ユウガオ
ユウガオ(夕顔、学名:Lagenaria siceraria var. hispida)は、ウリ科の植物で、蔓性一年草。実の形によって細長くなった「ナガユウガオ」と、丸みを帯びた球状の「マルユウガオ」とに大別する[1]。
ユウガオ | ||||||||||||||||||||||||
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ユウガオの果実 | ||||||||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Lagenaria siceraria var. hispida | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
ユウガオ(夕顔) | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
bottle gourd (ヒョウタンの訳語でもある) |
概要
夏の夕方に開いた白い花が翌日の午前中にしぼんでしまうことに由来する[2]。アサガオ・ヒルガオ・ヨルガオに対して命名された名であるが、アサガオ・ヒルガオ・ヨルガオはいずれもヒルガオ科の植物であり、ウリ科のユウガオとは直接の類縁関係はない。ヨルガオがユウガオと呼ばれる事もある。
原産地は北アフリカまたはインド、古くから日本でも栽培されていたとされるが、何時どの様に伝来したかは分かっていない[3]。
大きな果実を実らせることが特徴。同じく大きな実を実らせるウリ科の植物にヒョウタンがあるが、ヒョウタンとユウガオは同一種であり、ヒョウタンがインドに伝わって栽培されるうち、苦味の少ない品種が食用のものとして分化、選別されたと考えられている。
『源氏物語』をはじめ古くから説話や民間伝承にも登場するなど口承文芸のモチーフになっているほか、民俗的にはハレの日に食し、陽気や作物の豊凶を予兆する年占作物としても認識され、作物禁忌も存在した。
栽培
ユウガオの実はかんぴょう(干瓢)の原料となる[2]。生育は極めて旺盛でつるの長さは20mにも達する[2]。日本国内では、栽培は斜陽の傾向にあるものの、新潟県、栃木県、山形県、山梨県、岩手県などで栽培が行われている。
利用
食用
かんぴょう(干瓢)はユウガオの実を細長い帯状に剥いて加工したもので、巻き寿司や汁物などに使われ食用にされる。主にマルユウガオからかんぴょう(干瓢)は作る[1]。沖縄県においてはチブル(頭の意)と呼ばれ、かんぴょうにするよりも冬瓜と同じように煮物、汁物にしたり、炒め物、または生のまま胡麻和えなどにして食べるほうが一般的。山形県および新潟県の郷土料理「クジラ汁」の具材。実は食用のほか容器としても用いられる。
なお、ユウガオは、同一種のヒョウタンの中から、食用にするため、苦みを持つククルビタシンの少ない品種を選別した変種である[5]。そのため、接ぎ木栽培用の台木用の品種など、食用外の品種にはククルビタシンの多い実を付けるものがある。また、まれに食用品種の一部の株でもククルビタシンを非常に多く産生するものが混じって流通することがあり[6]、自家栽培したものなどを苦味を我慢して食べたことによる食中毒事例(おう吐や下痢等)もある[6]。そのため、ゴーヤー(ニガウリ)に比べて苦味の強いものには注意する必要がある[5][6]。
脚注
- “ゆうがお〔ゆふがほ〕(夕顔):デジタル大辞泉”. 小学館. 2015年1月10日閲覧。
- “ユウガオ”. いわき市. 2019年10月19日閲覧。
- “かんぴょうはどのように作るのですか。:消費者相談 - 平成20年4月”. 農林水産省. 2015年1月10日閲覧。
- 李鎔一、「野菜産地の形成と維持機構」 『人文地理』 1999年 51巻 5号 p.494-510, doi:10.4200/jjhg1948.51.494, 人文地理学会
- “自然毒のリスクプロファイル:高等植物:ユウガオ”. 厚生労働省. 2013年5月16日閲覧。
- “ゴーヤーより苦いヘチマやユウガオにご注意!”. 沖縄県衛生環境研究所. 2020年5月25日閲覧。
外部リンク
- ユウガオ「食品衛生の窓」東京都福祉保健局](日本語)
- 自然毒のリスクプロファイル:高等植物:ユウガオ(厚生労働省) (日本語)