占いの老婆の言葉に導かれ、クラース南東の森を旅していた「きみ」達は、年老いた吟遊詩人の死に立ち会う。そして、かつて地上を支配し、現在では肉体を失って魂を星と化している5人の魔術師「真のマグス」が紀元千年が迫ったいま、地上に復活しつつある事実を知らされ、それに立ち向かうために、過去に破壊された生命の剣ブラッド・ソードを修復する任務を託された。彼からブラッド・ソードの鞘を託された「きみ」達は、ブラッド・ソードの柄を求めて、ワーロック王が支配する北の国ワイアード王国を目指す。ブラッド・ソードの柄は、「永遠のたそがれ城」に住むワーロック王が所有している。ワーロック王は、ワイアード国民の夢の中に入り込み、逆らう者を殺害して、国民を奴隷のように従えている恐怖の支配者だ。ワーロック王は、「きみ」達の潜在意識の最も暗い隅から具現化された悪夢を使い、「きみ」達の技能と勇気を打ち砕いてくる。熱い戦いの幕が上がろうとしている。
概要
第2巻。570項目。ブラッド・ソードの修復の旅が始まる。ここから、星となった「真のマグス」達の魔の手が伸びる事になる。「真のマグス」の配下たちと戦いつつ、極寒の地であるワイアード王国へたどりつき、ワイアード王国の支配者であるワーロック王とブラッド・ソードを賭けた戦いを行う。ただし、「真のマグス」以外は第2巻単独での登場人物が多い。
冒険の舞台(AS 993年[16]
クラースの南東に広がる広大な森である「闇の森」からはじまり、ワイアード王国を目指すことになる。クラースの東海岸に向かい、途中で「ミスドラックス村」による。さらに、東海岸の「カノング港」に着く。通常は、船で「ルクベス港」につき、そのまま、クラースの東海岸を北上、「ダーヘブン」に着き、流氷を渡って、ワイアード王国に着く。その後、ある村に立ち寄り、ワイアード王国の「永遠のたそがれ城」で決戦をする。

シナリオ#3 悪魔の爪を折れ! The Demon's Claw

あらすじ
ワイアード王国での冒険を終えてから2年後、旅を続ける「きみ」達は、北の国でめぐりあった、ある女賢者の情報により、ブラッド・ソードの刀身が十字軍の地オトレメールのどこかにある事を知り、コラード文明諸国の南の前哨地オトレメールの都クレサンチウムにたどり着く。「きみ」達は、刀身を見つける手がかりを求めて街をさまよい、様々な事件や人物に遭遇しながら、ブラッド・ソードにまつわる伝説の真相に迫りつつ、刀身のありかへと近付いて行く。やがて、生命の剣と対となる死の剣を求める追放された王子・ササリアンと油断ならない同盟を結び、刀身を求めて、世界の間を航海する船に乗船し、火の悪魔・ジニーに会い、いまだ強力な忘れられた神々の生き残りと戦うことになる。だが、最大の敵が待っていた。冒険の全容が明らかになる。
概要
第3巻。588項目。ゲームブックでは珍しい中東の地をモデルとしたクレサンチウムでの冒険から始まり、「アラビアン・ナイト」を想起させる冒険の地を舞台に、ブラッド・ソードの刀身のありかへと旅立つ。シリーズで重要となるエメリタスやファティマ、ハサンが登場し、宿敵のイコンが再登場する。日本語版タイトルとは裏腹に、「悪魔の爪」を折る場面は存在しない。第4巻との関連がかなり強い。
冒険の舞台(AS 995年[17]
ブラッド・ソードの刀身を探して、十字軍公国の一つである「オトレメール」の「クレサンチウム」の探索に始まり、マラジット海のデビルス・ランナー号に乗船し、そこから、「ゼニール」にある「ハクバッド」に行く。選択によっては、この途中で、「ラメント海」の「グレイ・ロック」に立ち寄り、さらには、大きく東に行き、「オパラール」にある「ハロゲーン山脈」にあるマギ派の拠点に行き、さらに、「グレイ・ロック」にもどり、「ハクバッド」に向かう。「ハクバッド」の地下迷宮にもぐり、ブラッド・ソードの刀身を探す。最終的には、「クレサンチウム」にまた戻ることになる。

シナリオ#4 死者の国から還れ! Doomwalk

あらすじ
ブラッド・ソードを完成させたのも束の間、ブラッド・ソードは宿敵イコンによって「黄泉の国」へと持ち去られてしまった。この世界を再び支配しようとする「真のマグス」が復活する紀元千年まで残り5年となった今、女魔術師ファティマの協力を得た「きみ」達は、「黄泉の国」へと旅立ち、ブラッド・ソードを取り戻して現世に戻ってくる方法を知る唯一の存在である、老魔術師エンタシウスを求めて、北西のミスト海へと向かう。ブラッド・ソードを取りもどすためには、死の天使アザレルが治める「黄泉の国」から生きて帰らねばならない。「真のマグス」たちとの戦いにはブラッド・ソードが必要だ。
概要
第4巻。557項目。前半は魔法使いエンタシウスを探す旅。後半は「黄泉の国」でのブラッド・ソードを探す旅。第3巻で登場したエメリタスやファティマ、トビアスが再登場し、イコンとの最終決戦を行う。「黄泉の国」で(途中で死んだ)かつての仲間と再開することもできる。この巻の最後でブラッド・ソード以外の装備の全てを失ってしまう[18]
冒険の舞台(AS 995年)
黄泉の国に行くために、「オトレメール」の「クレサンチウム」からエンタシウスの島を目指して、「デオリスク海」にでる。いくつかのルートのどれかをたどって、「デオリスク海」の西北「ミスト海」のエンタシウスの島につく。そこから、黄泉の国に行き、ブラッド・ソードとコーデリアを探して、旅人(トラベラー)の案内に従い、中央にいる死の天使・アザレルにいる場所をめざして進む。また、エンタシウスの島にもどり、「ミスト海」に出発する。

The Walls of Spyte

あらすじ
「最後の審判の日」であることが世界中に知られた紀元千年の冬至前夜、この世界でマグスたちを滅ぼしうる唯一のものであり、人類最後の希望であるブラッド・ソードを手にして、古代都市スパイトの廃墟にたどり着いた「きみ」達は、2世紀の間、力を蓄えて復活の計画を練り上げ、地上を力と魔法で奴隷化し、専制支配しようとする「真のマグス」の復活の儀式を阻止しなければならない。スパイトではまず、コールドロンの深い断層が「きみ」達をはばむ。スパイトでは、「真のマグス」が送り込んだ怪物が待ち受け、「真のマグス」が仕掛けた様々な魔法や罠が仕掛けられている。さらに「真のマグス」を神と崇め、本日の真夜中に、復活の儀式を行おうとする、マグスを狂信している信徒たち[19]が先行してスパイトに到着しており、「きみ」達を待ち構えている。「きみ」達が勝利した場合、「最後の審判」により、地上は楽園となるが、「真のマグス」が勝利すれば、邪悪が世界を永遠に支配することになる。残された時間は7時間しかない。「きみ」達は、ブラッド・ソードと勇気を武器にスパイトへと潜入していく。
概要
第5巻。550項目。真のマグスとの最終決戦。スパイトの廃墟の冒険が内容のほとんどを占める。「真のマグス」の本拠地であったスパイトの廃墟の周りを囲む大きな大地の深い断層である「コールドロン」を越えて、スパイトの廃墟に着き、「真のマグス」の仕掛けた数々の罠や怪物、魔法を突破して、先行している「真のマグス」の信徒に追い付き、「真のマグス」の復活の儀式を阻まねばならない。しかし、「真のマグス」たちはそれぞれが仕掛けた五つの扉の部屋を用意して、主人公たちを倒そうとしてくる。さらに奥では、主人公たちを魔法の一撃で滅ぼす力を持った魔術師「ザラ・ザ・マンティス(原文:Zara the Mantis)」が死の剣を持った剣士とともに待ち受けている。その先では、「真のマグス」の五人の使徒が、「真のマグス」の復活の儀式を終えようとしていた。かつて、真のマグスに逆らった大魔術師のマイオーグ[20](原文:Myorg)やハサンの子、カルナズ(原文:Karunaz Ustad Husain)が登場する。この巻のみ、日本では訳されていない。
冒険の舞台(AS 1000年)
真のマグスの復活をはばむため、「スパイト」の周辺の大きな断層である「コールドロン」の周辺につき、5人の真のマグスそれぞれが用意した「コールドロンを越えて、スパイトに着くための5つの手段」どれかを使って[21]、スパイトの廃墟までたどりつく。スパイトの廃墟の中心をめざして進み、二つある階段のどれかを進み、廃墟となった建物内部に入る。選択によっては、過去の世界に行き、「スパイト」の周辺にある「ブラックリッデン城」を冒険する。さらに、5人の真のマグスそれぞれが用意した「五つの扉の部屋」全てを突破して、廃墟の屋上を目指す。途中、テレポートにより、ある島に立ち寄った後に、廃墟にもどり、ザラやカルナズと会い、さらに屋上に進み、真のマグスとの最終決戦を行う。

用語集

ブラッド・ソードと死の剣について

ブラッド・ソード
生命の剣。天使長アブデルによって作られた、生と死を分ける偶像である2本の古代の剣のうちの1本。刀身に生命のエッセンスが与えられ、死を退ける生命のパワーを有している。クラースの悪魔、七つ目のヤーンに破壊されたとされ、柄と鞘、刀身の3つになっていたが、主人公たちによって復元される。真のマグスの力を制する力を持ち、真のマグスのこの世とのつながりを絶って無の世界に葬り去ることができる唯一の武器である。作品の途中で、イコンによって持ち去られ、黄泉の国に行く[22][23]正式な名は「生命の剣」であるが、おとぎ話では「ブラッド・ソード」と呼ばれる。武器として振るった場合、戦闘力を+3し、その打撃力は、通常よりダイス2個分追加した数値となる。また、「真のマグス」などの不死となった神話に登場する神々に近い存在も含めるアンデッドは、ブラッド・ソードの攻撃があたり、精神力の判定に失敗した場合、ブラッド・ソードの聖なる力によって、即座に破壊されることになる。また、「真のマグス」の力から守る効果や光を放つ効果なども持っている[24]さらに、戦士がブラッド・ソードと死と剣を両手に装備した場合、相乗効果があり、さらに戦闘力と精神力を+3し、生命力が2倍となる。その上、同じラウンドに、(「真のマグス」を含めた)アンデッドにブラッド・ソードと死の剣の攻撃をあてた場合、そのアンデットは、ダイス4個の精神力判定に成功しなければ、即座に破壊される[25]
死の剣
「悪魔の爪」とも呼ばれる、美しく輝く偃月刀。天使長アブデルによって作られた、生と死を分ける偶像である2本の古代の剣のうちの1本。地中深く眠っていたが、勇敢な勇者であるガネロンが地獄から持ち帰り、この剣を使って、暗黒の魔王と戦おうとしたが、剣の死のパワーにより堕落させられ、悲惨な最期を迎えている。その後、悪魔の爪と呼ばれ、マラジットのどこかにあると言われている。マリジャー派(後述)が所有していたこともある。ササリアン、トビアス・ド・ヴァントリー、ハサン・イーサバーが探している[26]武器として振るった場合、ブラッド・ソードと同様の効果があり、戦闘力を+3し、その打撃力は、通常よりダイス2個分追加した数値となる。また、「真のマグス」などの不死となった神話に登場する神々に近い存在も含めるアンデッドが、死の剣の攻撃があたり、精神力の判定に失敗した場合、即座に破壊されるのも同様である[27]

特殊な用語について

砦のダンジョン(原文:The Battlepits)
クラース平原の地下に存在する、トンネルや部屋でつくられた巨大で複雑な地下迷宮の名称。クラースのマグス達によって13か月ごとに行われる競技の名称としても使用され、砦のダンジョンに各マグス達が選んだ挑戦者たちのグループが送り込まれ、この地で互いに争う。競技に出場する挑戦者の目的は、魔物や問題を切り抜けて、「勝利の紋章」を獲得することにある。マグス達はその勝利者を賭ける。当然、マグス達が自分の闘士を助けるため、ひそかに介入してくることや、他のマグスからの後援を受けた挑戦者の進行を邪魔することもある[28]
大爆発(原文:The Blasting)
悪魔によってなされたと言われた、かつて、スパイト(後述)を廃墟にし、真のマグス達が殺された災害。この虐殺の後も、災害は三日三晩続き、スパイトは深い断層によって孤立した。スパイトの地は今でも多くの人々に、地獄の炎にまでつながっていると信じられている[28]
コールドロン(原文:The Cauldron)
小作人や旅人からもその名を知られている、スパイトの廃墟を取り囲む深い峡谷。この地にある硫黄の煙から蒸気が上がり、蒸気は冷たい空気の中で厚くなる。そのため、スパイトの廃墟は、周りからほとんど見えなくなってしまっている。コールドロンの断層は、魔術師の「緊急救出の魔法」を使ってすらも、余りにも広く、渡ることはできない。廃墟に行く唯一の手段は飛んでいくことだけである[28]
マグス(原文:the Magi)
クラース(後述)の統治者たち。約30人のマグスがいる。それぞれが原則的に領土に絶対的な支配権を有したその土地の専制君主である。クラースではいかなる規模の軍もマグス同士の争いに加われないため、砦のダンジョンの競技(前述)によって争いは解決される。ただし、時には暗殺によって解決されることもある[28]
真のマグス(原文:the True Magi)
クラースの本来の支配者。想像を絶するほどの力を持った魔術師たちだったが、2世紀前に起こったスパイト(後述)の大爆発(前述)により全員殺害されたとされる。現在のマグスのほとんどが、大爆発後の混乱時に権力を奪い取った、真のマグスの執事もしくは弟子の子孫にあたる[28]
スパイトの大爆発の以前、彼らの言葉は人々に絶対的な支配力を持ち、彼らによって争いのない時代は長く続いたが、彼らの胸の奥底にあった呪われた獣性が目をさまし、恐ろしい憎しみが彼らの心をむしばみ、誓いで結ばれた彼ら同士を戦いに駆り立てしまったため、スパイトの大爆発が発生し、60人いた真のマグスは、5人になったと、残った5人の真のマグスは語っていた[29][30]
かつて、真のマグスたちは、クラースの古代の邪神たちを崇拝し、7年ごとにその邪神たちと交信するためにスパイトの薄気味悪い要塞に集まっていた。真のマグスたちは、邪神たちと交信を果たした後に、さらなる魔力を得て、クラースを絶対的な支配下に置いていた。また、真のマグスたちは、紋章で彼ら自身を表しており、それぞれの紋章は、その紋章を所有するマグスの杖を示していた。この杖のデザインは、他の国の騎士や領主の紋章と全く同じく、相当に凝ったものであった。本物の杖はスパイトの大爆破で失われたため、現在のマグスたちが所持しているのは、その複製品である[31]
マグスの魂
北の夜空に時々見える5つの小さく明るい天体である。それぞれが月の5分の1程度の大きさに見える。クラースでよく知られた迷信によると、この5つの天体は真のマグスの中でも偉大な魔術師である5人の魂が神となったものと伝えられている。彼ら真のマグスは、いつもこの世界に戻ってくることを企み、夢見ている悪意のある存在として、民話にひんぱんに登場する。彼らは占星術において、不吉な意味ではあるが強いシンボルとなっている[32]
『ドラゴンウォーリアーズ』の第6巻である『The Lands of Legend』によると、以下のように説明されている。この5つの天体は、「マグスの亡霊」と呼ばれ、クラースの上空で最も光が強く見え、デッドデス、ブルームーン、プレイグスター、ギフトスター、ホワイトライトと名付けられている。クラースの農民は、千年紀において、スパイトの上空で彼らが結合して、死に満ちた都市の門が荒々しく開かれることになると信じている。世界が球体であることを知るキータイや、ターシムの国々の天文学者は、これらの衛星の軌道を図に描き、どのような結合も計算することも可能であるが、それは、なされてはいない。また、この5つのマグスの亡霊は、太陽や北極星と並ぶ、渡航する船の貴重な道しるべともなっている[33]
デビルス・ランナー号
海賊王・ハンガックが乗る船。ハンガックの死後も彼とともに唯一許されている航路を航海しつづけており、多くの者から目撃されている。世界と世界のはざまにぶらさがり、いくつもの世界の海を航海している。十字軍最大の軍艦よりも大きく千人は収容できるほどで船幅は9メートル、高さは海面から約12メートルある。銅でおおわれた数本の太いマストがあるが、帆はクモの巣だらけである。七生のあいだ、舵輪から手を離したことがないシャンビアが舵取りを行っている。マラジット湾から百キロ離れた場所に現れるが、この世界にいる間に下船しない場合、違う世界に連れていかれ、デビルス・ランナー号の乗員となってハンガックとともに、長い時を同行することになる[34]
死の集約点
レジェンドから黄泉の国の奥地へと直接つながる光線。天井に達する円形の光線と床に達する円形の光線があり、天井への光線は燃え立つように赤く、床への光線は冷たい緑色の光を放つ。ヤマトのイコンはこの光に入り、魔法を使ってブラッド・ソードを奪い取り、彼とともに黄泉の国に持ち去ってしまう[22][35]

世界や地名について

レジェンド
『ブラッド・ソード』の舞台。死すべき人間の世界。「ミッドガルド」または、「中つ国」[28]
スパイト
真のマグス達の「聖なる都」。真のマグス達は7年ごとに、スパイトの地に集まり、クラースの神々と交信していた。現在ではスパイトは廃墟となり、地に生まれた広大な断層(コールドロン)の中心にある岩の頂上の上に現存する[28]
コラーディアン海
世界で最も豊かな港や都市が海岸沿いに並ぶ海。トルー・フェイス(後述)の国々全体を表す形容詞としても使われる。その国々とは、アラガンディー、ショーブレット、カールランド、新セレンチーヌ帝国、アスムリ、エンフィドールである。この国々がこの海を囲んでいる[28]
セレンチーヌ
かつて西洋の大部分を支配していた旧セレンチーヌ帝国の首都。700年前に旧セレンチーヌ帝国が没落してから後、セレンチーヌはトルー・フェイスの中心としての新たな重要地として勃興している[28]
フェロメーヌ
フェロメインと表記されることもある。コラーディアン海岸で最も豊かな港。十字軍の総督がいる[32][36]
カノング港
クラースの東にあるミストラル海に面する港。北のダークヘブンやワイアード王国、イグドラス島へ渡る船が出ている。にぎやかな港で、水夫や鯨獲りの男たちや商人、娼婦で町はごったがえし、タールと潮と魚の臭いに満ちている。「ウルリック・ボーンズの宿」が存在し、捕鯨船や交易船が停泊している[37]
ダーヘブン
クラースの東にあるミストラル海に面する港。カノング港より北にある。黒い岩山に囲まれている。ワイアード王国に近く、海岸沿いに北に向かい、白い山から北東に向かえば、冬でも氷河の上を歩いて三日で着くことができる。荷揚げ人足や証人や漁師でごったがえしている。「ファンブルウィンター」という宿と雑貨屋がある[38]
オトレメール
トルー・フェイス(後述)の軍隊によって奪いとられたターシム(後述)の領土であった土地に置かれた十字軍の公国[39]
クレサンチウム
十字軍遠征の際、コラード軍が最初に入手した都市。強固な城壁に守られた難攻不落の港でもある。ここから、第一次十字軍は異教ターシム(後述)の地の征服に乗り出しており、オトレメールの最大の都として栄えている。美しい無数の尖塔がキラキラと輝き、エキゾチックなスパイスや香や大麻の香りに包まれた都市であるが、物乞いがとても多い。路地や通り、バザール、広場があちこちに広がる迷路そのものの町であり、石や粘土、模様のあるレンガ作りの建物が建て並ぶ。町中は商人や巡礼でごった返しており、病気と貧困も蔓延している。ロック寺院にカペラーズ騎士団がクレサンチウム司令部を置いており、クレサンチウムの総司令官にトビアス・ド・ヴァントリーが任命されている。また、クレサンチウムの砦は戻ってくるものがほとんどいない牢獄として知られている。コラード人(後述)の財政官がにらみをきかせていて、料金を明示することが宿屋に義務づけられている。かつてターシムのモスクは、第一次十字軍の略奪により、荒れ果てている。港は栄えており、潮や大麻やタールの臭いでむせ返り、商船や巡礼船がでている。キータイの絹の密貿易なども行われている[40][41]
グレイ・ロック
マラジット湾の内海であるラメント海に浮かぶ垂直に切り立った岩山。頂上には、魔法使いサークナサールの難攻不落の砦が存在していた。サークナサールの死後、砦は廃墟と化している[42]
ハクバッド
「ヒスイ星の都」と言われる700年以上前から名高い都市。サッサン軍がセレンチーヌ帝国からカイフクルの西域を奪ったのち、造られた。いくつかの川の合流地点にある小さな町であったが、広げられた。大きな宮殿や先のとがったドームのある神殿、果樹園、墓場や雑木林が広がる広大な都市であり、フェロメーヌの町の四倍の人口である百万人以上が、その約十倍の広さの土地に住んでいる[43]
黄泉の国
死後に魂が行きつく冥界。死によって管理されている。天国にも地獄にもいくことができない異教徒や狂人、幼児や葬式をしてもらっていない人々の魂の行く着く場所であり、様々な神話の断片から成り立っている夢の風景だとも言われている。黄泉の国に生きた人間が行くことは理論上、不可能ではないと言われており、エンタシウスがその答えを知っているとされる。また、あまり長居するとこの世に戻るのは困難になるとも言われている。アケロン川やスチュクス川が流れ、記憶の沼や忘却の川も存在する。中心部近くには「夜の深淵の森」が存在し、悲鳴山脈を越え、タータラスの洞窟を抜けて、山脈のはざまにある平原にでると、黄泉の国の中心に達する。途中、いくつもの建造物が存在し、各地に住民や危険な怪物がいる[22][44]
ブラックリッデン城(原文:Blackridden Castle)
大爆発以前のスパイトの近くにある荒涼たる高地にそびえる城。マイオーグ[20]が求める「時の貴婦人像」が存在する。かつて、ヴォルトー侯が治めていた時代があったようであるが、真のマグスが使役する悪魔であるオナカが支配しており、漆黒のオートマトンやオーガとともに、「時の貴婦人像」を守っている。また、「黒の乗り手」がいて、近隣の住民を支配している。城と近隣の村への間には、巨人スノリッドが眠っている[45]

国家について

クラース
レジェンドの極北にある大国。数十の国に分かれており、それぞれの国がその土地を領するマグスによって支配されている。コラーディアン大陸の東海岸から西海岸までを貫き断ち切られた深い大地溝帯によって、コラーディアン海周辺の文明国家と分かれている。古い外国人嫌いの伝統に満ちた、冷たく不親切な国民性の国であるため、クラースは南の国から来る商人の大半に避けられている[28]
ワイアード
クラースの東側に位置するミストラル海内にある島国の王国。6世紀もの間「永遠のたそがれ城」に住むワーロック王により支配されている。人口は一万人とも、二万人とも言われ、階級社会の国家であり、「アーミジャー」という郷士階級、「ソロン」という法をつかさどる階級、人口の大部分を占める農民の階級、伝統の重みに縛られない預言者の階級が存在する。ワイアードが戦争に参加したのは、700年前の旧セレンチーヌ帝国の崩壊以前であり、ワーロック王の統治が厳しく、国内でいざこざを起こす余地がないため「アーミジャー」階級は落ち目にある。「ソロン」階級は国の政治やワイアードで行われる儀式を執り行い、人々を管理している。預言者は、好きなところをめぐり、森や農家で寝て、ソロンが従わせようとする法律を無視する生活をしており、吟遊詩人を兼ねて、農民たちに権威を恐れないように説いて回っている。農民は、クラースの貧しい人々以上に悲惨な生活をしており、朝早くから日が落ちるまで、農作業に追われている[32][46]

民族や宗教について

トルー・フェイス
現代のレジェンド(前述)の主要な宗教[28]
十字軍
コラード人(後述)によって行われたターシム人(後述)に対する戦争であり、表向きは宗教上の理由とされる。しかしながら、実態はフェロメーヌの商人やセレンチーヌ教会などの人々が十字軍により莫大な利益があげられると知り、その目的を果たすため、北方の人々の宗教熱を煽り立てて実行された戦争である[39]
コラード人
オトレメールにおいて、純粋なターシム人(後述)と区別するために、北方の国の血が混じっている者全体を指すため使われる漠然とした総称[39]
ターシム
かつてカイクハル帝国だった地域にある南方の国々の宗教および人々を表す名称。ターシムの国々は、マラジッド、ゼニール、ハロガーン、オパラールである[39]
アカバー(原書:Akaabah)
大いなる啓示を与えるもの。預言者。ターシムの信仰では、アカバーは神によって選ばれ、神の教えを世界中で説いたとされる。ガタネーズはトルー・フェイスの救世主であるが、ターシムの教えでもアカバーの先駆者のうちの一人としてみなされているため、大半の人々が認める以上に、2つの宗教はより近いものである[39]
マリジャー派
ターシムにおいて異端とされる一派の末裔である暗殺者の集団。マリジャー派はハロガーン山脈の東にある荒野に秘密の要塞を有している。「星の門」を使って、彼らが自由に各地に出入りしているものと考えられている[39]
生命の大木イグドラシル
エデンの園に生まれた最初の木。千年の間、この世を支えてきた[47]
生命の若木
生命の大木イグドラシルから生えた若木。カールランドの北のドラッケン山のふもとにある復活派の修道院で代々育てつづけてきた。修道院からは、生命の大木イグドラシルに代わり、新しい時代を支えるものとして期待されている。オパラールのマギ派によって修道院から盗まれた[47]
マギ派 (原文:Magician Sect)
オパラールに本拠地を持つ火をあがめる宗派。火から作られたジニーから火を吸いだし、生命のないぬけがらにするか、その火を消して、奴隷にするため、ジニーに強く憎まれている。オパラールのハロガーン山脈を越えた切り立った崖の上に、建物全体がまるで巨大な岩を削って造られたかのように見える黒灰色の石の柱を持つ砦を構える。魔法を使って、カールランドの復活派の修道院の防御を破り、炎の橋に乗って、生命の若木を盗んだ。砦には強い魔力を持った司祭長がいて、多くの司祭や侍祭、衛兵を従えている[48]

5人の真のマグス

何世紀も昔にレジェンドを支配していた、60人の大魔法使い「真のマグス」のうちの5人。彼らはクラースの神々と交信するために、7年毎に聖なる都スパイトに集合していた。しかし、2世紀前に、悪魔が引き起こした、もしくは真のマグスたちが互いを憎しみあい、戦いを行った結果起きた「大爆発」により、スパイトは崩壊し、集まっていたマグス達も全滅したと言われていた[32][29]

しかし、その「大爆発」は、事故ではなく、「マグス・トール」ら、真のマグスのうちの5人が古代の儀式の途絶を謀り、その儀式で召喚された邪神が殺害された時に生じたスパイトの壁が割れるほどの邪悪なエネルギーが起こした大爆発を利用した計画的なものであった。この5人の真のマグスは、決して災害から逃れるためではなく、目的そのものとして、この大爆発のエネルギーを利用して、自らの魂を宇宙に放ち星と化した。彼らの魂は「ブルームーン」、「レッドデス」、「ホワイトライト」、「プレイグスター」、「ギフトスター」という五つの星となり、人間が聞いたことがない宇宙の調べを聴き、天の秘宝を知ることで、かつての真のマグスの力をはるかに超える強大な力を蓄えている。そして来たる紀元千年に転生して地上に舞い戻り、神に近い存在として、魔法の力で世界を取り囲み人類を完全に支配し、恐怖の新時代を開こうと企んだものである[49][50]

5つの星は、地上から見るとそれぞれが月の約5分の1の大きさに見える。現在の民話にでも、この5つの天体は5人の真のマグスの魂が神となったものと伝えられ、彼ら真のマグスは、この世界に戻ってくることを企む悪意のある存在として、民話にひんぱんに登場する。彼らはまた、占星術においても、不吉な意味ではあるが強い意味のシンボルとなっている[32]。彼らは死を経験する事なくこの世に留まった事で、骸骨男やゾンビとは違う意味で「亡者」という扱いをされ、神話の人物である、ある種の神となっている[51]

「真のマグス」の魂である5つの星は冬至の真夜中に地上に降りてきて、復活をしようとする。その際、5つの星からかすかな音楽が発せられ、それは次第に強まっていき、彼らが復活を果たした時に最高潮を迎え、とてつもない高音となる。「真のマグス」が「神々」として完全な形で復活した場合は、ブラッド・ソードを所有していたとしても主人公たちに勝ち目がないが、地上に降り立ち⼈間の姿に戻ったときのほんの数秒間は、感覚が混乱しており、彼らが宇宙の流れから⼒を引き出している間に、攻撃を受けやすくなる。そのため、彼らが復活の儀式に半ば成功して地上に現れた時も、現実世界に完全に入る前に倒すわずかなチャンスが存在する。地上に降り立った時、それぞれがきらめく⾊の光を放つローブをまとっているが、彼らの肉体は見通せないほど真っ黒な姿である。わずかに不協和音はあるが、彼らは同時に話す。戦闘では、毎ラウンド自動的に成功する魔法のパワーボルトをブラッド・ソードの所持者に集中して放ってくる。戦士はダメージを半減することができるが、彼らは時間とともに精神力と生命力を上昇させていく。その近接攻撃も、また強力である[52]

ブルームーン
第2巻から登場。青い星で、占星術では神秘、逆説、幻想を表し、また生と死の境界であり、そのために秘術の知恵を表すとされる[32]。真のマグス・トールの魂が化身したものであり、主人公達が「ブラッド・ソード」を探して、「真のマグス」を倒すという任務を託されるきっかけを作った存在でもある。自身をあらわす色と紋章は青であり、そのマントは空の青をしており、堂々とした姿で、まばゆい光を放っている[29]。第2巻において、狼男や幽鬼(ストーカー)を配下として操る他、幻影を作り出す事を得意としている。また、人が信じ込んだ幻影を実体に変え、モンスターと化して襲わせる事も可能である[53]。スパイトを囲む断層である「コールドロン」では、スパイトへ瞬間移動するために、次元を飛ぶ扉を用意している[54]。スパイトの廃墟では、青い扉の部屋で主人公たちをはばみ、幻影の魔法と、幻覚や妄想を生み出す力で主人公たちを攻撃して、青いロッドを守る[55]。人の心を通して、幻影の魔法の力で、自分自身の分身を作り、やがて実体化することができる。戦闘では、毎ラウンド自動的に成功する魔法のミラージュボルトをブラッド・ソードの所持者に集中して放ってくる。戦士はダメージを半減することができるが、ブルームーンは時間とともに精神力と生命力を上昇させていく。その近接攻撃も、また強力である。ただし、彼の幻影は、それを意識できる人間がいなければ、実体を失うという弱点も存在する[56]。5人の真のマグスの中でも、リーダー格な存在であると考えられ、最も数多くの危険な魔法の罠や怪物を仕掛けてくる。彼自身もたとえ、彼一人になっても問題ないと考えているようである。
ホワイトライト
第2巻から登場。白い星で、占星術では知識と良識を表し、永遠の変化をもたらす、絶対的かつ積極的行動とされる[32]。真のマグス・ウルの魂が化身したものである。自身をあらわす色と紋章は白であり、そのマントは閃光のような白をして、堂々とした姿で、まばゆい光を放っている[29]。第2巻では、魔術師オーガスタスを配下とし、ブラッド・ソードの鞘を奪ばせようと仕向ける。スパイトを囲む断層である「コールドロン」では、スパイトへの飛空を可能とする、輝く白い金属で装飾された大きな鳥の像を用意している[57]。スパイトの廃墟では、白い扉の部屋で主人公たちをはばみ、白い鋼の短いロッドを守らせた「バイオフェージ」を挑ませ、砕ける石橋で主人公たちを惑わしてくる[58]。なぜか、彼の仕掛けたものは、結果的に主人公たちを助けることになることや、危険性が低いことが多い。
レッドデス
第2巻から登場。赤い星で、占星術では一般的に悪意ある大虐殺と恐怖の象徴と見なされているが、他の見方では、個人の精神内での闘争とされ、解決すれば悟りへと通じるとされる[32]。自身をあらわす色と紋章は赤であり、そのマントは真紅をして、堂々とした姿で、まばゆい光を放っている[29]。第2巻では、吸血雪男を配下として、主人公たちを襲わせる。彼の配下は、ブルームーンの手下とは仲が悪いらしい。スパイトを囲む断層である「コールドロン」では、赤い宝石の山とそれを守る真紅の巨大コウモリを仕掛けている[59]。スパイトの廃墟では、「ブラッドレッドスコーピオン」を仕向けるとともに、赤い扉の部屋を仕掛け、「レッドデスの先駆け」に赤いロッドを守らせて、さらに「サラマンダー」たちに主人公たちを攻撃させてくる[60]。「真のマグス」の中でも、直接的でかなり危険性の高い罠や怪物を使い、特に積極的に主人公たちを危機におとしいれる。
プレイグスター
第4巻から登場。緑の星で、占星術では病気を示すものとされ、他の認識では、創造におけるあらゆる行動の後に必然的に生じる腐敗と堕落として解釈されている[32]。真のマグス・カルーゲンの魂が化身したものである。自身をあらわす色と紋章は病的な緑であり、そのマントはエメラルドの緑をして、堂々とした姿で、まばゆい光を放っている[29]。疫病の霧を送り込む事が出来る。スパイトを囲む断層である「コールドロン」では、断層の狭い部分に橋のようにかかった古代の巨大生物「コロッサス」の遺骸を用意している[61]。「大爆発」が起きる前の過去のスパイトでは、「黒の乗り手」を配下として使っていた[62]。スパイトの廃墟では、緑の扉の部屋で主人公たちをはばみ、「アンクリーン」を挑ませ、「アンデッドの女王」に緑のロッドを守らせている[63]。アンデッドを使うため、彼の妨害は、ブラッド・ソードを手に入れた主人公たちには効果性が低い傾向にある。なお、英語旧版では、彼は生前は、「マグス・カルーゲン」であったとされる[64]
ギフトスター
第4巻から登場。金色の星で、占星術では(幸運と不運双方の)運と奇跡の象徴とされている[32]。自身をあらわす色と紋章は金色であり、そのマントは金色をして、堂々とした姿で、まばゆい光を放っている[29]。邪悪な贈り物をもたらす、青白い霧を送り込む事が出来る。スパイトを囲む断層である「コールドロン」では、断層を渡るための狭い黄金の橋を用意している[65]スパイトの廃墟では、金色の扉の部屋で主人公たちをはばみ、罠と噴水で待ち受け、「アナーチ」を挑ませて、金のロッドを守らせる[66]。ランダム的な要素が強いとはいえ、基本的に主人公たちに害をもたらすが、「贈り物」をつかさどっているためか、第5巻では選択次第では、主人公たちに利益を与えることもある。

主要な登場キャラクター

イコン
第1、3、4巻に登場。ヤマトのウタヤマ(ソングス山)国スゲンシキ家の当主である恐れ敬われる評判高い魔法戦士。「神を恐れぬイコン」の異名を持つ。本名はエイケンで、「魂の形」とほぼ同等の意味がある。第1巻で現在のマグス・ウルに雇われて迷宮の競技に参加するも、主人公達に敗れて撤退。以後、復讐のために主人公達の邪魔をする宿敵となる。サイキという妹がいる。主人公の魔術師が使用する精神魔法「盲目的服従」が通じない。クレサンチウムにいるサイキの館を訪れた後、オトレメールに主人公がいることを知り、追跡を開始する。「死の霧」、「報復の火」、「霧の呪文」、「炎の壁」、「死の復讐」の呪文を使う。ブラッド・ソードが修復された直後に、死の集約点を通って黄泉の国に送られてしまうが、その際にブラッド・ソードを持ち去ってしまう。4巻では、「ハラゲイ(コンストレーション)」、「ヒカリ(光)」、「ニンドウ(不可視)」、「シャケン(投げ菱)」の呪文を使う。魔法を使えず、打撃を受ければシャボン玉のように消えるが、イコンと同等の戦闘能力を持つ四つの分身を使ってくることもある[22]
ファルタイン
第1巻から登場。異次元に住む妖精の一族。主人公の魔術師が使用する「ファルタイン召集」の呪文によって呼び出される。普通の人間には姿が見えない。様々な強力な魔法を使う事ができ、魔術師と取引する事で手助けをしてくれるが、口が上手く、かなりずる賢い性格で、法外な要求をしてくることや、期待外れな結果を残す事も多い。魔術師に呼び出されるのは常に1人だが、いつも同一人物が呼び出されているわけではない。仲間を助ける時でも、余り進んではやらない。
吟遊詩人
第2巻に登場。本名不明の年老いた吟遊詩人。白い髪と青い目をしており、竪琴を弾き、ほこりまみれの衣を着るが、その顔には強い意志と誇りが見て取れる。スパイトの「大爆発」と、その時に三つに折れた剣の伝説を歌う。何世紀も前に破壊された生命の剣ブラッド・ソードを修復するために旅を続け、鞘を手に入れて柄のありかも突き止めたが、「真のマグス」の1人・ブルームーンが送り込んだ狼男達によって殺害され、死の間際に主人公達に任務を託す。彼の正体は、第5巻のエンディングで判明する。
エメリタス
第3巻から登場。カドリール出身のコラード人の医師。主人公の僧侶とはカクソスの啓蒙修道院で一緒に修行した仲であり、修行を終えた後、托鉢僧となって聖都イブラヒムへ巡礼し、クレサンチウムの銀細工師街で医者を開業した。クレサンチウム一の賢人とされ、患者を富や身分で差別しない人柄から、街の人々から慕われている。患者からは金をとらない方針。血を抜く昔ながらの治療法に反対している。身分のあるコラード人は土着の者などと親しく交わるべきではない、という大方の考えに反して、ターシム人の奴隷の娘ダリを妻としている。個人のものとしては、オトレメールでも1、2を争う蔵書の図書室を持ち、主人公たちの帰還後も、その情報収集に協力し、旅に必要な食糧を提供する。第5巻でもその姿を見せる。
トビアス・ド・ヴァントリー
第3巻から登場。ショーブレット北部の都市ヴァントリー出身の魔法戦士で、クレサンチウムを守るカペラーズ騎士団の総司令官。恐ろしい顔つきであり、厳しく無神経な性格の人物。レジェンド世界の一般的な宗教トルー・フェイスの熱狂的な信者であり、東方のターシム人を始めとする異教徒を嫌い見下し、その改宗を強制しないコラード人たちをワイロで堕落したと考えている。一時期は協定を結んでいた暗殺団のマリジャー派と対立している。身勝手な思い込みで相手を悪魔崇拝者扱いして火あぶりで処刑しようとする狂信者である。生命の剣の片割れである死の剣を探している。狂信者なので「盲目的服従」が通じないが、神の使命にからめた話をするとだまされやすい。ただし、魔法の剣を使う剣の名手であるとともに、異教徒の魔法を神のために役立てようと習得しており、魔法に対する知識は持っているため、魔法を見抜くこともある。「クリソトーチ」、「ユークティア」、「カタクロニズム」、「セローニゼーション」の呪文を使う。配下の騎士の指揮官に、バリアンとクローヴィスがいる。
ファティマ
第3巻から登場。ヴェールをかぶった東方のターシム人の女魔術師。複数の人間を灰色のネズミに変え、神々の影すらも野良ネコに変える魔法を使う強力な魔術師である。普段は魔法の庭園に住んでおり、庭園につながる道がターシムのいたるところにあり、その秘密の扉は彼女の「大きな銀の鍵」で開けることができる。ハサン・イーサバーとは友人関係にあり、庭園を時々、使わせている。主人公たちに黄泉の国に行くことができること、その方法を知るエンタシウスの存在を伝えてくれる。
ハサン・イーサバー
ファティマの友人で、ハロガーン山脈東の荒野に秘密の要塞を構えるターシムの異端派に属し、コラード人から暗殺結社と呼ばれるマリジャー派のリーダー(団長)である。「山の老人」の異名を持つ。文献をさかのぼると、少なくとも100年前に彼のことが記されている。この記録が全て、同一人物について述べているものだとすると、彼はターシムの神秘である長寿の達人の一人であることは間違いない。常人の三倍ほどの人間離れした力と音もなく立ち去る機敏さを持ち、その武勇談は世界中で知られている。彼もまた、死の剣を探している。「この世には良いことも悪いこともない。全て妄想である」という思想を持つ。行動しようと努力せずに、行動する人物である[22]。主人公たちがクエストを始める以前から、マリジャー派により「真のマグス」に対抗する計画を立てており、主人公たちと会った時には、再会するかもしれないことをほのめかしていた。しかし、後に、彼の末息子であるカルナズの口から、「ハサンは、主人公たちと会った後、パンシガール暗殺団の指導者ジョモ・マハダールとの戦いで重傷を負った。その傷は癒えず、彼の健康に影響を与え、数世紀を生きていたその高齢が一気に現れてしまい、主人公たちのクエストに加わることができなくなり、後をカルナズに託した」ことが語られる[67]

各巻に登場するキャラクター

1巻に登場するキャラクター

現在のマグス達
現在のクラースを支配している魔術師達。約30人存在し、それぞれが自分の領土の絶対統治権を持つ、実質上唯一の専制君主である。彼らの殆どは、何世紀も前にスパイトの崩壊で「真のマグス」達が滅びた後の混乱の中で力を手に入れた、執事や見習いの子孫である。クラースの各地域は常備軍を持つ事ができず、マグス同士の抗争は地下迷宮の競技(砦のダンジョン)か、時には暗殺によって決着がつけられる。彼らのうち、地下迷宮の競技を取り仕切るのはマグス・トール、参加者募集が行われる砦の持ち主はマグス・カルーゲンである[28]
マグス・カルーゲン
地下迷宮の競技(砦のダンジョン)が行われる砦の君主。無慈悲なことで知られ、他のマグスたちから多くの土地を奪い取っている。そのため、地下迷宮の競技に勝つ気が余りなく、自分の闘士を支援するどころか、もてあそぶような行為を行う。年に半年は、カルーゲンの砦に通じる土手は、沼地の水位の上昇により没し、難攻不落となる。水位があがった期間は、空飛ぶじゅうたんを操るマグスたち以外は、砦に行き来することはできない。「苦しみの館」という宮殿に住み、ゲームを好み、主人公たちに「山の老人」と「フレイの雄鶏」というゲームを持ちかける。
マグス・バラザール
マグスたちの中では、最も公正な人物。地下迷宮の競技(砦のダンジョン)に負けており、今回の競技で敗れると多くの領土を失う立場であるため、強く勝利を望んでいる。闘士を選ぶために試験を行い、選ぼうとする。幻影の魔法と「ネメシスの電光」を使う優秀な魔術師であるが、マグス・ヴァイルの宿敵であり、その刺客から命を狙われている。「ロジ・スカイランナーの剣」と「ブルートゲトランカー(血を吸う剣)」を所有している。
マグス・ヴァイル
日の光を嫌い、夜ごとに血を求めるヴァンパイア(吸血鬼)の一人。「青の塔(ブルータワー)」に住んでいる。吸血鬼の秘密結社に入り、たくさんの人間をいけにえにしている。手裏剣を使う多くの刺客を配下に持つ。打撃によって相手を麻痺させる能力や、オオカミに変身して敵を追う能力、倒されても再生する能力を持つ。
ネビュラロン
砦のダンジョンにいる。クラースの身分の低い悪魔の一人。青く光る目以外は、全身が真っ黒で影のような姿で、四本の腕に黒い新月刀を持つ。魔法をはじき飛ばすバリアを持ち、魔法が通用せず、強力なパワーで扉を閉ざしてしまう。非常に強力な戦闘能力を有し、この巻の主人公たちでは通常の戦法では勝利することは困難である。倒した場合、経験点が特別にもらえる。英語新版のペーパーバックの表紙を飾る。
クレフ
クラースの地下迷宮(砦のダンジョン)で競技の参加者を待ち受ける、競技進行役の魔術師。「金のスパイラル」というゲームのチャンピオンであり、参加者にそのゲームのルールを説明してから勝負を挑み、決着が付くと勝敗を問わず、参加者を魔法で更なる地下深くの迷宮に送り込む。参加者が勝った場合や引き分けた場合、参加者に贈り物を与える。だが自分の説明で相手がルールを理解しなかった場合、怒って相手に魔法でダメージを与えてから地下に転送する。
エキドナ
クラースの地下迷宮(砦のダンジョン)の奥にある神殿に住む半人半蛇の魔女。美しい女性の顔をしているが、その顔は青白く光り、肌は緑がかっており、顔の周りにはヘビがとぐろをまいている。人の生き血を吸う恐ろしい悪魔の一人。九頭の蛇・ヒドラの母にあたり、神殿の周りにいるハッグ(魔女)たちの女主人でもある。目をあわせると、血をささげるように命じてくる。その牙に強い毒を持ち、高い戦闘能力を有する。カリウムの破片を所有する。日本語翻訳版の表紙を飾る。
マグス・ジン
真のマグスの一人。大爆発が起きる以前に他の真のマグスたちを裏切るが、下男であった巨人のスクリミールを殺され、捕らえられる。しかし、マグス・ジン自身は真のマグスたちも殺害することはできないため、クラースの地下迷宮(砦のダンジョン)の出口付近にある地上から空中に浮く玄武岩の島に監禁され、千年の間、眠っていた。現在でも、半透明の悪霊となっても、地獄から悪鬼を召喚することができる魔力を有し、スクリミールを復活させることで現在のマグスへの復讐をたくらんでいる。彼への協力を承諾すると、スクリミールの化石の心臓を与えられるが、主人公たちの逆らう力は奪われてしまう。
スクリミール
第1巻のラスボス。4メートル近い巨人。「誇り高いヨタンハイムの巨人」を名乗る。マグス・ジンの下男として、真のマグスたちに戦いを挑むが、真のマグスたちの魔法によって、心臓を石にされ、肉をちりに変えられ、骨を砕かれる。骨だけになっても、現在のマグスたちに対する復讐をはかり、頭蓋骨から、自分の骨を集めて、協力するように依頼してくる。肉体の部位は、化石の心臓、頭蓋骨、あばら骨、両腕、両足の7つあり、勝利の紋章近くの鉄の骨組みで復活させることができる。復活した場合、現在のマグスたちの待つ大聖堂に転送していき、カルーゲンの砦を落として、虐殺を行い、大勢の現在のマグスを殺害する。ただし、データとしては、主人公たちに強力なアイテムの存在や魔術師がいた場合、勝利することが不可能な数値ではない。

2巻に登場するキャラクター

幽鬼(ストーカー)
黒いマントをはおり、小さな青い目をしたドクロの怪物。空中に浮かぶブルームーンから放たれた青い閃光が地上に落下した後、地面から蒸気が立ち昇り、その中心にある闇が広がって、地面からその姿をあらわす。真のマグスであるブルームーン(マグス・トール)の忠実な家臣であり、大爆発以前は、その執事をしていた。ブラッド・ソードの鞘を手にいれるために地上に遣わされる。ブルームーンの魔力や幻術の助けを得て、主人公たちを追い詰めてくる。
ヴァラダクソール
ミストラル海に通じるカノング港の近くにあるミスドラックス村の宿屋にいる老騎士。「ルションの騎士」を名乗る。灰色のレディによって、三人の兄弟を殺されており、復讐を考えている。主人公たちが手助けに同意すると、危ない足取りで、鎧をつけ、乗馬を行い、はりきって戦いに赴く。戦闘では勇敢に戦う。聖アシャナスの指の骨が入った「銀の十字架」を所持している。
灰色のレディ
ミスドラックス村の近くにある城に住む。若い女性の姿をしているが、髪は真っ白で、肌は石のような灰色をして、鋭い目つきをしており、城の王座に座っている。美貌と教養がありながら心に悪魔が住んでいると言われている。太陽の光を浴びると石化するが、その状態でも魔法の力を持ち、テレパシーで会話をしてくる。金縛りの魔法、魔法から守る超能力の壁(バリア)を使い、二体の「鎧の化け物」を操り、ひきがえるのような小さなデーモンを従えている。血管には灰が流れ、死ぬ時には石膏像のように砕け散る。「虐殺の球」、「神秘の球」、「疫病の球」、「贈り物の球」、「火の球」を所有している。
オーガスタス
「ヴァントリーのオーガスタス」を名乗る魔法使い。紫色のマントをはおり、やせている。首からぶらさげた白い石のお守りで、空飛ぶじゅうたんを操る。ミストラルの断崖にある白い塔に住み、白い塔では、大きなデーモンと、四人のデーモンの従者が仕えており、いくつかのマジックアイテムを置いている。真のマグスの一人、「ホワイトライト」に仕えており、主人公たちの「ブラッド・ソードの鞘」を奪おうとする。戦闘では、「幻の蛇」、「幻惑」、「粉砕」の魔法と短剣を使う。また、船を飲み込むウォーター・エレメンタルを使うこともある。空飛ぶじゅうたんは、シャーカンという人物をだまして普通のじゅうたんとすりかえて、奪い取ったものである。
ラザルス
「クエスティング・ビースト号」という捕鯨船の船長。副船長にビルダット、船員に「切られのジャダック」、雑用係の少年にキーノイがいる。実は、ミストラル海に住むミッドガルドの大蛇、ジョルマンガルドをつかまえるという妄想にかられている。彼の水夫は手練れぞろいである。彼自身も偃月刀を使う。
ウルバ
北の国ワイアード王国のとある村に住む、十代の予言者の少女。頭髪は金髪の一本のポニーテールを残して剃り上げ、両目の上には白い色が塗られ、額の中央には円形のいれずみをしており、落ち着き、自信に満ちた表情をしている。ワイアード王国の予言者は階級の1つとされており、預言者は、好きなところをめぐり、森や農家で寝て、法律を無視する生活をしており、吟遊詩人を兼ねて、農民たちに権威を恐れないように説いて回っているが、何故かワーロック王からは黙認されている。ウルバもその予言者の一人として、ワーロック王を「老いぼれ」や「夢を奪う奴」と呼び、少しも恐れず、むしろ、軽蔑や哀れみの感情をいだている。ワイアードやワーロック王の過去を主人公たちに伝え、漠然とではあるが、主人公たちの未来を指し示すとともに、助言を与え、強力なアイテムである「鉄の鈴」を主人公たちに渡す。
グリスタン
ワーロック王の住む「永遠のたそがれ城」のある小島が浮かぶ湖の上を渡る屋根付きの三本の橋の入り口近くで、周囲を見張っている巨大な悪鬼。二本足でよたよたと歩き、騎士の盾のように大きなうろこでおおわれており、槍の柄のように太い角を生やしている。グリスタンが歩くと、雪が解け、草もしなびて枯れてしまう。倒してもワーロック王の魔力で復活する。三本の橋は、「永遠のたそがれ城」の「混乱の門」、「虐殺の門」、「恐怖の門」のどれかに続いている。
タナトス
「永遠のたそがれ城」の奥にある教会の翼廊のさらに奥にいる巨人の一人。戦士であり、紫色の宝石と黒檀でできた奇妙な鎧と黒い金属製の篭手を身に着け、ギザギザの刃の剣を持ち、足元には数世紀を経たほこりが積もっている。主人公たちに決闘をいどんでくる。頭蓋骨(スカル)のお守りがあれば、有利に戦うことができる。旧セレンチーヌ帝国の第一軍団の軍旗を守っている。
ワーロック王
第2巻のラスボス。六世紀も前から北の国ワイアード王国を支配している魔術師。「永遠のたそがれ」城に住む。水晶の冠をかぶり、燃える杖を持つ邪悪な目つきをした老人。王国内における現実を具現化する力があり、ワイアード国民の夢の中に入り込んで尋問することや、罰する事が出来るため、反逆を企てるものがいると、それをすぐに悟って、反逆者を眠っている間に殺害することができる。他の国出身の人物は、夢の中では殺すことはできないが、「永遠のたそがれ」城において、現実に具現化する強力な魔法で侵入者を迎え撃つ。「真のマグス」たちも、ワーロック王のワイアード内の夢には入ってくることができない。「真のマグス」たちが地上を支配していた頃、大爆発が起こるまでその家来だった過去を持つ。ブラッド・ソードの柄を所有している。かつて、ワイアードを住みよい国にしようとして、季節がめぐらず、死も訪れない豊かで変化のない本当のパラダイスに変えた。しかし、パラダイスに耐えられず、冷たく残酷な王になっている。日本語翻訳版2巻の表紙を飾る。[32][68]

3巻に登場するキャラクター

ジャブロ・ザ・ナイフ
盗賊(トリックスター)の古い知り合い。クレサンチウムの宝石市場の近くに住んでいる。盗賊(トリックスター)と同様、破廉恥な悪党であり、ターシム人の老人に変装している。変装の名人でもあり、オトレメールで有名な殺し屋であり、現在でも総督府などで誰かを暗殺している。「紫の塔の玉座」という宿屋を勧めることもある。
ラグレスタン
盗賊(トリックスター)の古い知り合い。ポーメルシームの居酒屋で酒を飲んだ仲。クレサンチウムで香料の貿易商をしており、大金持ちとなっている。現在はカペラーズ騎士団の船の手配をしている。商人に扮した三日月形のナイフを持った4人のターシム人の殺し屋を護衛にしている。クレサンチウムの港でキータンの絹の密輸も行っており、ボルカスら8人の密輸犯を配下にしている。ロック寺院のトビアス・ド・ヴァントリーへの紹介状を書いてくれることもある。
プシュケ
クレサンチウムの町はずれの館に住む魔女。ヤマト出身のほっそりとした若い女性。優れた魔法戦士であり、相手を猿に変える魔法を使い、魔法で真紅に輝く剣をつくりあげて戦い、血を吸うコウモリの一団を操る。星占いを研究している。配下に2人の大男の奴隷、下半身が石の半人間がいる。強力なデーモンを召喚することもある。地元の人々からは、人間を食う悪鬼と呼ばれ、奴隷の舌を切っていることもある。実名は別に存在し、ある人物の妹にあたる。「イブリスのルビーのブローチ」を所有する。ペスト王エクフェリナーと魂を契約しているため、死後、彼女の魂はその奴隷とされ、さらに海賊王ハンガックの所有物となっており、永遠に魂を鎖でつながれてしまっている。
ササリアン
ターシム人の国オパラールの王子。生まれつき人を裏切る性質があり、油断のならない人間として忌み嫌われ、国を追放されて現在ではクレサンチウムの肉屋に住んでいる。多くの敵をつくっており、今でもうらまれている。整った黒い顔をしているが、厳しい視線をしており、その表情から激情と冷酷さがうかがえる。彼も死の剣を探しており、ブラッド・ソードと死の剣がハクバッドの都にあることをつきとめ、それを探しだすためのハチュリ(木の人形)の両目となるエメラルドを求めている。強力な魔法戦士でもあり、壁画に描かれた古い神話上の神々(悪魔)の影たちを実体化させる魔法を使える。金色のターバンをしており、その中央にあるサファイアからエネルギーを放出する。戦闘では、剣と「盲目的服従」、「死の霧」と、サファイアのエネルギー弾を使う。
ハンガック
大昔、偉大な魔法使いサークナサール殺害を始めとして、数々の流血の略奪を行っていた海賊王。ハチュリの目となる二つのエメラルドを奪いとったのも彼である。500年前に死亡したとされていたが、実は亡者のような存在となっており、幽霊船と化した船デビルス・ランナー号で異世界の海をさまよっており、時折、マラジッド湾付近の海に現れる。現在でも、ペスト王エクフェリナーと賭けを行い、魔王フェシティスと争っている。鉄の鎧をつけ、海藻におおわれているが、驚異的な戦闘力を持ち、二本の魔法の戦斧により二度攻撃が可能。「盲目的服従」が通じない。勝利した場合、主人公たちを称えてくれる。
ジニー
炎から作られた巨人。悪魔王ジンの息子イブリスに使える一族であり、「ターシムのデーモン」を自称する。頭が空につっかえるほどの巨体に凄まじい力と強大な魔力を持つ。700年前、人間の魔術師によって真鍮の瓶に封印され、その間、自分を助け出した者に3つの願いを叶える報酬を与える誓いを立てたが、長い年月のうちに性格が歪み、自分を解放した者に与える報酬は死と決めてしまっている。口に出してはならぬ名を挙げ、サラマンの巻物とバカラの息子イザフの七つの指輪に書かれた儀式の言葉を唱える事によって拘束される。負けを認めると、主人公たちに「富の力」、「元気の力」、「修復の力」、「増強の力」、「輸送の力」のうち、3つの願いをかなえてくれる。大昔のマギ派と対立したことがあり、マギ派に憎しみを燃やしている。かなりの話好きである。
サークナサール
故人。強力な魔法使いであり、グレイ・ロックの頂上に、難攻不落の砦を構えていた。探し物を探すためのマジックアイテムであるハチュリ(木の人形)を作ったが、4世紀前に海賊王ハンガックに殺され、その両目のエメラルドを奪われている。サークナサールの死後、砦は廃墟と化している。ジニーの話によると、700年以上前から、かなり知られた魔法使いであったようである。
セブン・イン・ワン
木で彫って作られたようなずんぐりとした凶暴な原始の神。ハクバッドのブラッド・ソードの刀身があるダンジョンの奥を守っている。厳密な意味では魂を持っていないため、「盲目的服従」の呪文は通用しない。倒すと、クルミのように二つに割れて、殻の中から一回り小さいが形のまったく同じ木像がでてきて、戦いを挑んでくる。これが、その名の由来となっている。

4巻に登場するキャラクター

パルドロ
クレサンチウムに停泊しているエルスランドへ向かう巡礼船「プロヴィデンス号」の船長。ひどくやせており、言葉にはコーナンブリアのなまりが少し残っている。操舵手にガスリック、船員にライアム、犬にガスがいる。エメリタスにおこりを治してもらったことがあるが、強い恩は感じていない。海賊たちを船上で残酷な刑罰にかけたことがある。船員にかなり厳しい人物であり、主人公たちにも狭い船室しか与えてくれない。しかし、勇敢で責任感の強い人物でもあり、筋を通してくる。主人公たちの戦闘に加わってくれることもある。
シルソール
クレサンチウムに停泊しているフェロメーヌへ向かう商船「ゴールデン・ランス号」の船長。大男であり、利益や金に厳しく、ずるいところのある人物であるため、主人公たちをできるだけ船で早く降ろしてフェロメーヌに向かおうとする。操舵手にロックベンとヴェロッキオがおり、屈強な水夫たちを配下にしている。トビアス・ド・ヴァントリーから乗船の紹介状をもらうこともある。
キルケー
西のデオルスク海に浮かぶある島を二千年前から支配している魔女。背の高いやせた優雅な女性であり、金髪の髪をむき出しの肩にさらし、真っ赤な唇、くすんだ灰色の瞳を持ち、長いスリットのある古風な衣装をつけ、銀製のサンダルをしている。魔法を島じゅうのあらゆる場所にかけており、精神が弱いものを操り、幻覚を見せ、島を楽園のように思わせることができる。島に大理石でつくったエンフィドール様式の宮殿に住んでおり、島の女王を名乗る。戦闘では、「死の防御壁」と「死の凝視」の呪文を使ってくる。魔法でつくりあげた青銅の戦士たちやヒキガエルの化け物を使ってくることもある。銀色の小鳥たちを使い、移動させる魔法も使える。
エンタシウス
北西のミスト海のはるか西にある、とある島で召使いの女性とともに住んでいる老魔術師。島にある洞窟につくられた地下室に住んでいる。古代セレンチーヌの貴族であり、魔法によって千年以上も生き続けている。生きたまま「黄泉の国」へと旅立ち、現世に戻ってくる方法を知っている世界で唯一の人間である。今は亡き恋人コーデリアをいつまでも夢見つづけており、「黄泉の国」から現世に連れ戻す事を望んでいる。ザクロとロータス、ベルドンナの樹液を蒸留させてつくった薬で「黄泉の国」へと送る。船を追い払うために、五日間、ひどい嵐を起こすほどの魔力を有する。主人公たちに迎えの使者を送ってくることもある。実は死を恐れている。
旅人(トラベラー)
「黄泉の国」にあらわれる、つば広の帽子に、古ぼけたマントを羽織っており、ランプをぶらさげた長い杖をかついだ男性。目はギラギラと光っている、かつて、アガルモン、ジステオスなどたくさんの名前があったと名乗る。生前につくった借りを返すため、主人公たちの「黄泉の国」の案内役を名乗り出て、主人公たちと同行して、様々なことを助言してくる。かつて生きていた人間の魂であり、幽霊、死人の影ともされる。
アングバーグ王
「黄泉の国」にあるアングバーグ王の館に住んでいる。目に荒々しさをみなぎらせ、真っ赤なあごひげをはやし、人間ばなれしたたくましい体つきをしている。圧倒的な戦闘力と生命力、山すら持ち上げる力を有する。電撃の呪文と「盲目的服従」が通用せず、王に勝つのは不可能とされ、王に勝った場合の選択肢が存在しない。度胸のある勇者を好み、その勇敢な戦いぶりや話術をたたえてくれる。スラッド姫という娘がいる。百人近い鍛錬を重ねた家臣の戦士たちと執事が仕えている。そのハチミツ酒は魔法の酒で、生命力を回復し、プレイグスターの呪いも解く。「蜜ろう」と稲妻から身を守る「銀の腕輪」を所持している。その正体は、ビンスキルニールの王である雷神トールである。
レイ・クン
雷をつかさどる雷の神。雷が形をとった神であり、主人公たちを理由なく攻撃してくる。飛行しながら、口から稲妻を吐いて攻撃してため、弓か魔法でしか攻撃できない。銅の杖に反応して、まずはそこを攻撃する。東洋にあるキータイの国の神であり、メンツを失うことは耐えがたく、人間の罵詈雑言に弱い。伝説によれば、月の向こう側の宮殿に住んでいる、という。
アザレル
第4巻に登場。死者の魂が住む王国、黄泉の国を統治している死の化身である大天使。山のように大きな裸の巨人で、肌は黒く、顔には白い目隠しをしており、地面に巨大な剣をつきたて、その象牙の柄に手を置いている。広大な荒野の真ん中に立って、霊たちを見守る。他の時代や文化では、プルート、ヘデス、アラウン、オシリス、ヤーマ等の様々な名で呼ばれている。羽根の生えた黒い肌の巨人の姿をしており、羽には無数の目を持っており、一目で「黄泉の国」の隅々を見渡せる。人間が一人死ぬ毎に、羽根の目の一つが閉じられる。全ての目が閉じられる時に最後の審判が行われる[22][69]
コーデリア
第4巻に登場。古代セレンチーヌの平民の娘であり、エンタシウスの恋人。当時の法律により、貴族であるエンタシウスと結ばれる事が出来ず、二人はセレンチーヌを脱出しようとして、エンピールから西の海にある島に脱出を計ったその夜に、コーデリアはエンタシウスを憎んでいた者達にさらわれて殺されてしまい、待っていたエンタシウスだけが夜が明けると魔法で脱出する事になったのである。彼女の魂は現在も「黄泉の国」に存在する。

5巻に登場するキャラクター

アイスベア(Ice Bear)
スパイトの周辺を囲む巨大な断層・コールドロンの近くにすむ、極寒の地において生息する巨大な熊。金属の鎧を貫くヤマアラシのような棘を持つ。後ろ脚で立ち上がり、歩くことも可能。直接、攻撃しようとすると、棘によってダメージを受ける(2回攻撃できる場合は、2回ダメージを受ける)。ブルームーンの幻影で、実体をもって再現されることもある。第5巻開始時点では単体なら、さほどの強敵ではないが、バジリスクとレイザーバードも一緒に戦うため、勝利することが困難な相手である。英語旧版・英語新装版の表紙を飾る[70]
バジリスク(Basilisk)
スパイトの周辺を囲む巨大な断層・コールドロンの近くにすむ、極寒の地において生息するトカゲのようなモンスター。その視線は、犠牲者を死にいたらしめる。通常は目をつぶっているが、攻撃の時に目を開く。どんな人物も、その視線を見たら、すぐに死に至るまで凍り付く。戦闘中は、隣接している場合は3分の1、離れていても6分の1の確率でその視線を見てしまう。目をつぶって戦った場合は、(的中率はさがるが)直接攻撃は可能であるが、飛び道具や魔法は使えなくなる。ブルームーンの幻影で、実体をもって再現されることもある[71]
レイザーバード(Razor bird)
スパイトの周辺を囲む巨大な断層・コールドロンの近くにすむ、極寒の地において生息する鳥。その翼とかぎ爪は完璧なまでにするどく、クレサンチウムでつくられた鋼よりもはるかに硬い。羽ばたき、金切り声をあげる。6体登場する。小さく、素早いため、攻撃はかなり当たりにくく、ダメージを鎧強度で軽減することができない。ブルームーンの幻影で、実体をもって再現されることもある[72]
巨大コウモリ(Giant Bat/crimson bat) 
翼を広げると20メートルもある鎌の刃のような大きな牙を持つ真紅のコウモリ。スパイト内の端にある高い塔に巣を作っている。コールドロンの縁に出た高台の上にある卵サイズの赤い宝石を大切なコレクションとしており、奪おうとするものが現れると、コールドロンを飛び越えてきて、襲ってくる。相手をつかんで飛び上がって襲うこともあるが、この時、大きく傷つけられると、主人公たちに服従する。数人の人間を乗せて、コールドロンを越えて、自分の巣へ運んでいくこともできる。戦闘力と生命力が高く、高い足場が悪い場所で戦うと恐るべき敵となる。真のマグスの一人、レッドデスと関係があるようである[73]
コロッサス(collossus)
巨大断層・コールドロンの狭い部分にさしかかった、全長数百メートルもある二足歩行の甲殻類のような巨大生物。背に甲羅を持ち、両腕に巨大なハサミを有する。現在は腐りかけて死骸のようになっている。口は洞窟のような大きさで、尻尾がスパイトの廃墟の壁にはさまっているため、その口の中に入り、体内を通り抜けることで、スパイトに入ることが可能であり、体内もさほどは臭くない。実は、冬眠状態に入っており、ある条件のもとに目覚めることがある。目覚めた場合、逃亡することも困難である。真のマグスの一人、プレイグスターと関係があるようである[74]
巨大シラミ(giant lice/Lice)
巨大生物・コロッサスの甲羅の上を這う、シラミに似た、盾ほどの大きさの甲殻生物。コロッサスの甲羅の有機物を掃除する役割を果たす共生生物であり、主人公たちを有機物と判断し、襲ってくる。全部で12体いる。主人公たちには有害なコールドロンの熱い酸性の煙の影響を受けない[75]
レシャーア(Lesha’a/Demon-Load)
「魔王」と表記される強力な悪魔。黄金の橋の中央の五角形の印から黄金の輝きとともにあらわれる。目と口からは緑の光がもれる冷たい笑みの黄金のマスクと、その背後に翡翠のリングをつけた5つの触手を生やした姿を有し、それぞれの触手は、黄金の炎が音をたてて燃える翡翠の杖を持ち、主人公たちを攻撃してくる。異世界の強力な存在の一つであり、真のマグスでも命令まではできず、請願できるだけの存在である。幻覚と魔法の化身ともいえる存在であるため、魔法の力を完全におさえこんでしまう。また、1ラウンドに5回攻撃を行い、さらにその攻撃は、魔法エネルギーの攻撃のため、鎧強度では防げない。ただし、秘められた退散の言葉を認めると、異世界に帰る。また、逃走も可能である。地上の肉体が破壊されると、数百年は現世に実体化することはできない[76][77]
悪魔(Devil) 
黄金の橋を渡り切ったスパイトのバルコニーに、悪魔が忌み嫌う灰色の岩塩でできた棒を格子とする牢獄に囚われている悪魔。4体いて、それぞれ個別に数十年もしくは数世紀のあいだ、閉じ込められている。金色の目をして、口に牙をズラリと生やしている。それぞれ、解放を要求する代わりに代償として与えるものを主人公たちに提案してくる。解放された場合は、「悪魔」的な代償を与えてくる[78]。戦闘では、爪で攻撃を加えてきて、高い生命力と打撃力を有する強敵である[79]
アルゴス(Argus)
次元扉を抜けたスパイト外縁の迷宮にいる。頭部全体と脊柱にそって真っすぐに並んで無数の目を持つ怪物。無数の目を持つため、隣接する4人同時へのかぎ爪による攻撃ができる。迷宮を知り尽くしているため、逃亡はできない[80]
ニンフ(Nymph)
スパイト外縁の迷宮にある、噴水・花・彫像・生垣すべてが軽く色づいたガラスでできた庭にいる妖精の乙女。ガラスのひまわりの上にあるガラス製のベルの中に20センチメートルの大きさで入っており、主人公たちに笑いかけて話しかけてくる。ガラスのベルにとじこめられ、彼女が小さすぎて、持ち上げられないように見える。ガラスのベルから出ると、通常の大きさになる。戦闘では、「千年の眠り」の魔法で攻撃する[81]。また、庭のガラスの木を操り、移動する敵を攻撃することもある[82]
ファフニール(ドラゴン)(Dragon/Fafnir)
スパイト外縁の迷宮にある宝の山の上に住んでいるドラゴン。赤金色の鱗を持つ。元々は人間であったが、強欲の罰を受け[83]、数世紀も頑丈な鉄鎖で後ろ足が洞窟の壁につながれており、解放を求めてくる。現在も強欲な性格は変わらず、逃走するものも許さず、解放されても宝の山を守りつづけることを選び、主人公たちへの返礼を惜しむ。桁外れの戦闘能力を有し、1ラウンドごとに、主人公全体を攻撃するブレスの炎を放ち、近づくことが難しい財宝の山の上にいるため、勝利することはほぼ不可能である。もう、1ラウンドは息を吸い込みながら、かぎ爪で攻撃している。彼のブレスは逃走する相手にも有効であり、外した時も爆発の熱波でダメージを与える。財宝の他に武器として魔法の剣、ミスリル鎧、太古の鋼鉄の剣、盾を所有している。「ファルニール」は人間の時の名であり、表記上はあくまで「ドラゴン」である[84]
ナイトシュリーカー(Nightshrieker)
スパイト外縁の迷宮にいる強力な肉食獣。飛べないが、コウモリの仲間に入る。高音の鳴き声を放って、その反響による音波で、相手の姿と位置と動きを感じ取る特性を有する。絶叫しながら、長く薄い爪で攻撃をしてくる[85]
ブラッドレッドスコーピオン(blood-red scorpions)
スパイト外縁の迷宮にある武器庫において、あるアイテムを持っている場合、そのアイテムから突然、一匹ずつ生まれてくるサソリ。各ラウンドのはじめに、3分の1の確率で、毒を注入してきて、ダメージを与えてくる。攻撃が当たれば死ぬが、体に密着しているため、攻撃が自分が味方にもあたる可能性がある(魔法を使って攻撃すれば、自分や味方にダメージを与えずに倒すことが可能)。死ぬと、空のサナギのような姿となる。だが、その毒を受けていた場合、毒が血流に入り、時間とともに生命力を奪い、緩慢な死を迎えることになる。この毒は通常の魔法では消し去ることはできない。相手が毒を受けて死んだ場合も、ブラッドレッドスコーピオンはサナギのようになって死ぬが、その前に殺した相手の死骸に卵を植え付ける。卵を植え付けられた死骸は次第に赤みを帯びるようになり、誰かが死骸に近づくと、さらに数匹が生まれて襲ってくる[86]。真のマグスであるレッドデスと関係があるようである[87]
ブロントフォン(Brontphon)
スパイト外縁の迷宮にある武器庫の中に住んでいる。巨大なドングリのような肉体に、キチン質の蜘蛛のような四本の脚を生やし、甲羅の背に無数の眼を持つ怪物。角質のクチバシで噛みついてくる。戦闘中に雷のような轟音を発して、次第に、その音によって石壁を砕き、人間の骨をゼリーのようにしてしまう恐るべき能力を持つ。各ラウンドの終了後に、隣接する相手にダメージを与え、ラウンドが進むごとにその与えるダメージは倍化してくる[88]
巨大な石の顔(gargantuan stone face)
スパイトの基礎岩盤の通風孔から降りたところにある、巨大なホールに設置されている石の顔。ホールの壁一面を占め、その口は暖炉となっている。正面には長いテーブルが置かれ、近づくと、主人公たちをかつての自分の主人であった「真のマグス」たちのことだと思い、虚ろな声で言葉を発する。約200年前に起きた「大爆発」により、真のマグスのほとんどが死に、スパイトが廃墟と化したことを知らず、晩餐会が突如中止になったものと認識しており、主人公たちにテーブルについた椅子について、世界に影響を与える力や死霊術の魔力を得る「晩餐」をするように勧めてくる。テーブルにはいまだ「真のマグス」のシンボルが示された50ほどの椅子とその席の前に水晶玉が残るが、水晶玉の光が完全に残っているのは5つだけである[89]。主人公たちが椅子に座ると様々な効果があらわれる。石の顔の口の内部は原始的な発声器となっており、内部に小さい赤い宝石が設置されて、色々な機能を維持している[90][91]
透明な生物たち(Invisible Creatures)
スパイトの廃墟の庭園にいる狼ぐらいの大きさのザトウムシ(あるいはガガンボ[92])に似た、ひょろ長い透明な巨大な昆虫。ひそかに獲物に近づいては、胞子を放ち、相手の体内を食い荒らさせる。やられた相手は少しずつ弱っていき、魔法の回復薬でもこの病気を治すことはできない。戦闘では、鋭く伸びた口先で、相手の生き血をすすってくる。透明なため、攻撃が当たりにくいが、「透視術」を持っている僧侶は通常に戦うことができる。6匹で襲ってくる[93]
ホードレッド(Hordred) 
故人。約1世紀前の人物であり、ライラ修道院の修道院長であった。「大爆発」の後のスパイトの廃墟に入り込んだ数少ない人物の一人。「大爆発後のスパイトの歴史」の書物をまとめていてスパイトの廃墟に入り込んでいた。色々なスパイトを守護する悪魔との交渉方法を調べていたが、スパイト廃墟の庭園の南方にある「クリスタルゲージ(Crystal Gaze)の塔」にいる「デスエンジェル」のことを調べていた時に、デスエンジェルに襲われて殺害された。彼の死体の顔は恐怖の表情を浮かべたまま結晶化し、1世紀経っても残っていた[94]
デスエンジェル(Angels of Death) 
スパイト廃墟の庭園の南方にある「クリスタルゲージ(Crystal Gaze)の塔」にすむ奇妙な飛行生物。全部で6匹いて、真のマグスには、ハトのように従順であるが、スパイトの侵入者には躊躇なく攻撃を加えてくる。その姿は、巨大なコウモリや、やせこけたカラスのような印象を与え、その眼は、闇の中に薄い黄色の光を放って輝き、コウモリや巨大な蛾に似た翼で飛行し、金切声をあげて、侵入者をおそう。その眼が彼らの最大の武器であり、戦闘中に目を開けて彼ら相手に戦った場合、各ラウンドの最初に6分の1の確率で、その視線をのぞみこんでしまい、ブラッド・ソードを装備していない限り、すぐに死亡した上で、死体は冷たい結晶へと変わってしまう。6体登場する[95]
アイスクラッドナイト(カタフラクト)(ice-clad knight/Cataphract)
スパイト廃墟の庭園の北方にある青銅の扉に、霜で描かれた戦士。近づくまでは、真に迫った氷の模様に過ぎないが、突如、実体化して一撃を与えてくる。身長は少なくとも6メートルはあり、青白い肌であるが、活力とエネルギーに満ちている。霜の鎧の上に、さらに氷でできた具足で身を守っており、4メートルを超える鉄のような硬さを持つ黒い氷の槍で攻撃してくる。戦闘中は血を凍らせるような叫び声をあげ、その槍は一撃のたびに破片を飛ばすが、すぐにまた凍結しなおす。生命力、鎧強度、打撃力全てが高いため、通常の戦闘を行った場合、恐るべき強敵となる。戦って敗北すると、その死骸は、光のちりに包まれて輝きだし、氷のもやが起きて冷気がただよった後、ブリザードのような吹雪を放って四散する[96][97]
プラネトル・ムタビリス(planetor mutabilis/Dissembler/Mirage Monster)
スパイトの廃墟にいる。「ディセンブラー」とも「ミラージュ・モンスター」とも表記される。ぶくぶくした紫色の肉体と、太くゆれる足、紫色の縞が入った巨大なタコのような頭部を持つ、セレンチーヌ帝国の建国以前にアスムリアの丘の周りでうろついていた珍しい生物とも、古代神話の生き物ともされる。人の心を読み取って信頼する人物の幻影をまとい、その姿だけでなく、記憶や声や匂いまで再現する。その正体を見抜くような超能力や魔法を使おうとすると、理由をつけて妨害を行い、近づかせた時に魔法で攻撃してくる。戦闘中はその正体をあらわすが、その時も相手の記憶からよく知っている人間の映像や声、匂いを再現して、気をそらして攻撃してくるため、戦士以外は戦闘中は戦闘力と機敏度にマイナスの修正を受けてしまう。戦闘では、尖った口先での攻撃の他に、「盲目的服従」、「死の接触」、「電撃」、「ヴァンパイア」の呪文を使う。戦ってくれる戦士を作り出す「ヒドラの牙」を所有している[98]
黒の乗り手(Black riders)
数世紀前のスパイトやブラックリッデン城付近にいる騎兵の一団。馬に騎乗して、真のマグスの一人であるプレイグスターの色の衣をまとい、絞首刑執行人の黒いマスクをかぶり、魔力がこめられた両手斧で攻撃してくる。冷酷非情な性質で、人々を捕らえて逃亡するものは木に吊るした縄で絞首刑にして、近隣を支配している。戦闘では斧で打撃を与え、相手が精神力の判定に失敗した場合、その敵を魔力で操り、仲間を攻撃させる。彼らが全ての敵を操った場合は、その敵を木に吊るして絞首刑にする[99]。なお、馬が先に倒された場合、落馬によりダメージを受ける。4人と(馬が4頭)登場するが、スパイトには別に彼らの仲間が存在する。彼らは人間ではなく、ワドウォス(wadwos)という種族の生物のようである[100]
巨人スノリッド(原文:Snorrid the Giant)
数世紀前のスパイトの近くにある村からブラックリッデン城にいく丘までに道のりの途中で、さえぎるように寝ている巨人。家2軒以上の身長を有する。100年も眠っていたため、体全体が草でおおわれて、顔の一部にまで生い茂り、髪には草の塊がもつれている。普段は背を向けて寝て、道の一部となっているが、旅人のブーツの靴音や、そのスパイクが背中に当たることで、起きることがあり、その場合は激怒して人間に襲いかかり、卵のように握りつぶす。圧倒的な桁違いの戦闘能力を誇り、主人公たちが勝利することはほぼ不可能であるが、勝利した場合の選択肢が存在する[101]
ヴォルトー侯[102](原文:Baron Volto)
数世紀前のブラックリッデン城にいる。ブラックリッデン城内の地下において、50人ほどで豪勢な宴会している中で、黄金の冠をかぶり、華やかに着飾って、テーブルの上座に座っている。主人公たちが来ると、歓迎の笑顔を浮かべて、名乗りあげ、ブラックリッデン城の領主と称し、自身たちが名付けた「永遠の夢の宴」に主人公たちの参加を誘い、食事をすすめてくる。「永遠の夢の宴」では時折、宴の人々は骸骨に、テーブルや衣は古ぼけてボロボロに見える。魔力のある金の指輪を所有している[103]
漆黒のオートマトン(原文:Ebon Automaton)
オナカに仕え、数世紀前のブラックリッデン城を任されている魔法を動力とする機械人形[104]。背が高く、歩くと重い足音がする。光を反射する金属製の漆黒の体に、薄い黄金の装飾をほどこされている。二つの目は、かすかに光る黄金の宝珠でできており、その顔には神秘的な美しさがある。会話は可能ではあるが、主人公たちを敵と判断すると、攻撃してくる。戦闘では、異常な速度で動き、両腕をメイスのように振るい、1ラウンドおきに、宝珠の目に集めた電撃のエネルギーを放射して最も離れた敵を攻撃する[105]。鎧強度と生命力が高く、逃亡することも許さない速度で動く、強力な主人のオナカを超えるかなりの強敵である[106]。ブラックリッデン城は他に、棍棒と盾を持った邪悪な6体のオーガが守っている[107]
オナカ(原文:Onaka)
「真のマグス」に使役されていたことで知られる悪魔。「永遠の荒廃王(原文:Lord of the Timeless Wastes)」「吐き出すもの(原文:the one whe Spits)」と呼ばれる。真のマグスによって命じられ、数世紀前のブラックリッデン城の玉座に座り、「時の貴婦人」像を守っている。黒いローブをまとい、見るもおそろしい地獄の悪魔めいたねじれた顔つきと剛毛、ギラギラと光る目、むき出しの牙をしており、チキン質の4本の腕を持ち、足には蹄(ひずめ)が生やしている。風が鳴るような音で話し、目前の人間の心を読むことができる。戦闘では、4本の腕による2回攻撃、遠距離に届く酸の唾、、魔法の準備状態を要さずに、「ナイトハウル」、「ソードスラスト」、「死の霧」、「雷撃」、「ネメシスの電光」、「盲目的服従」の呪文を使う。ある条件を満たすと、魔法を使えなくなる[108]。彼に仕える漆黒のオートマトンとともに戦うこともある。死ぬと、その存在の形跡は全て消え失せる。魔法のこもった長弓と矢を所持している[109]
マイオーグ[20](原文:Myorg)
スパイトの廃墟の廊下に存在する、テーブルのある椅子に座っている古風な白いマントと、白銀の頭かざりをつけた老人。「ファランターのマイオーグ」を名乗る。はるか昔、200年前にあったスパイトの「大爆発」前に、妻や家臣もいるファランターという街の領主であり、魔術師として魔導の道を極めていたが、真のマグスたちと魔力を競った末に、スパイトに囚われてしまっている。その時に、真のマグスたちに課された5つの試練を果たせば、解放されることが定められている。時の流れを知らず、過ぎる時間も止められたまま、現在も真のマグスによるレジェンド世界の支配が続いていると信じており[110]、自分の力で真のマグスたちの支配を終わらせることを望んでいる。すでに、4つの試練は果たしており、主人公たちに最後の試練である「時の貴婦人の小像を持ち帰り、五芒星に置くこと」の達成を命じて、数世紀前のスパイトの外にあるブラックリッデン城に転送の呪文で送り出す。空間に底なしの穴を作りあげる魔法や、相手を自由に転移させる魔法、電撃の魔法、複数の相手に力を授ける魔法も使う。かなり、わがままな性格の人物[111]
ホムンクルス(homunculus)
数世紀前のブラックリッデン城にある秘密の実験室にある瓶に閉じ込められていた小さいコウモリのような翼をもつ人造人間。未熟な両手で、液体に満ちた瓶を叩いて、か細く泡立たせながら、瓶の中から、主人公に解放を求めてくる。実現不可能な返礼を並べ立て、さらには、スパイトの砦の知識を持っていると主張して話す。解放を約束し、連れて行くと、追従を述べながら、5人の「真のマグス」が仕掛けた5つの扉のある部屋の全てを突破しなければいけないことを伝え、その1つに関する情報を与えてくれる。解放した場合、空が飛びさりながら、態度を一変させて、主人公の失敗と地獄に落ちることを願う言葉を放つ不誠実な性格をしている[112][113]
レッドデスの先駆け(Harbingers of Red Death)
レッドデスの赤い扉から入った広いホールの向こう側に存在する3つの大きな扉の中にある棺のような石の庫にそれぞれ入っており、3体登場する。全身にスパイクや棘がある鋼鉄の鎧の身体を持ち、その中身は空洞である。それぞれが、赤い大きなハルバード、黒い巨大なバトルアックス、鋼鉄の大きな鋸刃のついた刀を武器としている。主人公たちに従う100人以上の武装した戦士たちを無傷で全員、斬殺し[114]、主人公たちを恐怖におとしいれる。戦闘ではラウンドの始めに3分の1の確率で主人公たちを恐慌におちいらせ、そのラウンドに何も行動しないようにさせるが、ある条件を満たすと6分の1の確率に減少する。高い打撃力と鎧強度を有する。その武器も鎧も人間が使うには大きすぎる代物である。赤いルビーでできたロッドを守っている[115]
サラマンダー(saramander/Fiery Serpents/winged serpent)
「ファイアリーサーペント」とも「ウイングドサーペント」とも表記される。翼で飛行し、溶岩のような目と、オレンジ色の皮膚をしており、自身も炎で燃え盛り輝いている。レッドデスの赤い扉から入った地獄の炎が燃え盛る穴にいる。悪魔とともに、穴に落ちた犠牲者を炎で責め苦しめることに喜びを感じる。帰路において穴の上にかかった石の歩道を渡る主人公たちを、穴から上昇して4体が襲ってくる。彼らに強い打撃を与えられると、主人公たちは歩道から炎の燃え盛る穴に落ちてしまう[116]。高速で飛空するため、逃亡はできない[117]
アンクリーン(The Unclean)
プレイグスターの緑の扉から入った人間の死体で満ちた巨大洞窟にいるアンデッド。顔面はねじれた肉が残っているだけで、無数の潰瘍のような傷から緑色の膿が生じ、さらにウジが這いまわるその肉体からはむかむかする悪臭が放たれる。3体登場し、腐敗した肉を滴り落としながら、病のかかった腕を伸ばし、よろよろと歩きながら襲ってくる。傷を負わせられた場合、2分の1の確率で、腐り病に感染する。腐り病にかかった場合、低確率ではあるが、進行するごとに回復することができない生命力の損失を受けてしまう。アンデッドであるため、ブラッド・ソードが有効である[118]
アンデッドの女王(Undead Queen/Bride of Pestilence)
プレイグスターの緑の扉から入った人間の死体で満ちた巨大洞窟にある石棺に入っている、大昔に死んだ女性の肉体。石棺には、ローブを着て、首飾りをはめ、短い錫杖を持った堂々とした女性が描かれ、「疫病の花嫁(Bride of Pestilence)。安らかに眠ることを願う。星々が彼女を支配している[119]」と書かれている。古い骨に乾いた皮のようになった皮膚がはりつき、黒い髪が上半身にかかり、見事なつくりの緑と黄色の衣をまとっている。ある条件のもとで、魔力を集め、目を超自然の緑色に輝かせ、爪のある腕を伸ばして襲ってくる。その目は催眠の力を持っており、(魔法以外の)攻撃しようとするキャラクターは精神判定に成功しなければ、次のラウンドまで行動ができない。本来は強敵であるが、主人公たちがブラッド・ソードを装備していれば、精神力が高くないため、さほどの敵ではない。また、機敏度は高いが、足そのものは遅いようである。「蘇生の首飾り(torc of reanimation)[120]」を所有する。緑色のロッドを握っている[121]
アナーチ(The Anarch)
ギフトスターの金色の扉に入った奥の部屋にいる。強烈な悪臭を放ち、泡立つ粘液の身体を持つ無秩序でグロテスクな生物。その粘液に満ちた身体は絶えず変化し、偽足、触手、キチン質の昆虫のような肢や巨大な掴む腕が、ランダムに出現し、粘液質の目が生じては、先端に目や口がある触角が飛び出し、すぐに吸い込まることを繰り返す。また、その口は歯で縁取られ、滴る膿で覆われつつ、不快な音を立てながら、開閉し続ける。身体のある穴からは有毒ガスが放出され、別の穴からは、有機的な液が流れる筋状の舌が伸び、さらに別の穴はギザギザの棘で覆われている。戦闘では、攻撃される度に鎧強度が変化し、その攻撃に、「戦闘中に相手の戦闘力を下げる効果」や「精神判定に失敗すると3ラウンド麻痺させる効果」が付与されることがある。ラウンドの終わりに生命力を回復させる。また、人間のような精神を持たないため「盲目的服従」が効かない。短い黄金のロッドを守っている[122]
バイオフェージ(Biophage)
ホワイトライトの白い扉を開けた先の白い石造りの大きな部屋の中央にいる伝説上にいた生物。人間の形はしているが、無限に広がる夜空のように真っ黒い空間に、白い点が散りばめられてような姿をしているため、見分けるのも困難である。周囲の光のみならず、犠牲者が動かなくなるまで、思考力や神経エネルギーなど、すべての生命を形成する要素を吸収し、近づくだけで相手の脳を混乱させ、虚無をのぞいているような気分にさせる。ただし、熱さに弱く、炎の魔法は追加のダメージを与える。戦闘では、絶えず相手のエネルギーを吸収し、各ラウンドのはじめに精神判定に失敗すると、戦闘力が1(魔術師は精神力が1)減少し、これは戦闘中継続する。白い鋼のロッドを守っている[123]
ヘイムダル(Heimdall)
スパイトの廃墟の階上の正方形の広間にある巨大な壁画に描かれた人物。アスガルドの守護者である偉大なる戦士であり、壁画では、発光しているようにさえ見えるほど鮮やかに虹色に輝く「ビフロスト」と呼ばれる橋の上に立ち、片手には英雄たちの伝説的な角笛である、ギャラルホルン(Gjallarhorn。Gjall(ギャル)とも)を持っている姿が描かれている。「ビフロスト」は、アスガルドから天空を渡り、死者の安らぐ場所であるドゥームステッドに至る橋である。ある条件を満たすと、彼が手に持ったギャルンホルンを手にいれることができる。北欧神話の光の神、ヘイムダル(スペルも同じ)をモデルとしている[124]
トゥルソ(Turso)
スパイトの塔の魔力によりテレポートされた湖にいる巨大な海洋生物。古代の異教の神の一つとして、島にある祠において神として祀られ、供え物をされている。長いひれのある蛇のような下半身に、いくつかの人間に似た腕と筋肉質の触手が生えた人型の胴体の上半身を有し、頭部は鋭い歯が並ぶ巨大な口と多数の目でおおわれ、その息は腐った魚の臭いがする。祠の供え物によっては侮辱を感じ、人間を襲う。相手が船に乗っていた場合、各ラウンドの始めに6分の1の確率で船を攻撃する。打撃力が高く、動きがとれない船の上で戦うため、かなりの強敵となる。水の中では、戦闘力と精神力をあわせた上での判定に失敗した場合、トゥルソに食べられてしまう。トゥルソが死ぬ時は、暗くて濃い体液を流す[125]
ザラ・ザ・マンティス(原文:Zara the Matis)
「真のマグス」に仕える使徒の一人であり、低い声のエンフィドールの女魔術師にして予言者。全身を、敵の抹殺のために召喚できる悪魔が封印されていると伝えられる複雑な刺青で覆っている。尊大な性格であるが、心を読む術が使えるため、「真のマグス」の使徒たちの尋問の役目を担っている。灰色と白に明滅する神秘的な魔力を得意げに使い、数秒で主人公たちを灰の山にすると称する「死の雷(Incantation of Fulminant Death)」の魔法を使う[126]
カルナズ・ウスタッド・フセイン(原文:Karunaz Ustad Husein)
ハサン・イーサバーの末息子にあたるターシム人。ローブをまとっており背が高い。不治の重傷を負った父に託され、「死の剣」を携えて秘密組織であった「真のマグス」の使徒たちに潜入する。心を隠蔽するタクミン・ギャバ(takhmin gaba)の秘技を身につけている。自分自身へも含めて冷徹かつ冷酷なほど目的達成のために的確な判断力と実行力を有するが、かなりの男性優位社会であるターシム人であるため、女性に従属することは嫌っている。ターシム人でありながら、コラード人である主人公たちに、全ての人類に破滅をもたらす「真のマグス」の復活を阻止するために、民族と宗教の壁をこえて、西洋人と東洋人がいまこそ力をあわせるべきである説く。彼の指輪にいれている、マリジャー派に伝わる「聖なるチャラス」と呼ばれる、かぎたばこのような粉を吸うと、彼自身の傷が全て治り、生命力が完全に回復する。素晴らしい剣術の使い手であり、ランク19の戦士と同等の戦闘力と打撃力を有し、生命力は少し低いが、精神力と機敏度は2ポイント高い。「真のマグス」の使徒たちに入っていたため、「真のマグス」の復活の儀式の内容に詳しい[127]
「真のマグス」の最高使徒(原文:the supreme disciples of the Magi/the Magi's disciples/Disciples of the Magi)
「真のマグス」を狂信している信者たちの最高位にあたる5人の魔導士。「真のマグス」の5つの色のローブをそれぞれに着ている。紀元千年の「真のマグス」の復活の儀式のために、「ザラ・ザ・マンティス」ら大勢の「真のマグス」の信者と、5人のいけにえを連れ、魔法の器具を運ばせ、長い旅を経て、主人公たちより先にスパイトの廃墟に入り、魔法の罠や信者を使って、主人公たちを阻んでくる。5人は非常に強力な魔力を有した大魔術師であり、不意をつければ、数人で主人公たちやカルナズを数秒で黒焦げにすることができるほどの魔力を持つ。スパイトの塔の屋上で、五芒星をつくりあげ、5人の連れてきた人間のいけにえを捧げて、「真のマグス」の復活の儀式を実行しようとする。主人公たちが来ても戦うよりも、「真のマグス」の復活の儀式を優先して、そのための旋律をとなえる。「真のマグス」を狂信して、救世主だと考えており、自身を犠牲にしても、「真のマグス」を復活させようとする。防御の魔法で自分たちを守っており、高い鎧強度を持つ[128]。彼らは、また、秘密組織をつくっており、その信者は、ザラ・ザ・マンティスの他に、商人や農夫、司祭、騎士、学者などあらゆる階層の人間たちから形成されており、女性もいる。彼らもまた、スパイトに同行して、主人公たちを待ち受けている。彼らのうち、比較的、戦闘力の高い6名がスパイト廃墟の階上に配置され、その他の20名がスパイト廃墟の入り口にいる。彼らは一様に狂信的な行動を行い、主人公たちに襲いかかってくる。彼らの中には弓矢や、戦闘中に飲むことができる回復薬を所有しているものもいる[129]
アブデル(原文:Abdiel)
天使長(Archangel)。かつて、ブラッド・ソードと死の剣を鍛えてつくりあげた。かつて、全人類を代表して聖なる冒険をひきうける人間を選ぶため、地上に降り立っていた。「最後の審判」の時に竪琴の弦をかき鳴らし、神秘的で美しい音色をかなでて、主人公たちを笑顔で迎える。この時、彼が、過去に主人公たちが会っていたある人物であったことが判明する[130]

単行本(日本語翻訳)

  • ブラッド・ソード〈シナリオ1〉勝利の紋章を奪え! (富士見文庫―富士見ドラゴンブック)  デイブ モリス (著), オリバー ジョンソン (著), 大出 健 (翻訳)  1988/3/30
  • ブラッド・ソード〈シナリオ2〉魔術王をたおせ! (富士見文庫―富士見ドラゴンブック)  デイブ モリス (著), オリバー ジョンソン (著), 大出 健 (翻訳)  1988/7/1
  • ブラッド・ソード〈シナリオ3〉悪魔の爪を折れ! (富士見文庫―富士見ドラゴンブック)  デイブ モリス (著), オリバー ジョンソン (著), 大出 健 (翻訳)  1989/2/1
  • ブラッド・ソード〈シナリオ4〉死者の国から還れ! (富士見文庫―富士見ドラゴンブック)  デイブ モリス (著), オリバー ジョンソン (著), 大出 健 (翻訳)  1989/9/1

ペーパーバック(英語版)

  • The Battlepits of Krarth (v. 1) (Knight Books) Dave Morris (著), Oliver Johnson (著), Russ Nicholson (イラスト)  1987/5/1
  • The Kingdom of Wyrd (v. 2) (Knight Books) Dave Morris (著), Oliver Johnson (著), Russ Nicholson (イラスト)  1987/5/1
  • The Demon's Claw (v. 3) (Knight Books) Dave Morris (著), Oliver Johnson (著), Russ Nicholson (イラスト)  1987/8/1
  • Doomwalk (v. 4) (Knight Books) Dave Morris (著), Oliver Johnson (著)  1988/9/1
  • The Walls of Spyte (v. 5) (Knight Books) Dave Morris (著), Oliver Johnson (著), Jamie Thomson (著)  1988/12/1(シリーズ最終巻。日本語未訳)

ペーパーバック(英語新装版)

表紙が変更されており、追加ルールや変更ルールが存在する。5巻では、世界観や『ブラッド・ソード』が書かれた背景が追記されている。文章やパラグラフも一部変更されている。

  • The Battlepits of Krarth (Blood Sword) (Volume 1) Fabled Lands Publishing(出版) Dave Morris (著), Oliver Johnson (著), Russ Nicholson (イラスト)  2014/8/20
  • The Kingdom of Wyrd(Blood Sword) (Volume 2)  Fabled Lands Publishing(出版) Dave Morris (著), Oliver Johnson (著), Russ Nicholson (イラスト)  2014/8/20
  • The Demon's Claw(Blood Sword) (Volume 3)  Fabled Lands Publishing(出版) Dave Morris (著) , Russ Nicholson (イラスト)  2014/8/20
  • Doomwalk (Blood Sword) (Volume 4)  Fabled Lands Publishing(出版) Dave Morris (著) , Russ Nicholson (イラスト)  2014/8/20
  • The Walls of Spyte (Blood Sword) (Volume 5)  Fabled Lands Publishing(出版) Oliver Johnson (著), Dave Morris (著), Russ Nicholson (イラスト), Jamie Thomson (寄稿) 2019/6/10

小説(英語)

ゲームブックを原作とした全三巻の連作 The Chronicles of the Magi (マグスの年代記)がデイブ・モリスの手によって執筆された。 主人公はウォリアー・モンクの Altor とローグの Caelestis との二名。

  • The Sword of Life  Hodder & Stoughton(出版) Dave Morris (著) 1999/6/1 ISBN 0340672986
ゲームブックの1巻に相当。
  • The Kingdom of Dreams  Hodder & Stoughton(出版) Dave Morris (著)  1999/6/1 ISBN 0340672994
ゲームブックの2巻に相当。
  • The City of Stars  Hodder & Stoughton(出版) Dave Morris (著)  1999/6/1 ISBN 0340673001
ゲームブックの3巻に相当。ゲームブックとは異なり小説ではブラッドソードが黄泉の国に持ちさられることがなく、物語はここで完結する。

関連書籍(英語)

  • Blood Sword Battle Boards  Independently published(出版) Dave Morris (著) 2019/3/31

参考書籍

  • ドラゴンの戦士 (創元推理文庫―ドラゴン・ウォーリアーズ)  デイブ モーリス (著), 本田 成二 (翻訳)  1990/7/1
  • 魔法使いへの道 (創元推理文庫―ドラゴン・ウォーリアーズ)  デイブ モーリス (著), 本田 成二 (翻訳)  1990/7/1
  • The Lands of Legend (No. 6) (Dragon warriors) Corgi(出版) Dave Morris (著), Russ Nicholson (イラスト), Geoff Wingate (イラスト) 1986/8/8

外部リンク

脚注

  1. 原文「Quick Thinking」
  2. ただし、裏技的ではあるが、移動した後に同じパラグラフにもどってくる選択肢を利用して何度も繰り返す方法は存在する。
  3. 魔術師の非戦闘魔法は、僧侶の知識や超能力と比べた場合、余り明確な情報は手に入らないことが多く、良くない結果になることも多いため、この点が魔術師というクラスの扱いを難しくしている。
  4. この場合、ルールを厳密に当てはめるより、敵が結果的に強くなるという現象が生まれてしまう
  5. このルールを厳密に適用した場合、プレイヤーに魔術師がいた場合、他のキャラクターが敵を引き付けて、一マスずつ動いて敵を引き付けて、その間に魔法をかけて攻撃するような裏技が使える。また、あえて敵に近づかず、敵を先に近づかせて先手を取る戦法や、ひたすら防御に徹して、魔術師の魔法の成功まで待つ戦法なども使うことができ、プレイヤー側がかなり有利となる。
  6. このため、日本語翻訳版のルールでは、遠距離からの攻撃できる敵に対して、勝利することや逃走することができない戦闘が発生している。
  7. ただし、2019年出版の英語新装版の『The Walls of Spyte』にしか記載がないため、二つ目と三つ目はブラッド・ソードを装備していることによるボーナスととらえるべきかもしれない。
  8. ただし、永続的に続くわけではなく、尋問した場合、途中で魔法が解ける時もある。
  9. 服従させた敵が生きていた場合、ヴァンパイアの魔法をかけて魔術師が生命力を回復させることも可能である。また、服従させた敵を移動させて、他の敵の進路を防ぐ役割を果たさせることもできる。
  10. そのためか、『ブラッド・ソード』では到底、勝利することが不可能と思われる相手でも、勝利した場合の選択肢が用意されている。
  11. 『The Walls of Spyte』パラグラフ149
  12. 『The Walls of Spyte』パラグラフ44、452
  13. ただし、製作者のデイブ・モリスは自身のブログのコメントの返信において、"I wouldn't even allow characters from a Dragon Warriors roleplaying campaign into Blood Sword. Although both are set in Legend, they are tonally different versions of that world."と発言しており、『ドラゴン・ウォーリアーズ』のキャンペーンキャラクターは、「『ブラッド・ソード』の世界に入ることは認められず、この二つの作品は同じ「レジェンド」という世界でも色合いが異なるバージョンであると記している。Blood Sword redux: Doomwalk (part 1) - Fabled Lands
  14. 『ドラゴンの戦士』109-112頁
  15. 『The Kingdom of Wyrd』冒頭部分において、『The Battlepits of Krarth』からの冒険から「2週間の休養期間があるため」と記載されているので、第2巻と同年と推測。
  16. 『The Demon's Claw』パラグラフ1において、ワイアード王国の冒険から、すでに二年以上の月日が経った」とあるため、第3巻より2年前であると想定。
  17. 『The Demon's Claw』パラグラフ307において、修道院長が「最後の日までまだ5年の猶予があります」と話しているため、最後の日である1000年より5年前であることが分かる
  18. とはいえ、ジニーに「富の力」をもらっていた時は、主人たちの宮殿と財産はショーブレットにそのまま残っていると考えられる。『The Demon's Claw』パラグラフ15
  19. 原文「disciples of the Magi」
  20. 正確な発音は不明なため、ミョーグやミョルグなどと発音する可能性もある。
  21. 真のマグスが自分の信徒たちを「スパイト」に通すために使ったものが残っていたのか、主人公たちを「スパイト」に引き込むリスクを冒してでも仕掛けた罠だったかは明示されていない。
  22. 『Doomwalk』Grossary
  23. 『The Demon's Claw』パラグラフ60
  24. 『The Walls of Spyte(2019)』冒頭部分
  25. 『The Walls of Spyte(2019)』40
  26. 『The Demon's Claw』パラグラフ60 、214
  27. 『The Walls of Spyte(2019)』40、389、517
  28. 『The Battlepits of Krarth』Grossary
  29. 『The Kingdom of Wyrd』パラグラフ419
  30. 『ブラッド・ソード』におけるこの事件の真相については、登場キャラクターの「真のマグス」参照。
  31. 『The Walls of Spyte(2019)』巻末「Appendices(付録)」「Lands of Legend」
  32. 『The Kingdom of Wyrd』Grossary
  33. 『The Lands of Legend (No. 6) (Dragon warriors)』 「2 The Lore of Legend」
  34. 『The Demon's Claw』パラグラフ79、296、374、439、553
  35. 『The Demon's Claw』パラグラフ40
  36. 『Doomwalk』パラグラフ253
  37. 『The Kingdom of Wyrd』パラグラフ267、306、417
  38. 『The Kingdom of Wyrd』パラグラフ422、537、565
  39. 『The Demon's Claw』Grossary
  40. 『The Demon's Claw』パラグラフ18、85、101、168、269、291、331、535、575
  41. 『Doomwalk』パラグラフ45、415
  42. 『The Demon's Claw』パラグラフ44
  43. 『The Demon's Claw』パラグラフ290、550
  44. 『Doomwalk』パラグラフ97、111、287、519
  45. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ74、234、299、319、369、465、472
  46. 『The Kingdom of Wyrd』パラグラフ209
  47. 『The Demon's Claw』パラグラフ467
  48. 『The Demon's Claw』パラグラフ284、467
  49. これは、『The Kingdom of Wyrd』パラグラフ419の真のマグスの告白との内容が異なるが、真のマグスたちが「自分たちの悪事を隠そうとしたのか」、「その告白もある意味真実なのか」、「真のマグスの中でも、一部真相が隠されていたのか」は、その原因は不明。
  50. 『The Walls of Spyte』冒頭及びINTRODUCTION、440
  51. 『The Demon's Claw』パラグラフ60
  52. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ130、161、347、452、543
  53. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ210、280、382、505
  54. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ265、448、506、532
  55. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ119、473他
  56. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ44、190、364、471
  57. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ262、448、506
  58. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ79、119他
  59. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ148、177、448、506
  60. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ51、119他
  61. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ248、417、448、506
  62. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ74、472
  63. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ119、292他
  64. 『The Walls of Spyte(1988)』パラグラフ73
  65. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ448、506、510
  66. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ119、266他
  67. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ371
  68. 『The Kingdom of Wyrd』パラグラフ209 、330
  69. 『Doomwalk』パラグラフ429、515
  70. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ1、280、505
  71. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ1、280、505
  72. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ1、280、505
  73. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ125、177、209、313、400、415、441、518、533
  74. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ81、132、151、200、248、267、301、334、349、414、417、469、500、526
  75. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ278、496
  76. それでも通常の手段では勝利することは困難ではあるとはいえ、英語旧版に比べ、英語新装版では、かなり弱くなっている。
  77. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ21、43、95、155、438、510
  78. この時の選択肢の一つにより、「レジェンド」の世界でも、この世界と同様、天空では空気が薄く、呼吸ができないということが分かる。
  79. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ64、129、217、272、287、323、355、384、387、391、520
  80. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ2、501、503
  81. この時の選択肢により、主人公たちが全員眠った場合、「真のマグス」による地獄のようなこの世の支配が千年後も続いていることが分かる。
  82. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ27、149、174、198、269、333
  83. どのような経緯でドラゴンの姿になったかは、不明。
  84. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ17、116、176、211、246、305、309、325、524
  85. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ175、281、433、475、516
  86. ただし、この生まれたばかりのサソリも同じような能力を持ち、血液に毒を注入してくるが、相手を殺しても卵は植え付けず、その毒も回復薬や僧侶の生命力回復術を受ければ解除できる。
  87. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ73、83、133、192、226、306、310、397
  88. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ295
  89. ただし、この5つは、生き残った「真のマグス」5人のものではない。
  90. 小さな赤い宝石を取り外した後の状況を見ると、この「巨大な石の顔」は、魔法のアイテムというより一種の魔法生物のようである。
  91. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ13、50、123、428、460
  92. 原文:daddy longlegs
  93. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ9、94、138、357、359
  94. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ327、351、493
  95. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ23、33、108、260、390、487、493
  96. 作中でもブルームーンがつくりあげた実体化された幻影の可能性を疑われている
  97. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ4、31、36、48、84、135、153、275、297、381、513
  98. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ35、112、240、328、365、378、447、483
  99. 彼らが全員、倒された場合、その魔力は解ける。
  100. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ74、181、221、227、270、299、314、406、472、549
  101. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ18、299、385、527、547
  102. 『ブラッド・ソード』は中世ヨーロッパに似た「レジェンド」世界であるため、「baron」は現代の男爵ではなく、当時の「諸侯」の意味に翻訳。
  103. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ5、67、122、304、319、369、379、508、514
  104. 体内にはギアや歯車が存在する。
  105. この電撃の放射は、射撃のように戦闘力の判定を要するが、隣接した相手にも有効である。
  106. ただし、オナカと一緒に戦う時は、なぜか、放射する電撃のエネルギーの威力が落ちる。
  107. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ20、25、76、193、218、340、370、457、461、465、484、491
  108. ただし、その代わり、接近戦の2回攻撃を行うようになるだけなので、かえって手ごわくなる可能性が高い。
  109. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ20、114、120、199、369、443、454、474、491、536
  110. この部分は、『The Walls of Spyte(2019)』のAppendices「Lands of Legend」には記されていないが、少なくとも『ブラッド・ソード』の世界では、「大爆発」前に、「真のマグス」がレジェンドの世界を支配していたのかもしれない。
  111. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ47、136、167、234、302、338、388、476、539
  112. ただし、英語旧版に比べ、英語新装版では、解放前の主人公たちへの追従も、主人公たちへの罵詈雑言もかなり少なくなっている
  113. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ66、82、150、231、261、311、356、455、523
  114. 戦士たちは広いホールにいたもので、実体があるのか、幻覚なのか、過去の映像なのか、不明。
  115. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ243、315、335、373
  116. これはかなりの高確率で発生し、さらに、主人公のキャラクターの能力値判定などで防げないため、帰還する手段がほとんどないキャラクターが一人もしくは二人で冒険している場合、これを突破するのは、かなり困難であり、さらにこの理由で敗北した場合、死後も地獄の炎で苦しめられるという結末が待っている。
  117. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ3、51、80、93
  118. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ292、341、358、372、395、498
  119. この星々とは真のマグスの五つの魂のことを示していると思われる。
  120. 死んだ仲間の一人をゾンビとして蘇生させるアイテム。つけられたキャラクターは、ゾンビとして蘇生し、生命力が上昇し、精神魔法は効かなくなり、戦闘には参加できるが、各能力値は低下し、独自の判断はできなくなり、魔法は使えなくなる。
  121. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ62、139、166、194、257、341
  122. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ16、206、423
  123. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ79、293、307、322、410、419
  124. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ29、219、237
  125. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ63、70、179、332、418、444、459
  126. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ26、113、130、371
  127. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ26、89、113、201、273、343、361、364、371、389、405、409、471、482、528
  128. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ1、96、178、273、329、404、409、434、437、439、440、464、477、478、543
  129. 『The Walls of Spyte(2019)』パラグラフ49、78、88、92、152、169、197、239、256、488、534、540
  130. 『The Walls of Spyte』パラグラフ550
This article is issued from Wikipedia. The text is licensed under Creative Commons - Attribution - Sharealike. Additional terms may apply for the media files.